【実験小説】Case1:雨宮雪子の場合 13

以上を読めば、なぜ私が雨宮雪子をサンプルのCase1にしたのかがわかってもらえると思う。

この報告書のなかには多くの私たちが知らなければならないことが書かれている。

彼女を注意深く観察すれば私たちが抱えている危機に対してなにかしらのヒントを得られると信じて、私はこれを書いた。

危機の大きさに比べればとても小さな情報だと自分でも認識している。しかし、私たちがやるべきことは小さなことの積み重ねではないだろうか。突然危機が消え去ることなどない。この報告をどう扱うかはそちらの判断にゆだねる。私たちの未来にわたる生存に役立ててもらえれば幸いだ。

それでは以上でCase1の報告をおわりとする。

私は次のサンプル、Case2を探しに向かう。

また随時報告する。

我らの未来に富と快楽を。

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