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「静かなる自殺」孤独死について考える

いきなりですが、孤独死の中には「静かなる自殺」という捉える人がいます。

今回お話しするのは、孤独死の中でも、

社会との関わりが少なくなって…というパターンですね。


ふつうの生活を送っていている大半の方からすれば、「孤独でも、何だかんだ生活できるし問題ないのでは?」と思われる方も多いでしょう。

ですが、孤独とは想像の何倍も人を追い詰める環境だということをご理解していただきたいです。

人は意図せずに孤立してしまうと、精神的に孤独によりセルフネグレクト状態に陥ってしまいます。

セルフネグレクトとは、日本語で「自己放任」と訳され、自己管理ができず、健康状態や身の回りのことができなくなってしまうことを言います。

精神的な孤独は人の心を蝕みます。

想像してみてください。他人との関わりがない状態を。1日や2日ではなく、それが何ヶ月、何年と続いていくのです。

最初は、孤独から他人の目を気にしなくなるため、部屋の状態や容姿を気にしなくなります。不潔で、悪臭の漂う部屋や身体になっていきます。

そうなるとどうでしょう。自己肯定感が保てるでしょうか。無理でしょう。

自分が生きている意味を見出せなくなり、少しずつ自分がどうでもいい存在になってしまうんです。

この時点で、鋭い方の中には「助けを求めたり、助けたりしてあげれば良いのでは?」と考える方もいらっしゃるでしょう。

ですが、社会から外れてしまっているため、誰も気にかけることがなく、(気づけない)手を差し伸べてくれる人がいないのです。

生活を正すよういってくれる人もいないんです。

だからもし病気をしても、治療しようとする意欲も湧かないし、治療を進めてくれる人もいない。


食も疎かになり、栄養も摂れないので体もどんどんと蝕まれていく。

その頃には衣服が汚れても放置し、乱れても気にならなくなっているでしょう。

そうやって、ゆっくりと、誰にも気づかれることのないまま、死に至るのです。

だから、孤独死のことを「静かなる自殺」と捉える人がいるのですね。


決して、他人事ではないと思っています。「8050問題」なんかで話題になっていますよね。親子で孤立してしまい、公的機関に頼れることも知らずに、親子ともども亡くなった事例もあります。

誰にでも、身の回りで将来起こりうる可能性があるでしょう。


私は、孤独を生み出してしまう社会自体に問題があるのでは?と考えています。

孤独死を防ぐには、「孤独」を防ぐネットワークを作ることが解決策として挙げられますね。公的に作れたら良いのですが、(そういった取り組みもあります。)私は個人個人がネットワークを作っていき、孤独死を回避する方が望ましいと思っています。

孤独とは、他人に「認められていない」ことだと考えています。

人間は「認められなければ」生きていけない生き物だからです。

「認める=Acknowledgement」こと。

ここでの「認める」は、人として認めることではなく、人格を受け入れ、尊重し、人の輪の中の一員であることを認めるという意味です。

人間は本来、人間との繋がり、社会的集団の中で生きるよう進化してきた生き物です。

人間は、他人との関係の中で自分のアイデンティティを築いていきます。

人との繋がりがなければ、(認められなければ)自分という人間の存在意義を見失ってしまい、自暴自虐となり、負のスパイラルに陥るのです。

そうならないために、人の繋がり(ネットワーク)を作っていくことが必要でしょう。

みんなが人の輪の中の構成員であることを自覚できる環境を作ってやることが大切です。

お互いに「認め合う」ことで、人の輪はできていきます。

挨拶なんかいい例ですよね。同じ輪にいることを確認し合うことだけでも、全然違います。

挨拶しても、無視したり、反応だけであったりする人も多いんですが、お互いに同じ輪にいるということを「認め合う」ためにきちんと挨拶をしっかりと伝えるべきなんでしょうね。それが知らない人であっても。

昔と違って今はお隣の人の顔も知らないですし、ネットがあるため物理的に孤独な人が多いです。

例えば、地域のつながりを面倒だと思う方も多いでしょう。

あと、ネット上でのつながりで満足している人も多いです。

繋がりや輪が感じられていれば十分なのでしょう。

アドバイスとして、ネットであれ、現実であれ、ネガティブな感情で接するのではなく、ポジティブな心で接すると、いい繋がりが作れますよ。


このように自分や周りの大切な人、近所の人を孤独死を防ぐには、こういった小さなことから、輪を作る意識が大切なのかなと考えています。

孤独死を防ぐためだけではなく、その繋がりは意外な形であなたに帰ってくると思います。

コツコツと充実するネットワークを作っていきましょう。

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