二度と見たくない夢

とある人達に、自分の骨を渡しに行く夢を見た。
親に連れられ、和装で着飾り出向くところはその人達の家。一軒家である。

綺麗な風呂敷に包まれていた自分の骨壷を抱え、私は後ろ向きな気持ちでそのとある人達のところへ向かう。
私は自分の骨の入った壺をその人たちに渡したくなかった。
しかしそれを私の母はよしとしなかった。礼儀、らしい。

案の定玄関先で
「今更受け取る意味がわからないので」
と言われつっぱねられる。

私と母は玄関から裏の庭へ移動する。
そして裸足になって縁側のところから声をかける。

どうしても骨壷を渡さないと帰れないようで母は必死だった。
私はそれを何故だろうと思いながら骨壷を持って黙って立っていた。

髪の毛も服もまるで晴れの日のように着飾って出向いたものの、追い返され、裸足で裏口から「どうか受け取ってください」と懇願する自分と母。
それは「惨め」としか言いようがない。

なぜ生きている私が自分の骨壷を持っていたかはわからない。
だがそれを拒否されたことでこれまでの人生、選択を全て否定された気分になった。私の生きていた証なんぞいらないのだよ、と言われたような気がした。

二度とみたくない夢である。

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