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【cinema】あの頃エッフェル塔の下で

アルノー・デプレシャン監督作品。

長い海外生活を終えて故郷フランスへ戻ることになった外交官で人類学者のポールは、パスポートに問題が見つかり空港で止められてしまう。自分と同じ名前のパスポートを持つ男に共産圏のスパイ疑惑がかけられていると聞いたポールは、心の奥にしまい込んでいた青春時代の思い出を呼び起こしていく。決して平凡とは言えなかった少年時代、危険に満ちたソ連への旅、そして憧れの女性エステルとの恋。パリの大学に通うポールと故郷リールで暮らすエステルは、互いを思いながら毎日のように手紙を書きつづっていた。数十年ぶりにエステルからの手紙を読み返したポールは、ある真実に気づく。(映画.comより転記)

アルノー・デプレシャン、彼の作品は「クリスマス・ストーリー」を二度見て二度とも寝た(!)ので、ちょっと敬遠気味だったのだけど、今回のは寝れずに見れた!

邦題がとても叙情的で日本人が好きそうな感じ。たしかに映画の中にエッフェル塔出てくるし、絵になるけど、そんなにメインじゃないと思うな〜。それはさておき。

フランスには愛に生きて、生きて、生き抜く人が多いんだなーと思わせられる内容です。年齢なんて関係なく。ストーリー展開としてはポールの少年期から青年期の回顧録みたいになってるけど、印象に強く残るのは彼の初めて愛したエステルのことだけ。

今のように携帯もスマホもない時代、2人を繋ぐのは数えきれないほどの手紙、そこにしたためられた愛の言葉だった。いまどきこんな情熱的なやりとりをする男女がいるだろうか。

文化人類学に傾倒し、故郷を離れて熱心に勉強するポールと、彼なしでは生きていけない、でも言い寄ってくる男性があれば拒まないエステルは、磁石の両極のようでありながら、くっついては離れ、離れてはくっついて、でも結局は結ばれない。

いかにもなフランス的ラブストーリーで、受けつけない人は受けつけないと思います。こんなに愛に哲学的要素を持ち込みながら、互いに情熱をぶつけ合う国民もいないだろうなと。

それでもある種の憧れのような気持ちを抱いてしまうのは何でなんでしょうね。

見ていてわからなかったのが、ポールの母親のことです。突如として母親に鋭利なナイフを向け抵抗する少年期のポール。ポールにとって母の存在がどうだったのか解説してほしい。あ、この映画が続編だからそこらへんは前作を見たらいいのかしら…

とにかくエステルのぽってりした唇が印象的でした。そりゃ、男子はやられるよねぇ。

最後に。なかなかニクい演出だと思ったのは、今現在のエステルを出してこなかったことだなぁと。あのラストだから納得のいく部分と解せない部分が入り混じって、だから愛って、人生って面白いと思わせてくれた作品でした。

テアトル梅田にて鑑賞

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