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アウトプット、はじめました。

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最近の記事

照らす

光強きところ影深し。 光を当てる、という作用には、影を作る、といいう反作用がある。 照らす、とは、影の中、闇の中の埋もれてしまった何かを、他者から発見されやすいように浮かび上がらせることをいう。一方でその背後にまた、より深い影を落とす。西欧人の顔に陰影があるのは起伏が大きいからだ。私の鼻は低く眼窩も浅い、平たい顔だ。光を当てても影はつかない。くっきりはっきり明暗を白黒を、深い影をつけようにも付きようがない。 一日を過ごして帰宅すると、同居人は私に問う。「今日、何かあった?」

    • 新年度

      年度が替わり、組織はいじられ、人が右に左に、あるいは上に下に、と動いたが、あまり大きく変わったようには思わない。 特に自分は、上や左右に行きたいわけではないが、同じ場所で動かないのは、なんだかつまらない。環境が変わらないと、惰性に流されやすい。。  いわゆる、性善説とか性悪説とか、人間をバッサリと白黒分けるのを好むわけではないが、人間は弱くて怠け者だと思う。環境が「変わる」ことは受け入れるけど、「変える」こと、変えるためにエネルギーを出すことは、めんどくさがる怠け者。だから、

      • 京成みどり台駅近く、伊藤邦明邸側から、建設中?のzozo 前澤邸と、1970年代に建設された街並みを見る。  街は、最初に資本投下されたときに姿が決まり、変化は経済発展に従う。  前澤氏が何を認めてこの地を選んだかは存じないが、今街は変化の時、美しい方向へ変化してほしい。

        • 西☓☓駅 満腹編

          満腹とは、おそらく99%以上の生物にとって安らぎや幸福を意味するのだろう。私は、場末のトーストに促された満腹感に大きな後悔を伴いつつも、動物として安らぎを感じていることに苛立ちを覚えつつ幸福だった。そして、この満腹感を、もっとも伝えてはいけない人物が私の前に現れた。 「早く閉めたいので出て行ってほしい。」 私が握るカップには、コーヒーとして名前と値段の付けられた濁り汁が、まだ残っていた。冷めたらその汁はさらにコーヒーから遠ざかって行くが、私をその椅子に留まらせるには充分な役割

        • 京成みどり台駅近く、伊藤邦明邸側から、建設中?のzozo 前澤邸と、1970年代に建設された街並みを見る。  街は、最初に資本投下されたときに姿が決まり、変化は経済発展に従う。  前澤氏が何を認めてこの地を選んだかは存じないが、今街は変化の時、美しい方向へ変化してほしい。

        • 西☓☓駅 満腹編

          「人がかわる」

          1. ある場所にいる人(仮にAさん)が、Bさんに、入れ替わる。代わる。   換わる。 2. ある人(仮にCさん)の内面や振る舞いが、以前と比較して変化する。   変わる。 さて、春は人事異動の季節。1.の意味であちらこちらで人が入れ替わる。いつも親しくしていたD社の愛想のよいE部長は、仏頂面のF副部長に代わっており、なかなかやりにくくなった。 さて、春は(最近はそうでもないが)花見だ、歓迎だ、懇親だ、と言っては飲酒の季節。飲酒に起因して、2.の意味で人が変わったような振る舞

          「人がかわる」

          作品が照らし出す世界

           坂本龍一の訃報に触れ、私が過去に触れた彼の作品を振り返って、聴いた。  彼の作品(アルバム単位で)はいずれも素晴らしい。しかし、イージーではない。聴くには多少集中力と体力がいる。私は一定に体力がある良いリスナーだと自負している。いつだって尊敬と真剣さを持って彼の作品を聴いた。  私は彼の作品に感謝している。彼は作品を通じて私の世界を広げ、目を澄ませてくれた。中学高校生時代の私に、世界の大きさ、多様さ、深さを、知らせてくれた。彼自身は(一般的には当然輝いているセレブリティだが

          作品が照らし出す世界

          風向き

          やはり、春には何かが変わる。 自分は変わろうなんてしなくても、周りは何の構いもなく変わる。風向きが変われば帆の向きを変えなければ、進行方向が変わってしまう。 帆の向きを変えてまで、行きたい先があるのかな。 僕には目的地なんて、あったのかな。 旅立ったその日には、確か、どこかに向かっていたはず。少なくとも家の扉を出る決心をするだけの、魅力のある「目的地A」を目指していたはずだ。 目的地、とは、そもそもたどり着くことを前提に用いられる言葉だ。だけど、道の途中で、「目的」と「

          西XX駅

          トーストとコーヒーは料理とは言わないことは間違っていないとしても、腹の中でいくばくかの場所は取る。一時の空腹を押さえるだけの能力は体積として保有している。中年を過ぎ食欲の減退しつつある私は、ポエムでは最高の調味料などと言われる貴重な空腹を、浅慮で浪費したことを猛烈に後悔した。建物外観から十分に想定し得たリスクを、必然が生まれたなどと判断して注文に至った自分の不明を嘆いた。  今日の午後の私は、こんなトーストとコーヒーのエネルギーで駆動するのだ。発揮される成果などおのずと知れて

