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子宮が痛すぎて大きい病院に行ったら排卵痛だった思い出

世の中の女の子は少なからず生理に関する悩みを抱えていると思います。
私は元々学生時代から生理痛が重い方で、生理の度に酷い腹痛や腰痛、精神不調に悩まされていました。
痛みで倒れたりする程では無いけれど、薬が無いと日常生活を送る事が難しくて、社会人になってからも生理が来る度に「また来たな、この痛みが…」と憂鬱な気分。
新人の分際で生理痛で仕事を休むなんてダメだ!と、休みたい気持ちをグッと堪え無理にでも出社し仕事をこなしていました。そういう女性はきっととても多いはず。

その頃、気づけば短大を卒業し社会人になって2年が経っていました。
憧れのデザインの仕事で、少し大きい仕事も任されるようになり、翌日は先輩と共に埼玉の方へ出張の予定がありました。
ただ正直この先輩の事は苦手だったので出張なんて嫌だなあ…と思っており、それがストレスになったのかは分かりませんが、出張の前日の夜に謎のキリキリとした下腹部の痛みに首を傾げました。
生理痛かな?とも思ったけど、生理は既に終わっており、じゃあストレスから来る痛みで、ウンコ出るのかな!?とも思いましたが、トイレでケツの穴はうんともすんとも言いません。
私はウンコとは仲良しで呼べば直ぐに来てくれる良い友人関係を築いてる為、ウンコでないんだな…と仕方なく鎮痛剤を飲んでお腹を温めながら就寝します。

寝始めてから数時間経ち、時間は3時頃。
猛烈な下腹部の痛みで目を覚まします。
朝起きて一発目に猛烈な痛みに襲われ、私は一瞬何が起きているか分かりませんでした。私は急性腸炎も経験しているのですが、それが比にならない程の痛みです。
子宮がギューーっと絞られてるような痛み。チクチクとした痛みも相まって今でも人生一の痛みはこの時の腹痛が堂々一位を記録しています。

ア゛…オ゛…!!!!!!オン゛…!痛゛…!!!ヅ〜〜ッッッ!!!といった奇声と脂汗が止まりません。
本当に痛くて仕方ない。立てば激痛歩けば激痛、歩く姿は産まれたての小鹿ちゃん。
トイレにも行けずただ悶える事しか出来ない。私はオタクなので推しの画像を見たりおはようボイスを聞いて気を紛らわそうと思ったがちっとも良くなりませんでした。
この時はまだ実家暮らしであり、その日は寒かったのでたまたま母の部屋にあるコタツで寝ていたのは運が良かったと思います。母は私の怨霊の様な唸り声にも屈せずいびきをかいて寝ていましたが、30分程して目を覚ましました。
私の尋常ではない脂汗と痛がり方(唸り声)に流石におかしいと思ったのか、鎮痛剤を持ってきてくれた母の存在は本当に有難いです。お母さん、ありがとう…。
しかし、鎮痛剤を飲んでも一向に良くならないのです。むしろ時間経過と共に悪化する一方で、良くない飲み方ですが気付けば6個も鎮痛剤を飲んでいました。本当に良くないのだけどそれ程痛かったです。

そして朝5時。
痛みは更に増しており言葉を話すのもやっとで、痛みから涙が止まりませんでした。
この時、私はきっとこんなに痛いのだから子宮の病気では無いかと思っており、起き出した家族も同じ事を言っていました。
救急車を呼ぶ話も出たのですが、私はこの期に及んで「こんな事で救急車を呼ぶなんて、騒ぎにしたくない」と拒否します。
田舎は、救急車が来ると見世物小屋になります。それに加えて私は、過去に産婦人科で「生理痛で倒れる人もいるのだから我慢しなさい」と言われた事があり、それが頭から離れなかった事が救急車を呼ぶ事を躊躇う理由でした。

しかし、このままでは仕事に行く事が出来ない。今日は先輩との出張の日なので、絶対休みたくなかったのです。
悩み抜いた上に、家族の説得もあり母が車で私を連れて赤十字病院の緊急外来へ向かうことにしました。

私は家族に抱えられながら車に乗りこみ、大きい病院に向かいます。この時の私は意識が朦朧としておりいっそ気絶してしまいたいとすら思っていたのですが、しかし体というのは丈夫なもので。こんなにも痛いと言うのに本体である私に楽をさせてくれないのです。
痛みに悶えるうちに赤十字病院へと到着します。これまた良い歳した娘が母に半ば担がれる形で緊急外来へ運ばれました。

