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0306 できすぎたしんじん

経歴が浅いのにできの良いモノを見ると、

ミーハー心にも似た関心と僅かな嫉妬を覚えてしまいます。

それは要領の良さを根拠にした飲み込みの速さ、

今まで培ってきたものを遺憾なく発揮できる継続力を根拠にした勝負強さ。

若しくは1を聞いて10を実践できる頭の良さを根拠にしたマネジメント能力。

いずれも自分に欠けているモノを持っているという自覚があるからこそ、

上記のような感情を覚えるのでしょう。

何故こんなことを言い出したか。

それは、昨日のJ2の試合でまさにこのような状況だったためです。

前年J1のモンテディオ山形を下し、10年ぶりに開幕戦を白星で飾った

我らがギラヴァンツ北九州。

第2節の相手は、昨年圧倒的な攻撃力と連携でJ3に大嵐を巻き起こし、

優勝を勝ち取ったレノファ山口FC。

90分という短い制限時間、その上あの広いフィールドにたった11人という

得点効率の非常に悪いサッカーというスポーツにおいて

昨年1試合平均3得点、得点ランキングトップ3を山口所属の選手で

総ナメという、非常に破壊力抜群のチームです。

直接対決は今までになかったものの、北九州と山口という響灘を経て隣り合う

クラブの対決ということで

「関門海峡ダービー」

なるタイトルが試合に冠されました。

欧州サッカーファンからは「Jはダービーマッチの濫立が酷い」との声も

あるそうですが、

スポーツを政治的イデオロギーや地域間の代理戦争に使う民族とでは

当然国の情勢も背景も異なるわけですので、

いちいち重箱の隅をつついたような小言を挟むほうがナンセンスだ。

とは私個人の意見です。

しかし、この試合を迎えるにあたって大きな懸念が2つありました。

1つめの懸念は「ダービーマッチの勝率の低さ」です。

昨年昇格プレーオフを制し、見事J1へ昇格したアビスパ福岡との

「福岡ダービー」は過去10試合の成績が

2勝8敗。

昨年に至っては0勝2敗5失点と凄惨たる結果に終わったものです。

同じ県にあるだけでクラブ創設背景も経済圏も異なるわけですが、

2010年のJ2参入以来、福岡ダービーと銘打って繰り広げられた試合の数々は

どうもギラヴァンツ北九州に分が悪い結果となることが多いのです。

他の九州のクラブ相手ですと、先輩のロアッソ熊本は良く勝たせてくれる

一方で、J2参入後輩V・ファーレン長崎には大して相性が良くないというのも

ありますが、アビスパへの苦手意識、カモられっぷりに比べれば

そうでもない印象を受けます。

ダービーマッチという響きを気負っているのか、

単純に戦術の相性が悪いのかはわかりませんが、

とにかく勝てません。

そして2つめの懸念は「初物への弱さ」です。

こんなデータが有ります。

2012 ギラヴァンツ北九州-松本山雅FC 0-1●

    ギラヴァンツ北九州-町田ゼルビアFC 1-0○

2013 ギラヴァンツ北九州-V・ファーレン長崎 0-1●

2014 ギラヴァンツ北九州-カマタマーレ讃岐 2-1○

2015 ギラヴァンツ北九州-ツエーゲン金沢 1-1△

上記のデータはJ2昇格初年度のクラブとの最初の試合での戦績です。

勝率だけ見れば5分なのですが

2012松本-12位(2年後J1昇格) 町田-22位(JFL降格)

2013長崎-6位(プレーオフ進出)

2014讃岐-21位(降格入れ替え戦出場。ギリギリ残留)

2015金沢12位(一時は昇格圏内)

見事勝点を収めたクラブは残留どころか躍進、

逆に力負けしてしまったクラブは降格を争う事に、という

J2の試金石のようなクラブです。新参者に試されるクラブです。

勝てば飛躍、負ければ地獄。

その手合わせの結果は…

完敗でした。

見るも無残な試合でした。

この試合だけ見せられた国内サッカーに詳しくない方が

「片方のクラブは新スタジアムが出来るまで

J1昇格できませんが、プレーオフ圏内にも天皇杯ベスト8にも

入った事があります。」

と言われれば、間違いなく山口の方を指すだろうといとも簡単に予想出来うる

そんな試合でした。

昨年J2で日本人最多得点を記録し、開幕戦でも勝ち越しゴールを決めた

エースストライカー小松塁は、インフルエンザのため欠場。

ここ3年で2回2桁ゴールを決めた点取り屋のFW原一樹は

キャンプ中の怪我が治らず欠場。

代わりに36の大ベテランで横浜F・マリノスやモンテディオ山形で活躍した

大島秀夫と、昨シーズン松本山雅FCから帰って来た地元出身FW池元友樹の

ツートップを配置し4-4-2で挑んだこの試合ですが、

全員攻撃・全員守備を掲げ、運動量の多さとハイプレス、連動性の高さで

勝負を仕掛けてくるレノファ山口FC相手に押される展開となります。

シュートまで行くのに精一杯な北九州を尻目に、

いとも簡単に北九州DFラインの裏を抜け、

ゴールキーパーとの1対1で華麗にループシュートを収めた岸田和人の1点を

最後まで奪い返すことが出来ず、0-1で敗戦。

後半から入った本山雅志のおかげで多少は攻勢を取ることが出来たものの、

得点に繋がりそうなシュートは一切なし。

してやられた90分に愕然とさせられたそんな試合でした。

42試合もあれば、当然色々な過程・得点・結果があるのは

分かってはいるものの、とてもよく連携の取れた山口の攻撃を

手を使ってやっと止められるかどうか

という有様で、挙句退場者を出して10人にされるという幕切れ。

ここまで完膚無きまでにやられてしまうと

頭を抱え込まざるを得ません。

更には上述のように「ダービーマッチ」という意地を掛けるべき試合に、

しかも相手はJ2新参者に、こんなに簡単に勝点3を譲ってしまって良いのかと

そんな気持ちにならざるを得ない試合でした。

次節は今シーズン初アウェイ、長良川競技場でFC岐阜との対戦です。

あのラモス瑠偉が指揮を執っている岐阜ですが、

監督3年目の集大成とも言える今シーズンは

開幕2試合連続で4失点、無得点というあまり良くない状態です。

ラモス監督は次節は守備的に行きたいと

地元新聞のコラムに語っていましたが、

果たして其れが本当になるかどうかは来週にならなければわかりません。

次の勝点3、1勝を求めて。

北海道から岐阜へ、魂飛ばします。

一心-夢へ、ステップ!-

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