          西XX駅下車

          昼下がり、列車は駅に到着し、私は降りた。降りた乗客は、私一人。 駅前には不格好な街路樹が一本と、男の胸像、タクシーのいないタクシープールがあった。 「ここに列車が停車することは歴史の必然ではなく、彼の努力の賜物だ。」とのこと。その彼の胸像は、鳩の糞にまみれていた。 歴史の必然が無い場所に、糞まみれの銅像男のせい、望まれることなく生を受けたこの駅の周囲には、歴史の必然として空地が広がる。 その一画に、どの空き地にでも載せられる形に、安価な素材の寄せ集めで、壊す前提で建てられた

          西XX駅下車

          自分を作った場所

          娘が高校を受験している。息子が高校に通っている。私は、自分が高校時代に何をしていたか、かつてないほど頻繁に思い返している。  高校時代に何をしていたか。つい考えてしまう。自分はいつ、今の自分になったのか。事実があるだけで、因果の答えはわからない。  高校は進学校だった。だから成績は悪くはなく(学内では最低水準だったが)、素行も悪くなかった私は、親から一切の干渉や押しつけを受けなかった。両親が私に何もしなかった(その上に、日常の些細な名もなき事々をあてつけることなく全て片付け

          自分を作った場所

          マンガのストーリーについて

          少し前になったが、nhk で進撃の巨人が放映され、世間では鬼滅の刃が大人気。後を追うように、呪術回戦が流行りつつあり、私の娘は今、東京喰種トーキョーグールに夢中。 https://ameblo.jp/mwewiw/entry-12652288977.html ここではこれらを強引に総称して、今、と言おう。 過日、石巻の石ノ森章太郎マンガ記念館を訪れた。 石ノ森の代表作は、キカイダー、仮面ライダー、サイボーグ009。(ホテル とロボコン他は、意図的に除外) 石ノ森は私の子供

          マンガのストーリーについて

          ハトの巣建設計画

          我が家のベランダの室外気のうらの20cmほどの隙間に、ハトが巣を造ってた。 鳴き声がホーホーうるさいので、撤去。 多分、工事進捗率50%くらいかな。 ほとんど、小枝 計ってみた。重くはない。 完成したら、200gくらいになったかな。 大きめな枝を、10本ほど選んで計量。 ざっくり全部で150から250本、てな感じでしょうか。 最終的には300から500本として、 完成まで、500回の調達、運搬、かな。 カワラバトの体重は、約300gとして、 一回の最大運搬

          ハトの巣建設計画

          やってみることに失敗はないのだ。

          19世紀頃の図面が好きだ。知りたい!作りたい!という熱量を感じる。 これは韮山の反射炉製作の参考とされた当時の図面のコピー。製作用の特殊工具類が描かれている。治具とか工具とか、地味だけど不可欠。 ここは世界遺産に登録された、韮山反射炉。 幕末の最新鋭兵器製造工場の遺構。 産業遺構は目的が明確だ。リターンを求めて合理的に判断されている場合が多い。実行された時代の判断基準、検討の限界、投資とリターンのバランス感覚を実感することができる。宗教遺構より分かりやすい。 このプロジ

          やってみることに失敗はないのだ。

          フグのための建築、ここしかない場所

          大学時代、かれこれ20年?以上前から今日まで、仕事にするほどの建築オタク。どこへ行っても建物を見ます。嗅覚も確かです。 下関、ならば海辺には海響館と唐戸市場、ということで、“建築を見るために”下関へ。 唐戸市場の屋上からの海響館、関門海峡と天高い秋の空。 唐戸市場の内観、pc 鋼線張弦梁の素晴らしい構造体の下の空間には、フグ、フグ、フグ。で、私も早速フグ! 建築よりもフグが好きかも。 私以外の周囲のお客様は問うこともない、ここへ来る理由。 フグ、イクラ、海鮮丼。 流

          フグのための建築、ここしかない場所

          これは、あそび環境だろうか in 北九州02

          八幡製鉄所が拡張するに辺り、工業用水が不足、ついては渓流をせき止めて用水を確保!これが戦前の富国強兵時代のスピード感であり、恐ろしさ。今なら当然環境アセスと地域説明会。 しかし、そんなこんなも自然と時間は飲み込んじゃうな、という楽観と、再自然化は容易じゃない、もう戻せないんだなという悲観と。 森の奥深くにたたずむ古城のような風情。ここは河内堰堤。これが1927年の竣工当時は東洋1の規模だったというのだから、この90年ほどで世界の土木技術が、ひいては世界自体が、どれ程変わっ

          これは、あそび環境だろうか in 北九州02

          これは、あそび環境だろうか。in北九州01

          私の大学の卒業論文のテーマは「こどものあそび環境」。一生興味を持てるテーマに充実した時間をかけられた私は相当な幸せ者。  この度機会を得て北九州、下関を一回り。思ったことを以下に。 1.写真もとらなかった世界遺産 八幡製鉄所の建物が、世界遺産に登録されたらしい。が、製鉄所が所有管理する建物なので、遺産指定された建物自体には近づくことができず、遠くから見るだけ。私の心が動かなかったからか、写真も撮らず。 失礼を承知で言えば、レトロ遺産は「昔はスゴかったんだぜ、昔はね、」にな

          これは、あそび環境だろうか。in北九州01