ウクライナ問題に関する私の意見まとめ
第一に初めにウクライナの現状に対する認識から、ネオナチについて私の意見を述べさせてもらいます。
第二にウクライナの問題について、あなたの意見に対する反論と問いかけをさせてもらいたいと思います。
第三に今回の戦争と米国のイラク戦争の違いを述べたいと思います。
1.
まずウクライナにおいてネオナチは極右の民族主義者達です。
その最大の目的は反ロシアです。なぜウクライナでネオナチが存在しているのか、それはウクライナが長年ロシアの奴隷として抑圧されていたからです。
その一例が1932年のホロドモールです。ウクライナは肥沃な黒土地帯であるにも関わらず、ソ連による搾取・略奪により何百万人も餓死者が出ました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%AD%E3%83%89%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%AB
このような支配によって、ウクライナにはソ連からの独立を求める勢力が存在していました。
WW2の時、ナチスはソ連に侵攻した時、ウクライナにおいてこのような勢力と同盟を結びました。
つまり、ウクライナの一部の人々にとってはナチスは反ロシアの象徴なのです。
そのため、反ロシアの過激な民族主義者の一部がネオナチの旗を掲げているということです。
ロシアによるウクライナに対する干渉は現在まで続きウクライナを抑圧しています。
この流れは現在まで続きます。
2014年2月にロシアはクリミアを侵略・併合しました。
さらに2014年4月にウクライナ東部の親ロシア派の人々に資金と武器と人員を供与し、ウクライナ東部に反乱軍を組織しました。
そして反乱軍が政府軍に鎮圧されそうになると、ロシア軍はウクライナ国境を侵入し反乱軍に加勢しました。
その結果、ウクライナ東部の反乱軍は独自の政府を作り、現在に至るまで政府軍と反乱軍は内戦状態となっています。
アゾフ大隊はロシアからの侵略に対抗するために生まれたのです。そのような中で反ロシアの過激派が生まれるのは当然ではないでしょうか?
ウクライナは民主主義国であり、多様な勢力多様な主義者がいます。
そしてウクライナは未熟な途上国であり、未熟であるがゆえに極右極左など過激な勢力も多数存在しています。
ネオナチはその中の一勢力に過ぎません。あなたがいうアゾフ大隊はウクライナ軍20万人のうち僅か数千人です。ウクライナ国民の中での割合はさらにもっと小さいでしょう。
そしてゼレンスキー大統領は、親ロシア派の分離主義者と反ロシア派のネオナチの両方を敵に回すことを恐れたのでしょう。だから彼はユダヤ人であるにも関わらず反ロシアのネオナチと同盟を結んだのです。
2.
次にあなたがいうネオナチによる被害者について私の意見を述べます。
2014年政変は反ロシア派と親ロシア派と行政機関のぶつかり合う暴動でした。
その中で100人程度の人間が死んだのは事実です。しかし途上国が暴動を起こしそこで人が死ぬことは珍しくありません。
それはネオナチの問題ではなく、途上国によくある政治的な問題です。
次に2014年2月以降の死者については、話が全く異なります。
2014年2月にロシアがクリミアを侵略併合してからウクライナ東部は内戦状態です。
内戦状態ですから、死者が出るのは当然でしょう(あなたの上げた数字が正しいかはこちらで確認は取れていませんが、親ロシア派・反ロシア派双方の多くのウクライナ人が死んでいるのは事実です)。
この内戦はOSCEという組織が監視抑制しています。OSCEにはロシア人も参加しています。
その報告書を見ると紛争はウクライナ分離主義者の勢力圏との堺に集中していることが分かるでしょう。
https://www.osce.org/special-monitoring-mission-to-ukraine/511327
これを見れば東部の分離主義者の反乱軍とウクライナ政府軍の戦いなのは一目瞭然です。
そしてあなたのいうネオナチによって虐殺された人たちというのはウクライナ内戦に巻き込まれた被害者です。
そしてこの内戦を引き起こしたのはロシアです。
ロシアがクリミアを侵略・併合したのです。そしてロシアがウクライナ東部の分離主義者に金と武器と人を供与し反乱軍を作らせ、さらにロシア軍を送り込み東ウクライナを分離させたのです。
中国の立場で考えてみてください。
ロシアはクリミアに軍を送り、占領した後、住民投票を行い、ロシアに併合しました。
米国が香港に軍を送り、占領した後、住民投票を行い、米国に併合することを中国は認めるのでしょうか?
