【cinema】リリーのすべて
1週間以上前に見た映画の感想。「Mr.ホームズ」と同じ日に見たのだけど、なぜか感想を書きたいという気持ちが湧かなくて。と言うより、きれいに、丁寧に感想を書きたいと思ったら結構時間が経ってしまった。「キャロル」はすぐにでも感想書かなきゃと思ったのにね。
1926年、デンマーク。風景画家のアイナー・ベルナーは、肖像画家の妻ゲルダに頼まれて女性モデルの代役を務めたことをきっかけに、自身の内側に潜む女性の存在を意識する。それ以来「リリー」という名の女性として過ごす時間が増えていくアイナーは、心と身体が一致しない現実に葛藤する。ゲルダも当初はそんな夫の様子に戸惑うが、次第にリリーに対する理解を深めていく。(映画.comより転記)
今まで数々のLGBTの方をとりあげた映画を見てきました。どちらかというと自分はわりとリベラルで、周りにそんな方がいたとしても受け容れられるだろうなと思います。でも、それは今このときだからだろうなと。時代が違っていてもそうかと思うと自信がない。あくまで世の中の流れに迎合しての姿勢なんだろうと思います。とすると、リリーやゲルダが生きた時代。夫が実はトランスジェンダーだとわかったゲルダの気持ちはどんなだっただろうか。ましてや人類最初の性転換手術を受けようとする夫のことなんて誰にも解ってもらえないし、それまで自分の愛したアイナーは一体何だったんだろうかと。
リリーの辛さもわかるんです。アイナーがリリーとなったとき、たしかに彼(彼女)は解き放たれた。本当の自分になり、今まで自分の感じたことのない喜びを感じられたのだと思います。仮の姿だったアイナーの時にはスラスラ描いていた故郷の風景が、リリーになった途端に描けなくなる。これまでの鬱屈した想いを絵として昇華させていたが、リリー本来の姿になるとその想いやパワーは全然違うところへ向かったんだろうね。
あんな結末を迎えようとも、それでもリリーは幸せです。ゲルダのような妻がいて、ハンスのような友達がいて、もしかしたら本当に女性になれるかもしれないという希望も持ちながら旅立ったのだから。
リリーが初めてストッキングに足を入れた瞬間。ドレスの襞を愛しそうに撫でるそのとき。あの感じは「キャロル」を見たときと同じような感覚になりました。女性であることの特権とでもいうのか、仕種や視線の動きって大事だなぁと。
個人的にハンス役のマティアス・スーナールツが今イチオシの俳優。ぱっと見、顔立ちはプーチンに似てなくもないけどね。このベルギー人俳優がもっともっと世界で活躍してくれることを望みます!
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