てんかん②

我が家では朝日新聞を購読している。

てんかんについての記事が出ると主人が報せてくれる。

今『てんかんと働く』という記事が掲載されていて、読めば読むほど気持ちが分かるというか、心に刺さる。

私は次男出産後に発症した。20代だった。
薬で7割が寛解すると聞いて、地味な発作だったこともあり子供優先にして自分の発作と向き合わずいた数年を経て投薬治療を始めた。

薬を今現在4剤飲んでいる。発作は止まっていない。
ここまでくるのに色々な薬(10剤以上)を試したけれど、止まらない発作と周囲の無関心に悩んだ(今も時々悩む)時期があった。

根性を見せて薬を飲んだら発作が止まると信じて、試しすぎたと今なら思う。

私の30代は薬を変えては体調を崩す、発作は止まらず憤りを覚えて自暴自棄になりそうになることの繰り返しだった。

いつ抜け出せるか分からない迷路に急に落とされたみたいだった。

住んでいる地域がバレそうだが、最近てんかん治療の拠点地域になった。10年遅かったなと思った。

発作が止まらないと訴えると急に全量の薬を出してくる医者、血液検査ばかりして「おかしいな、効いてるはずなのに」と言う医者、「てんかんのことよく分からないんだよね」と患者本人に言う医者、この薬がしんどいから変えられないかと訊ねたら「これしかないんだから飲め!」と恫喝されたこともある。

今さら拠点と言われても感は否めない。
しかし、良いことであることは確かなので嬉しくもある。

自分の親でさえ「子供が病気にならなくて良かったじゃない。何とかなるわよ。」としか言ってくれなかった。

自分だけで頑張るのは絶対に無理だと思う。

日本から健康保険がなくなったら…と考える。
保険適用がなくなったら薬代だけで月々10万は超える身体になっている(そんな患者はたくさん居ると思う)のに…と。
他の病気だって同じだ。

周囲の無関心や自分の人生への不安と絶望感は本人にしか分からないからこそ、寄り添ってくれる社会であって欲しい。

国民がどんな病気や障害をもっていようとやりたいと思うことが出来る、どんな弱い立場の人にも寄り添ってくれる社会でなければならないと強く思っている。

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