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目を開けたままで君のことを考えている。
「おかえりなさい!」
ただそれだけをでも切実に伝えたくなったよ。
黙っていることができないくらい世界はうるさい。
ただ待っていることができないくらい世界は冷たい。
遠いところに行こう。
そこで、まだ知り合っていない星を見つけよう。
それだけのことにたくさんの時間を費やそう。
思わず眠ってしまうくらいの夢幻の時間を。
それで1分1秒でも長く、君の顔を眺めるぼくの人生が延びるなら。
延びるなら。
目を開けたまま君のことを考えている。
「……うおぉ!」と久しぶりに再会したい。
急に縮まった距離感にお互い困惑しながら天気の話をしようよ。
叫んでいることがわからないくらいに世界はうるさい。
ただ蔑むだけの側の人間には死んだってなりたくない。
世界はずっと前からこうだったんでしょう?
誕生日を教えてよ。
「今日はあいつの誕生日だ。電話の1本でも入れてやろうか。」と思わせてほしい。
目を閉じて眠ろう。
もう、わざわざ考える必要もない。
今日もおかえり。おやすみ。
読んでくれてありがとう。