短歌まとめ2
人間のかなしいところ見せあって
"ふうふ"の響きはいのりに近い
お互いをこんなもんか、とわらうとき
とても美しい雲見た気分
かさかさのかたい手に触れた時 はからずもただの妻で良いなどと、ふと
私にはあらゆる名前がついていて
そのどれでもない私と暮らして
ふうふ、って温かいものがすくそばにあるような響き 冷めないうちに
空を見て、海見て、最後に君を見て
どれも大きく、深く、知らない
終わらない映画を観てる気になったふたりでポップコーン食べながら
#tanka ってタグに一部の外国の方とわたしの一部ときめく
お月見をしたいけれども"お月見をしたい気持ち"をとどめていたい
人間は肉が気になるいきもので
大臀筋を深夜鍛える
相づちをにゃいに変えてみる日曜日
月曜朝がやさしくなるよ
ふうわりと夜をガーゼがつつむ夏至
わたしと月は結び目のなか
ほの暗き体内時計の水盤に君が映りて眠りは浅し
「海みたい」をいちばんめの比喩としてあらゆる景色きみに重ねる
骨盤で灯を受けているバスルーム女でもあり女でもない
ときどきはゆびいっぽんで弾いているピアノの速さで降ってみて雨
ほの暗きバスの一部となる夜も少女の髪はひかりを欲す
いねむりをしているバスの乗客が聞き分けの良いひつじを抱く
柔らかきものの話は出来ぬまま拾った小石きみと見ている
雨の夜にアルバムをめくる あまつぶが忘れた人のごと落ちてゆく
まるきものは夜にひかりを放ちたがる 月、観覧車、不眠のひとみ
クッキーを1つつまんで選り好みできない未来をぼんやり思う
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