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母校の卒業制作展にいってきた

寒い日が続きますね。
いかがおすごしですか。
大寒もすぎて、本当に、寒さも本番ですが、ここを過ぎれば、
もう、三寒四温がはじまって、梅も咲いてきて、
だんだんと、春の気配が、ちかづいてくる
そんな季節になってきます。
どうなんだろう。告白してしまうと、
僕は、造形学校に5年間学び、
映像の勉強をしていました。
大学の専攻は、映画と、映像芸術、というところが
あるんですけど、映像芸術、というのは、
かわなかのぶひろ先生が在勤の時期で、
このかたは、面白い、映像作家で、もし、関心がありましたら、
ぐぐっていただきたいんですが、作品がとても良いです。
本人は、とても、チャーミングなかたでしたし、親切でした。
映像というのは、映像を撮影する、目的は、
なにも、劇映画、だけではなくて、
映像自体が、楽しむのを、ご満悦する、という創造と、鑑賞の方法がございます。映像素材と、編集行為は、実は、本当に多様で奥深く、
たとえば、アンディーウォーフォールの残した、映像作品などは、
6時間くらい、なんだか、日常的なものを、だらだらと撮る、というものがあります。そして、それを流す。
映像素材の面白さ自体を、味わう、という考え方は、
例えば、雲が、綺麗だな。雲の形がかわっていってしまって、
もったいないな・・・それなら、記録しておこう。
それなら、毎日、記録していこう
どうせなら、それを、繋げてみよう・・・・・そうして、出来たのが、
僕の、映像です。定点記録して、それをeditting(編集構成)する。
自然は、変化しつづけるので、それを撮影し続けるだけでも、
とても、魅力的だったりします。
青い、空に、水蒸気がうかんでいる、それが、雲、なんでしょうけれども、
それは、三次元的な物体で、実は、多分、土地に依存しているようです。
山梨県の、鳴沢や、富士吉田でみる、快晴の空は、綺麗ですし、
グアムの空も、鮮やかでしたし、
ブラジルのサンパウロの空も、綺麗でした。
しかも、それは、それぞれ、個性をもっていた。
だから、そういう意味で、土地に、依存しています。
そういうものなのでは、ないでしょうか。
 今年の、造形大学の、絵画棟の、展示は、本当に、よかった。
大きい絵画が多くて、見ごたえがあったし、しかも、
色彩が、バリエーションが、豊かで、しかも、落ち着いていました。
心臓が揺れるのを表現した、絵画と、心臓の、動的なオブジェクト、
それには、関心が、持っていかれました。
大きな、いぬのような、ぬいぐるみ。
わりと、なぜか、犬好きなひとが、多かった。
犬は、なんで、人を、魅了するのか。
あるいは、猫は、なんで、人を、引き付けるのか。
藤田嗣治は、とても、猫を愛した、人でした。
私は、藤田嗣治は、戦争画、なども、優れているとおもいますが、
それよりも、フランス的な、鳥や、猫などの、動物を描いたものが、
大きさもちょうどよく、好きです。
乳白色の絵だけが、藤田さんの魅力ではないです。
東京造形大学の、カフェテリアの設計は、実は、本当に良く、
大きな、ガラス窓から、その時期ごとの、自然を、切り取っています。
新緑の季節には、新緑が、差し込み、
今のような、冬の季節には、葉をおとした、
くすんだ、灰色のような、枝たちが、静かに、そこに、たたづんでいるのが、目にはいるように、設計されている。
その、設計は、感受性の豊かな、美大生の、精神衛生に対して、
よい、エフェクトを及ぼしているだろうし、
というか、それぞれ、おのおの、感受しているんでしょうけど、
特別、感受したものを、エクスポートするのがうまいのが、
造形をこころざす、学生たちなんでしょうね。
自分の独特のフィルターを通して、みた、自然や、人口を、
再出力する。ある意味では、自然の、リサイクルなのかもしれない。

造形や、デザインを専門とする、造形専門学校に、縁ができたことの幸福は、それの、文化祭や、卒業制作展に、OBとして、堂々と、いけることだったと、今では、思っています。美術大学というのは、いうなれば、発明家のあつまりです。絵画や、かたちの発明めいたことを、日常的に、しています。それは、たぶん、ダビンチや、ミケランジェロが、行ってきた、人類の営為のダイナミックな流れの延長に、あるのかもしれませんが、その若い発露は、ある意味、素朴で、荒けずりであるが、それだから、純粋で、無垢なものがあり、美しいと、鮮やかに感受できるものがある。
 若い人の営みは、それは、美大生にかぎったものではなく、それは、ある意味で、まだなにも知らないから、知らないがゆえの、恐ろしい、大胆さを内包している、可能性そのものなのだが、残念なことに、それに、無自覚であり、それを、鮮やかに自覚するためには、もうすこし、年月の経過が、そのものには、必要なのだ。ただ、当事者には、それが、わからない。くどいようだが、老木には、若木の魅力が、尊さが、あまりあるほど、わかる気がするんだが。

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