有名になりたい人たちがトロントで起こした騒動
トロントはカナダの中で一番大きな都市なので、ここにいると観るもの聴くものがいろいろあってエキサイティングではあります。
それと同じくらい、本当に信じられないことがいろいろあるのも事実。
自称ラッパーによる飛行機でのウイルス騒動
つい先日、2月4日のニュースで報道された件。トロントの空港からジャマイカ行きの便に乗っていた28歳自称ラッパーの男性が、中国帰りで具合が悪いとホラを吹いて連行されました。
ウエストジェットの飛行機がトロント国際空港を旅立って約2時間後、この自称ラッパーの男性は後方の座席で突然立ち上がり、携帯でビデオを撮りながらこう言ったそう。
「みんな聞いてくれ。僕は新型コロナウイルスの中心地、湖南省から帰って来たばっかりで具合が悪いんだ。」
このため、急遽飛行機はトロントの空港へと逆戻り。ジャマイカへ行く予定だった乗客243人が足止めを食らった。
男は機内で客室乗務員達に冗談だと説明したものの、当然連行。3月9日に裁判が予定されてる。
のちにインタビューに答えたこの男は、このビデオを撮って話題を集めたかったんだそう。さらにこう答えたそう。
「僕はエンターテイナーとして、いつも人々の反応を期待しているんだ。(今回は)自分が期待したものとは違う反応だったよ」
そして昨日の5日水曜、YouTubeで「謝罪」ビデオを公開。
「実際は中華料理について冗談を言いたかっただけなんだ。中華料理を食べて具合が悪いという意味で捉えてもらえるはずだったんだ」
さらにビデオの下につけたキャプションには、「僕を許してくれるなら、ぜひ僕の音楽をチェックしてサブスクライブしてください」と。
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トロントではこうして人の関心を集めたい、ソーシャルネットワーク世代の若者が他にも事件を起こしています。わたしがトロントに来た2016年から、聞いた限りではこれが3件目。
2017年のクレーン・ガール騒動
2017年4月には後に「クレーン・ガール」と名付けられた当時23歳の女性が騒動を起こしました。
トロントのダウンタウンにあった、地上およそ100メートルのクレーンに酔っ払って登り、セルフィーを撮っていた彼女。普段からアドベンチャー好きで、屋上の縁に立ったり線路に寝そべったりする写真をインスタに投稿し続けていたらしい。
そして降りる途中で足を滑らせ、地上45メートルで宙づりになって助けを求めたとのこと。警察20人、救急隊、消防員が午前3時過ぎに駆けつけ、平日の朝10時まで道路が封鎖。ラッシュアワーの交通機関が影響されたのは言うまでもありません。
裁判ではかなり反省した様子を見せていたとのことで、ひどい中でもまだマシなほう。
2019年のチェア・ガール
記憶に新しい1年前の2019年2月、当時19歳の女性が起こした騒動。この女性は後に「チェア・ガール」と呼ばれることになりました。
朝方ラッシュアワーの時間帯に、この女性は45階のコンドミニアムのベランダからトロントの高速道路に向かって椅子を投げ落とし、その様子を仲間と共にインスタに投稿しました。
幸い怪我人は出なかったものの、もし車や歩行者に当たっていたら大惨事になっていたはず。ちなみにこのコンドミニアムはAirbnbで借りていた部屋だったそう。オーナーも大迷惑・・・・・。
この女性は注目を浴びたい典型的なタイプのようで、メディアの取材中にも携帯で自撮り。裁判所前でも始終笑みを浮かべ、カメラに向かってキメ顔で微笑んでました。
今彼女のインスタアカウントは続行中。謎にオフィシャルアカウントになり、現在4万人以上のフォロワーがいます。
これらの騒動は、「chair girl Toronto」「crane girl Toronto」「WestJet coronavirus」などで検索するとすぐヒットします。
ソーシャルメディアは何のため?
実際こういう騒動はトロントに限ったことではなくて、世界中で起こっていることだけど。
注目を集めたい一心で、過激な写真や動画を撮ろうとする人たち。人間としてのモラルを無視し、周りに大迷惑をかけてまで、さらに悪名としてでも有名になろうとする人が後を立たないことにかなりの不安を感じます。
誰でも簡単に投稿できて、誰もが有名になれる可能性がある。素晴らしいことでもあるけれど、こういう勘違いな人たちが出ると、そのソーシャルメディアの意義を改めて考えさせられます。
こういう若者が出ないように、モラルのあるソーシャルメディアやインターネットの使い方を、早くから子供達に理解してもらう方法ってあるんだろうか・・・。
そして、ネットだけじゃなくて普通に道徳観のある人間を育てるために、もっとできることはないんだろうか。
正直周りを見ていても、明らかに道徳観が足りない人たちが街にたくさんいます。
氷がたくさん入ったプラスチックコップを、全員車道にわざと放り捨てて笑っている3人組の子たち。
道路脇で歩行者や車椅子の人たちが通る中、5〜6人でバスケットをしてボールを投げ合っている子たち。
大人も大人で、子供のことをそっちのけで携帯だけに集中している若いお母さん。
この時期に口に指を突っ込みながら接客をする店員(その指商品に触れてますけど)。
話はそれたけど、ソーシャルメディアの便利さが、もっとモラルのある良い方向に活用されることを願うばかりです!
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