担当してくださったのは若い男の先生。簡単な問診をし、とりあえず鎮痛効果の強い点滴をする事になります。
ようやく開放されると安堵したせいか、家で聞いた家族の会話もあまり覚えていないのに
「お母さんご覧下さい、娘さんは丸まってお腹を抱える様にして横になっています。あれは腹痛の際に痛みを和らげる為に無意識に取る体制です。あれは相当痛いのだと思いますよ」
「はぁ……そうですか…」
と言うまるで動物園の飼育員と見物客のような会話は覚えています。
しかし、安堵した私の気持ちを裏切る様に腹痛は一向に良くならず、それどころか、点滴のせいである問題が生じます。
トイレです。おしっこです。
この時の私は、猛烈な腹痛+猛烈な尿意に襲われ始めていました。
点滴がイコール尿意に繋がるのかはこの時分からなかったのですが、そういえば点滴中はトイレに行く事が多くなると言っていたような…。
とにかく、とにかく、とにかく猛烈におしっこがしたくなります。
看護師さんが気を使って車椅子を貸し出してくださり、椅子に乗せられトイレに向かいました。
そして個室に1人入り、便器に座ってここで私は気づきました。

おしっこしようとするとバカほどケツの穴が痛い。

え?嘘でしょ?これに加えておしっこが上手く出ないんです。全く出ないのに尿意だけはある+尋常ではない腹痛+尋常ではないケツの穴の痛みが頼んでもいないのに腹痛パーティに仲間入りしました。
出ないのに何度も何度もトイレに行きたくなるので、点滴の数時間が本当に地獄でした。ケツの穴が引きちぎれると本気で思った。私はあまりにも痛くて、トイレでも1人唸り声を上げていたので当時はそれどころではなかったが今思えば本当に恥ずかしい思いをしました。

この時、時刻は気付けば7時になっていました。担当してくださった男の先生も「強めの鎮痛剤も効かない様なので、生理痛では無く子宮に何らかの病気がある可能性があります」と、このまま詳しい検査をする様に手配してくださるとの事。
私は今まで会社を休んだ事が無く、会社を休む事に酷い罪悪感を持っていました。
ましてやその日はよりによって病欠を許さない性格の先輩との出張日です。点滴が効けばこのまま出社するつもりだったが、これまた悩みに悩んで私は初めて会社を当欠する事にしました。

会社の電話に出たのは他部署のオペレーターの男性でした。
私の上司はまだ出社していないとの事で、「申し訳ありません、子宮の痛みが酷く現在病院で点滴を打っているのですが良くならずこのまま検査をする為休ませていただきたいので、〇〇部長が出社しましたら申し訳ないのですがお電話くださいと伝えていただけますか」という様な事を伝えます。
この男性オペレーターさんはミスが多いことで社内では有名人で、めちゃくちゃぼんやりしているのでちゃんと伝えてくださるか少し心配でしたが、私はそのまま少し会話をし電話を切りました。

8:30。車椅子で1度内科へと運ばれます。子宮が痛いとの判断ではありますが、1度内科で他の場所から来た痛みでは無いか検査をしその後判断するとの事でした。
鎮痛剤も点滴も効かない、1人で立つこともままならない為、大変有難いことに優先的に診察をして頂くことになりました。有難いかぎりです。
検査の結果、特に異常は見られず。
追加で鎮痛効果のある点滴を打っていただける事に。そのまま再び2時間程点滴をしたまま横になりますが、やはり私の腹痛はまっっっったく良くならない。


朝3時から気付けば10時になっていました。この間まっっっったく痛みが引かず、お医者さんの返答に答えるのもやっとです。2度の鎮痛作用のある点滴が効果無し。流石にお医者さんも少し慌てた様子だったらしいです。

そして私はいよいよ産婦人科へと回されます。母に付き添われながら看護師の方に車椅子で運ばれる私。
後に母が言っていたのですが、私は見たことが無いくらい顔に血の気が無いし息が浅く、お腹を抱えブルブルと震えていたらしい。西野カナだね(平成の生まれの女の感想)

