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TANEMAKIの先には何が|商店街×アパレル×大学生のコラボイベント@飯塚のふりかえり

飯塚での商店街×SPINNS×学生のイベント3日間が終わった。あっという間に過ぎ去っていった。

結果から言えば、売上目標を大きく上回ることができたそうだ。これは上々。次につながる。

何より、今回は急拵えでの出店ということもあって、「担い手探し」と「はたらくを通じての高校生とのコミュニケーション」という目的達成にまでは至っていない。わずかばかり蒔いた種がどう広がっていくのか。今回はあくまでも飯塚での第1歩に過ぎず、この先どう展開を進めていくかは出店にあたったメンバーのふりかえりにもよるだろう。

今回の出店に至るまでの経緯は下記の記事をお読み頂くとして、ここでは勝手に私目線で感じたことをまとめておきたい。

コンテンツ力で勝負:雨の日曜日でもお客様に足を運んで頂ける

今日は朝からのあいにくの雨。過去2日間で夕方5時にはほとんど人通りが無くなることから、開店を早めて10時半ごろから営業開始。さっそくお客様がご来店。

その後もちょこちょこと家族連れ、お年寄り夫婦、カップル、友達同士での来店がある。初日と違うのはお客様それぞれに接客ができ、来店動機を尋ねている。3紙に掲載された新聞だけでなく、友人のSNSを見て来たというお客様も。

商店街は水曜日定休日と聞いていたが、周辺には日曜日も休んでいるお店も。雨のせいもあるだろうが、確かに人通りは少ない。お客様が来られない時間が続く。初日はそれこそ初日ということもあって人だかりができていたが、今日は終始落ち着いた展開。学生は街を出て、行き交う人を呼び込もうとする。

一方で、普段は閉めておられるお店が、「今回はこういう企画があるから少しでも明るい方が活気があるから良いよね」とわざわざお店を開けてくださったり、たまたま隣のスポーツ用品店が新学期に向けた学校用品の販売をしていたこともあるだろうが、普段は歩いていない客層のお客様が商店街を歩いているということにポジティブに反応してくださったようだ。

こうして外部環境に影響されながらも売上目標が達成できたということで、コンテンツさえうまく当てはまれば、お客様が来る目的を創出できれば、現在は環境が厳しいとされる地方都市の商店街でもなんとか商売は成り立つ。過去、何回か各地で行った企画で得られた結果がここでも得られた。

ランチはカーネル食堂さんのカレー。

ランチをみやぽよさんとしていた際にも話していたが、今回の条件はこれまでのいくつかの出店に比してもかなりポジティブで、今後複数回のポップアップを経て、さらに仮説検証を繰り返していきたいとのこと。

また出店やりますから、学生の皆さん、お手伝いよろしくお願いします。

なんのためにこれをやるのか

今日訪問して聞いて驚いた話。新聞記事になるということはさまざまな影響を及ぼしたよう。

特に商機を狙う大人たちにすれば、「学生がアパレルショップに働きかけて、地方都市の商店街に店を出す」という話は驚きを持って受け止められているようだ。

確かに新聞記事の書き振りを読めば、上記のように読める。しかし、実際には幾重にも伏線が張り巡らされていて、今回の出店に至る経緯を正しく説明しようと思ったら「風が吹けば桶屋が儲かる」レベルでの繋がりを理解しなければいけない。

今回は本当にたまたま出店する決断ができる要素が揃っただけだ。

が、これを単に誰かが見つけた新たなビジネスチャンスだと表面的に捉えてしまうと、本質を見落としてしまう。

「なぜ地方都市に出店しようと思ってるんですか?」

出店を目的とし、そこでビジネスを成立させるだけに焦点を当てれば、採算は合わない。合わないからシャッターが閉じられ、商売が消え、人がいなくなる。簡単な理屈だ。

しかし、今回の出店には明確な意図がある。この組み合わせでなければ出店しないという志がある。なぜTANEMAKIをしなければならないのか。きっと商売だけに着目をしてしまうと成り立たない道理がそこにある。

しかし、目の前にいたのは「なぜを問うても答えてくれない」大人だった。

大学生にとっては少しショックだったかもしれない。一方で、自分が持つ「なぜ」があるから、このプロジェクトに関わっていられる。その大切さに気づけたことも、今回の大きな意義だったのではないだろうか。

なんで好きなのか、なんでやりたいのか。その先に見えている未来の姿を知りたい。それで良いのではないかな。

「かっこいい大人」はロールモデルに:次は高校と?

実は開店前に地元の私立高校の理事長とお話をする機会を得た。

聞けば、その高校は元々商店街内にあった学習塾を起源とし、地元に貢献する人材を輩出することを目的として設立され、現在は進学のみならず、多様な進路に対応したコース、学科を持っている。2022年は創立60周年となり、さまざまな企画を検討されているそうだ。

学園創立の地にある洋菓子店の外観

製菓コースが全国的に有名なその高校は学校創立の地に週3日お店を出し、時に商店街で大掛かりなイベントをされているそう。実際に街に出て商売をする高校。面白い。

地元高校の洋菓子店のポスター@本町商店街

今回の出店の経緯、その目的をしばしお話した。また、それは地域に根差そうとする高校側にとっても意味があることであり、高校生が大学生や地域から学び、大学生も高校生や地域から学ぶことができるWin=Winの関係を築けるとの話をした。

地域に高校生の目に触れるような仕事を作る。それをしている大人が格好良く見える

人々が切磋琢磨し、(勉強とは異なる商売を通じて)学び続けられる環境を作ることで共創できる場づくりを進める。

そういうロールモデルがきっと街の未来を作るのだろう。近くこちらの高校にお伺いする予定。2回目、3回目の出店にはタイミングを見計らって高校生へのワークショップを踏まえた出店に漕ぎ着けたい。そして、アントレプレナーシップの種を植え付けてみたい。

次の場づくりに向けた準備を

こうして終えた3日間の出店。私自身はほとんど何もしていない。ただ、人と会い、人と話し、美味しいコーヒーを飲んで、パタゴニアのフリースを格安で手に入れられた機会だった。

が、こういう機会を作れたことが地域に一定のインパクトを残せたのだとしたら本望。次は地元から担い手が生まれることを期待したい。そのための努力は続けていきたい。

以前雲仙で訪れたコワーキングスペースのオーナーも、今回のこのイベントでも話が出ていたのは、「地方都市で人が集まる場所はメディアとしての機能を持ち合わせて然るべき」と。

人が行き交い、モノが行き交い、情報が行き交う場所を商店街の中に創る。

人が集まって何かを創り出す場所を。
さまざまな立場の人が、主体的に学び、試行錯誤し、実行することのできる場所を。

そのためにも今回の活動を一過性のものにせず、次につなげていきましょう。が、アパレルとカフェ以外のコンテンツを作っていかねばなりませんね。eスポーツ、プログラミング、音楽、あとは…。何ができるのでしょうか。

最終日のチームときむ兄、そして元野木さん。

最後にみやぽよさんから見た今回のイベントのふりかえり記事が上がってましたので、こちらでシェアしておきます。

今回関わってくださったみなさんに改めてお礼を。本当にありがとうございました!

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