【映画】ルックバック感想

映画ルックバックを見た。とても良かった。
今年に入って20本以上見てるけど、一番良かったように思う(青春18×2 君へと続く道も良かったが…)。
ただyoutubeとかで流れまくってる考察には少し疑問がある。
ルックバックはそんな難しい映画ではないと思う。むしろただ一つのテーマをシンプルに美しく繰り返し叫び続けている映画だと思う。
だから自分の主張をまとめる。

このテーマの主題は『後ろで見ていてくれる人がいるから描き続けられる』

ルックバックのテーマはただ一つ。

後ろで見ていてくれる人がいるから前に進める、描き続けられる。

ただこれだけだ。この作品は始まりから終わりまでひたすらこれだけを謳い続けている。

京本は藤野が引っ張ってくれてるから進めた。そこで自信がついたからこそ美大にも進むことができた。
しかし藤野も京本が後ろで見ていてくれたら前に進めた。だから2度も漫画止めた時も、京本が見ていてくれたから再び前に進むことができた。
ただこれだけだ。

藤野が漫画を描き始めたのは親戚の人たちに褒められたから、その後描き続けていたのはクラスの友達が褒めてくれたから。
そんな藤野が創作の果てしなさと周囲の無理解に挫折した時、再び漫画を描き始めたのは自分がライバル視していて自分の何倍も努力していた京本が藤本の大ファンで無邪気な尊敬を抱いていることを知ったから。
京本を失って、「自分が殺した」「なんで漫画なんて描いてるんだろう」と自失した藤本が再度ペンを取ることができたのは、部屋にあった自分の漫画やアンケート、そしてサインした半纏を見て、別れた後も京本が自分の漫画を読んでくれていた事、応援し続けてくれたことを知り、そして当時の想いを思い出したから。
藤野は漫画は面倒で描くことが好きじゃないといったが、そんな辛い作業を続けられたのは京本が後ろで見ていてくれたからだ。
だから最後藤本は京本の漫画を窓に貼り再び漫画を描き始めたのは、いつも出会う前からずっと見ていてくれた京本が別れた後も自分を見ていてくれたことを忘れないようにだろう。

ルックバックとは、京本が藤本の背中を見ることであり、藤本が京本に背中を見られているということでもある。そして藤本が振り返って後ろにいる京本の存在を確認することが藤本の強烈なモチベーションになっていたのだ。

その他細かいシーンも素晴らしかったとは思う。
だけどこの作品のテーマは『後ろで見ていてくれる人がいるから前に進める、描き続けられる』である。ここに殆ど触れずにその周りの部分にあれこれ言うのは本末転倒だと思う。
とにかくシンプル純真にただただこのテーマだけを謳い続けたこの映画がとにかく俺にぶっ刺さって自然と涙が出た。



いいたいのはここまでだけど、その他のシーンもとても良かったので忘備録的にメモる。

その他細かいところについて(ネタバレあり)

藤本と京本のキャラ描写がいい。
カッコつけで、調子乗りで、努力家の藤本が良い。そんな藤本が京本を必要としている描写が良い。
臆病だけど純粋で一心に藤本を慕う京本が良い。そんな京本が勇気を出して独り立ちしようというしたところも良かった。

良かったシーンについて
小学生の四コマをアニメ化したアイディアは面白かった。小学生カオスなアイディアのカオスな圧が伝わった。
藤本が丑三つ時まで努力して漫画を描いている描写から、クラスでは時間なくて5分で描いたとか言ってる余裕マウントしてるところも良かった。
藤本が京本の絵に衝撃を受け努力している描写、そこから創作の果てしなさと周囲の無理解に挫折する描写も良かった。
そんな藤本が京本の努力の跡を見て、なんとなく気持ちが高ぶって漫画を書いてしまうも良かった。
そしてライバルであり自分よりずっと努力していた京本が藤本の大ファンであることを知ったときの描写。カッコつけるために作ってもない漫画を作ってると答える様子、ダッシュして帰る様子、雨に濡れた服すら脱がずに漫画を描く様子は本当に良かった。
その後、藤本が引っ張り京本がついていくシーン。創作シーンもデートシーンもとても良かった。
デビュー後、藤本が漫画を2冊づつ買ってることやアシスタントをとっかえひっかえしてるシーンは京本を引きづってる感じが出ていてよかった。
その後藤野が京本を思い出してるシーンも純粋に見つめてくる京本が可愛かった。その後ひたむきに漫画を描き続ける藤本で映画が閉じるのも良かった。

とにかくいい映画なので機会があったら見たらいいと思う。私は2回みたけど2回とも泣いた。


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