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映画を観たあとひとり飲み

ちょっと楽しいことを覚えてしまいました。

家で夕飯を済ませ、夜の街を歩いてレイトショーを観たあと、日付が変わるまでやっているバーに行って2杯か3杯飲んで帰るのです。
甘いお酒が好きなのでフルーツ系を頼みます。
カウンターに座って、二次会の人たちの笑い声やシェイカーを振るバーテンダーさんの手元をつまみに飲むのがいい。食べ物はピスタチオかミックスナッツ。夕飯が済んでいるので軽いもので大丈夫なのが、また気楽でいい。


そのバーは先日、友人に連れていってもらったところです。
本格的にバーテンダーさんがいるようなお店に入るのは初めてで、でも友人が一緒だから緊張も和らぎました。今回はひとり。ちょっとドキドキしながらドアを開けます。
12月に入ったからか、金曜の二次会タイムだったからか大入り満員。5~6人でしゃべっている大きな声も聞こえます。ちょっとうるさいな、とは思ったけれど、入店したからには飲んで帰らねば気が済みません。
先日は何を頼んだかな、今回は違うものが飲みたいな、とメニューを眺めます。ありがたいことにメニュー表があるお店なので。食べ物も結構豊富。
ピスタチオとお酒を頼んで、ゆっくりとグラスを傾ける。
なんだか一段人生が楽しくなった気分でした。
ひとり客はわたしだけで、他のお客さんはみんな他人で、くるくると手際よく美しく動くバーテンダーさんのシャツベルトにグッと来たりして。ああ、こういう楽しみって知らなかったな、という快さ。
観たばかりの映画の感想をSNSに呟いたりしながら、今度はもう少し空いてそうな時間に来ようと思ったりしました。でも12月だからな。いつも混んでるかもしれません。


臆病なわたしがひとりでバーに入ることができたってことは、気になっている別のお店にだってひとりで入ることができるってことです。散歩中に見つけたビルの角の、小さな居酒屋。日本酒を主に扱っているらしい小さな店舗。
常連さんが多そうだな、わたしなんかが入って浮かないかな、なんてビクビクしているけれど、そこにだってひとりで乗り込んだりできちゃうかもしれない。まずは人が少なそうな平日を狙って。
気になってるお店は行ってみないと分からない。

ただ、相談するべきはお財布です。悔しいけれど、お財布なんです…。

あと数万円の余裕があったなら、迷うことなく外食ができたでしょう。760円のラーメンを躊躇ったり、美味しいパン屋さんで買い物することを諦めたり、道すがらチェーンの居酒屋で晩ごはんを済ませたい気持ちを押し込めたりすることもない。
ああ、世知辛い世の中です。


バーにも通ってみたいけど、やっぱりわたしの人生にはちょっとした贅沢です。何か楽しいことがあったとき、それに上乗せするくらいがちょうどいい。
レイトショーのあとの1杯とか。
繁忙期が終わったあとのご褒美とか。


すり減りがちな人生で、新たな楽しさを見つけたことは歓びです。
たまにはのんびり、映画を観たあとひとり飲み。


おすすめします。
楽しいですよ。

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