診察待ちの間、看護師さんが運んできた車椅子に乗るいかにも体調が悪いですという雰囲気の私に患者さん達の視線が集まるのが分かります。顔を上げると色んな人と目が合い、恥ずかしいという気持ちとたかが子宮が痛いくらいで体調が悪い雰囲気を醸し出してきまいすみません…という気持ちからいたたまれない気持ちでずっと俯いてました。でも、私も同じような人がいたら多分見てしまうだろうな…と思う。
そしてこれも後に知った事ですが、近くにいた女性の方が飴やお菓子、飲み物を母に渡して励ましてくださったらしく、時間差で人って暖かいな…と少しジーンとしました。お礼を直接言えなかったのが悔やまれる。確かに母が知らない人と話してる気はしていたのですが、ここら辺もあまり記憶が無いです。

これも内科同様、急患と言うことで優先的に診察をして頂くことが出来ました。診察待ち時間はさほど長くなかったと記憶しています。ありがとうございました…。
産婦人科でまず生理周期を聞かれ、私はいつも使用しているルナルナの生理周期管理アプリの画面を先生に見せました。
その後問診を終え、いよいよ本格的に検査をする事に。先生がエコー検査で子宮の中を見ます。

そして結論ですが、ここまでこんなに酷い子宮の痛みに耐えたにも関わらず、なんと異常は無かったのです。
じゃあこの子宮の痛みは何なんだ!?!!?と、私は本当に絶望的な気持ちになりました。子宮の痛みじゃないなら一体何なんだ!?と驚きを隠せない私と母と共に産婦人科の先生は首を傾げます。一向に分からないこの子宮の痛さの原因が分からず、気持ちに打ちひしがれる私に、産婦人科の先生は少し考えた後こう告げました。

「うーん…生理の周期的に、おそらく排卵痛だと思います。」


排卵痛!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?
私はこんなにも悩まされた子宮を襲う腹痛の結論にひっくり返りました。
母も驚きを隠せないらしく口をあんぐりさせていました。
「点滴が効果無しとの事なので座薬を入れてみましょうか。」との事で、女性の看護師さんに人生で初めてケツに指を突っ込まれると言う見る人によっては羨ましい体験をしたのですが、それでも子宮の痛みはマジで一切良くなりませんでした。
本当に痛くて仕方ないのに、排卵痛だと結論が出た結果、お医者さんはこのまま帰宅してくださいと告げました。
自分で飲んだ市販の痛み止め6錠+点滴×2回と座薬も効かず、体に異常は無く帰れと言われればもう帰るしかないですよね。
家に帰ったら飲んでみてくださいと渡されたロキソニンと絶望的な気持ち、そして肛門の痛みを抱えたまま再び母に抱えられ家に帰宅しました。

帰宅した私は、泣きながらひたすら子宮の痛みに耐えます。為す術なく震える私を見守る猫と家族。私は、最後のダメ押しにと去り際に処方されたロキソニンを、効くはず無いとヤケになって飲みました。


そして、驚くべき事に。
ロキソニンを飲んでからしばらくしてあの痛みが嘘のように消えたのです。

痛みが無いというのはこんなにも素晴らしい事なんだと私は改めて健康な体と現代の薬学にとても感謝しました。
しかし、点滴も座薬も効かなかったのにロキソニンが効いた理由は未だによく分からないです。
仕事を休むので折り返しくださいと伝えて欲しい旨を連絡したにも関わらずやはりオペレーターの男性は上司に私が休むという事を伝えそびれた為、私が無断欠勤のような扱いになっており説明と診察を受けた証拠を提出する事になった理不尽なできごともよく分からない。
後日再び赤十字病院で受診をする様にと言われたので日を改めて受診をした時、担当医が休みだった為、別の女医に経緯を説明した際に「生理痛や排卵痛くらいで大きい病院を受診しないでください」と冷たくあしらわれたのもよく分からない。

私は今回の排卵痛が人生で初めて経験する痛みでしたが、あれ以降生理痛はピタリと無くなりましたが、代わりに排卵痛の方が酷くなってしまいました。
排卵痛の方が酷いという人は私の周りにいません。なので、この気持ちを伝える相手もおらず、こうしてnoteに備忘録として綴りました。もし世の中の排卵痛に苦しむ人がこのnoteを見て共感してくれたら嬉しいと思いますし、もちろん体質はありますが、医者に処方されたロキソニンは偉大だと言う事も伝えたいです。

私は産婦人科で最初「たかが生理痛で」という言葉をかけられたとお伝えしましたが、酷い痛みを経験した今、同じ様な言葉をかけられ我慢してしまう人がいたら、そんな言葉に負けずに不安があれば1度医者を受診してほしいと切に思います。
たかが生理痛、たかが排卵痛という言葉が無くなれば良い。

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