【クチバシどうしでキスをしよう】

世界が軋む音がする。

ぼくの知っている狭い広い世界は、なんだかどんどん悪い方に傾いていくようで、言葉にしきれぬ不安が胸に巣食う。

だからと言って昔を懐かしんでみても、「あの頃」の結果がこれなのだから、もう戻るわけにはいかないし、土台戻れるわけでもない。

じゃあぼくたちは、一体なにを残せるだろうか。


せめてあなたや、あなたの愛するものが、「この世界、らぶ!」と感じる瞬間に、ひとつでも多く出会ってほしいです。そこにぼくがいなくたっていいから。いや、ほんとはいたい。


本当は誰だって、誰かを傷つけたくて、また傷つけるために生まれてきたわけじゃないはずだと、思います。


右を向いたら、右が前になって、左を向いたら、左が前になって、下を向いたら、下が前になって、「前に進むしかない」って言われるから、闇雲に進んできて、そんな風にして、もはやどっから来たかわからなくなっちゃって、気付いたら抜け出せない迷路にいる人を前にした時、果たしてぼくは、その人にちゃんと向き合えるだろうか。

対峙するのは、すごく怖い。

言葉なんかなにひとつ、望まれないかもしれない。

せめて目と目を合わせれば、その人の存在を証明できるだろうか。

くそう、すごく怖い。



ただひとつ、ぼくは言いたい。

なんにしろだれにしろ、他人を蔑んだり、故意に中傷をして、自分の存在を確かめるのは、とてもかっこ悪い存在の仕方だ、と。

そんなことは誰だってできる。

なによりも容易くて、狂うほど軽い存在の仕方を、どうかしないでください。



おれも痛い。

どれだけ尖がったココロ同士でも、1ミリだけなら触れ合える。

怖いけど、そこを探してる。



読んでくれてありがとう。



トップ画像を、h_a_nさんからいただきました。

ありがとうございます。