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【つながる旅行記#34】大迷惑な下北半島徒歩縦断(夜)と最高の太巻き

前回、むつ科学技術館を楽しんだ。
楽しんだのはいいのだが、ホテルまでのバスがない。

嘘だろ……?

あぁ……もう……!!

歩くしかない。


(いや正確に言えばタクシーでもなんでも呼べばいいわけだが)

ホテルまで9km

自分が予約したホテルまでは最短距離で9km
所要時間の予想は約2時間

なんだか下北半島の細い部分を縦断する勢いなわけだが、
正直なところ9kmと聞くと、行けそうな気がしないだろうか?

実際自分は今までの旅行で9kmくらいなら一日によく歩いているのだ。
もちろん今日は浅虫水族館でも結構歩いたし、むつ科学技術館を見学しているときも常に立ちっぱなしだったわけだけど……行けそうな気がする!

旅行の謎テンションだったのか知らんが、そう思ってしまった。

ここは青森。そして2月。

それにむつ科学技術館までの道は、雪で歩道が塞がれていたのを見ていたはずなのに……。


歩き始めてしばらくすると、街へと繋がる道路に接続した。
そしてすぐに気づく。
これはヤバいのではないか……?

雪のない頃

これは同じ道の、雪のない頃のストリートビューである。
もうなんかこの時点で歩行者が居たら軽く迷惑なわけだが、
雪があると更に大変なことになる。

雪を加えた図

そう、積もった雪によって明らかに車線が狭くなるのである。
そしてそんなところに歩行者が居ようものなら凄まじく邪魔

かと言って積もった雪の上を歩くのは当然不可能。

もうひたすらに車が来たら雪側に深く入って避けて
また少し歩いては避けてを繰り返すしかない。
これを9km……だと?

いや、それ以前に車側の気持ちを考えると頭が痛くなってくる。
自分はどれだけの車に迷惑をかけているのか。恨まれているのか。

時刻はもう17時をまわった。
街場から帰宅してくる車も増えてきたので最悪のタイミングである。

避ける頻度が増える。
申し訳なさもどんどん募る。

日も落ちて自分の姿は見にくくなっていることだろう。
運転手に余計なストレスを与えているのは間違いない。
なんで防寒具に黒い服を選んでしまったのか。
歩くペースも全く上がらない。

歩くとか言った馬鹿は誰!?


……まあ自分なんだけども。


ひたすら申し訳なさを感じつつ歩き続ける。
肉体的な疲労もそうだが、精神的な疲労がすごい。

そんなとき、人家が立ち並ぶ地域に入った。

やっと終わったのだ。
あの地獄のようなゾーンが。

この地域は自分の家の前だけではなく、
歩道もしっかり雪かきしてくれていた。

ああぁあ……! ありがたやぁ……!!

そう、人は一人で生きているわけではないのだ。
ここの住民の方が雪かきしてくれてなかったら、
もう自分は死んでいたかもしれない。(過言かもしれない)

やはり追い詰められたときこそ、人のありがたみに気づくのだ。
自分も雪国に住んだら、歩道を雪かきしよう……。


歩き始めて1時間は経っただろうか。
だんだん道の雪も少なくなってきた。
ここでやっと写真を撮る余裕が生まれた。
(どんだけ追い詰められていたのか)

もはや本当にただ撮っただけという写真だが、
当時の自分の安堵感が伝わる気がする。

そしてその後どうにかホテルへ到着。

長い戦いは終わった……。


なんかもう足も普通に痛いわけだが、ホテルに荷物をおいて買い物に行く。

自分は基本常に素泊まりで、外食よりもスーパーやコンビニで買ってきたものをホテルで食べることが多い。その方が気楽だし。

半額恵方巻

さとちょう」という初めて見るスーパーで恵方巻きを買ってきた。
時間も時間なので半額である。
そうか、今日は節分だったな……。

十二宝開運海鮮巻」だそうだ。
これはご利益がありそうだ。(半額だけど)

でっけぇ!!

デカさも十分。
っていうかこれ一人で食う用じゃないかもしれない。

まあそれはともかくお腹が減って死にそうだ。

ではいただきます。


いやめっちゃうまいなこれ!!



そこらの「1000円するくせにかんぴょうで済ませようとする恵方巻き」なんざとは次元が違う!!
溢れんばかりのイクラやらマグロが入っていて、このデカさで1000円だと!?

自分は半額で買ったが、普通に1000円でもそこらの恵方巻より絶対にこっちを買うだろう。節分限定だとしたら悲しすぎる……!

いや、この地域の海鮮なら寿司とかでもこのレベルなのか……?
下北……やってくれる。


さあ、美味すぎる太巻きも食べたし、体はボロボロだし、
風呂に入ったらすぐに泥のように眠ろう。

なにせ明日も歩くだろうから。

下北に来たのはシャーマンキングの聖地巡礼のためなのだ。

ふふっ…明日も楽しみだ……。


(なんで聖地巡礼を今日のうちに済ませておいて、むつ科学技術館を明日にまわさなかったのかは不明である)

次回へ続く……

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