ロシアはウクライナ東部の分離主義者に金と武器と人を供与し反乱軍を作らせ、さらにロシア軍を送り込み、東ウクライナを分離させ、そして今回独立を承認しました。
インドがチベットやウイグルの分離主義者に金と武器と人を供与し反乱軍を作らせ、さらにインド軍を送り込み、チベットを独立を承認したら、それを中国は認めるのでしょうか?(インドを米国、チベットを台湾としてもいいです)
ありえないでしょう。そんなことする国は許せないでしょう。
今ロシアがやってるのはそういうことです。そしてウクライナでネオナチのような反ロシアの過激派が生まれるのも当然でしょう。そしてロシアに侵略され続けているウクライナがNatoに助けを求めるのも当然でしょう。
今中国人の方々はクリミアの併合やウクライナ東部の独立を認めるべきという意見が多いと思います。
しかしそれは中国の立場で言えば、台湾や香港やチベットの独立を認めるべきという意見と変わりません。
私は一度定まった国境は今更変えるべきではないと思います。
多少の不満はあれどそれは国境の中で自国政府に対する政治活動で解決すべきです。
国境を変えようとすれば大きな混乱や戦争が起こります。
だから、香港や台湾やチベットの独立には反対です。
同じようにクリミア併合やウクライナ東部の分離は認めるべきではありません。
ロシアはそれを強引にやろうとしているから、ウクライナとそしてロシア自身に大きな混乱と犠牲を生んでいます。
だからロシアの行いは許されるべきではないと思います。
3.
最後に米国の行いについて、私は米国のイラク戦争は当時から間違いだったと思っている。
あれは大義もないイラクの人々と中東全体に死と混乱を撒き散らしただけの戦争だったと思う。
ただし今回の戦争よりマシな点はいくつかある。
1.イラクはクウェートに侵略をした国家であったこと。
2.イラクが湾岸戦争後の国連安保理決議687にも従わなかったこと。
3.イラクが国連安保理決議1441により最後の機会であると宣言されていたにもかかわらず査察に非協力的であったこと。
※1
ちなみに687と1441にはロシア・中国も賛成している。
さらにウクライナでロシアがネオナチによる虐殺問題があるように、イラクにはフセイン政権によるクルド人の虐殺問題があった※2。
私は査察が不十分であったとしても、米国は癇癪を起こさず査察を継続するべきであったと思う。
しかし、侵略国家が核兵器の開発を続け、テロリストと協力している疑惑があり、査察にも非協力的であったのであれば、イラクが核兵器を完成させる前に潰す必要があったというのは一部理解できるところはある。
少なくとも、他国に武器と金と人を送って内乱を起こして、領土を併合したり分離独立させるためのロシアによるウクライナ戦争よりはマシだと思う。
こんな長くなってすみませんでした。
もし最後まで読んでくれたのであればありがたいと思います。
※関連リンク紹介
国連安保理決議687
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E9%80%A3%E5%90%88%E5%AE%89%E5%85%A8%E4%BF%9D%E9%9A%9C%E7%90%86%E4%BA%8B%E4%BC%9A%E6%B1%BA%E8%AD%B0687
国連安保理決議1441
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E9%80%A3%E5%90%88%E5%AE%89%E5%85%A8%E4%BF%9D%E9%9A%9C%E7%90%86%E4%BA%8B%E4%BC%9A%E6%B1%BA%E8%AD%B01441
イラク戦争開戦事由
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%AF%E6%88%A6%E4%BA%89#%E5%85%AC%E5%BC%8F%E7%99%BA%E8%A1%A8%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E9%96%8B%E6%88%A6%E7%90%86%E7%94%B1
※2 フセイン政権がクルド人に対して毒ガス兵器を使った写真
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