Into Deep Blue

天から射した光が揺れる。

潮の流れに揺さぶられる草は碧を彩る。

口から漏れた気泡が上昇し、水面に行き着く。

目の前を見たこともない生き物たちが駆け巡る。

普段息の出来無い水の中で、生を感じながら命の多様性と触れ合うのは、

出会いと楽しさのギフトボックスだ。

普段、地上から見る碧とは異なる様相の其れが、心と目を惹く。

嫌に冷たく、鉄を錆びさせる潮風が体を通り抜けることもなく、

全身水浸しの筈なのに、通り雨に遭った後の様な疲弊感は微塵も無い。

もっと言うなら、普段浸かる浴槽に比べて遥かに冷えきっているはずなのに、

心が暖かくなり、体に血を巡らせる。

普段の生活で海辺に来る、と言うのは大抵盛り上がるものではなく、

少し感傷的になっている事の方が多い。

それが中に入っていくだけで心の傷を覆い隠し、癒やしてくれるから、

視点と接し方を変えるという事に大きな進歩があるんだと分かる。

ふらふらと惑う心を煽る、ゆらゆらと揺れる波。

自然に体を委ね、ちょっと一休み。そんな贅沢な旅。

穏やかな紺碧が、心にアイロンを掛けてくれる。

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