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「アンラーン戦略」脱学習・再学習・ブレイクスルー わかりにくかった概念がめっちゃ分かった本!

 はい、オオハシです。 長期休暇も本日で最後ですね。晴耕雨読、しかしながら本年の大型連休もそんなに多くは読めませんでした。。とはいえ何とか二週連続ではアップできる状態になりましたので投稿です。ふせんがめっちゃ多かったのでコメントなしで引用のみとしますね。

アンラーン戦略 

「過去の成功」を手放すことでありえないほどの力を引き出す
バリー・オライリー 著 中竹竜二 監訳
2022年10月の本

 大変応援された本となりました。読んでよかったです。まさに「明日始めるのだ、いや、いますぐにだ!」と行動を後押ししてくれる本でした。 帯にも「アンラーンの全貌がついにつかめる!」と記載あり、なるほどなるほどと思いました。

 「教えないスキル」でもアンラーンの話は触れられており、そこでは「学びほぐし」と訳されていました。(読み直したら「感覚的にしっくりくるのは『学び壊し』という表現かもしれません。」と書かれていました。)しかしながらアンラーンの重要性は強く説明されていたし、気になっていたキーワードとなっていました。


そんな中、(僕にとってはあの)中竹竜二氏が監訳されていたこともあって、気になって調達したのですが時間に追われて読めない状態となっおり、改めてこのタイミングで読めて本当によかったと思っています。多くの方に読んでいただきたい良書です。

 本書が示すアンラーンには、3つのステップがある。原書では、Unlearning = unlearn + relearn + breakthrough と書かれているところを、本邦訳では、 アンラーン=脱学習+再学習+ブレイクスルー とした。

アンラーン戦略 監訳者まえがきより


 
 いきなり引用抜粋ですが、ここの概念が非常にわかりやすく、腹落ちしました。人は成功体験を手放せないからブレイクスルーへ至れない、と。先行きの見えない不確実な時代にその変化を受け入れ、楽しみ、と東海支店のビジョンにも盛り込みました。Try&Manabi 大量に試してうまくいったものを残そう 失敗恐れず高速チャレンジ 変化を受け入れ自ら成長、と行動指針にも盛り込みました。会社の理念信条を検討する際にも、大きく考え小さく始める、失敗を繰り返してブレイクスルーへ導く、まずやってみよう、自ら始める、というキーワードも盛り込みました。 今年度の部門のキーワードは「守破離」の『』だ、これもアンラーンとのご縁を感じます。

 ちょうど輪読会で「行動を変えるデザイン」を読んでおり、B・J・フォッグによる行動変容デザインについて事前に学んでいたことも本書への理解を深める土台となっていました。ありがたいです。

 中竹さんの解説動画に 「思い入れの強い方」 というキーワードもあったが、僕もこの本には相当思い入れが強くなった。



 思い入れが強くなってしまったので、引用抜粋が多くなってしまいました。コメントをつけると、さらに長くなるのでコメントなしでの投稿とします。 ざっと読んでいただくだけでも良書であることが伝わると思います。


監訳者まえがき より

 日本のビジネス界においても、この「アンラーン」という言葉の出現頻度は高まっている。ただし、概念としては広がりつつあるものの、多くの人にとってはまだ、つかめるようでつかめない、とても抽象度の高い概念であることは確かだ。
 本書は、このモヤモヤを一気に晴らしてくれる。アンラーンの威力から始まり、必要性、心構えや方法論、構造について、馴染みのある組織や個人の事例とともに丁寧に説明してくれている。
 本書が示すアンラーンには、3つのステップがある。原書では、Unlearning = unlearn + relearn + breakthrough と書かれているところを、本邦訳では、 アンラーン=脱学習+再学習+ブレイクスルー とした。
 Unlearning を本書のテーマである広義のアンラーンとして据え置き、unlearn はそれを実現するための一つのステップ、狭義のアンラーンとして「脱学習」と表した。このステップ1は、これまで培ってきた成功体験や信念、慣れ親しんだ習慣を捨て去ること。ステップ2では己をスポンジ状態にして再学習し、ステップ3では新たな学びを実践に変え、突破口を開いて飛び立つこと。これら3つのステップを繰り返し回していくことが「アンラーンのサイクル」だ。

アンラーン戦略 監訳者まえがきより


アンラーンとは

 アンラーンとは、かつては役立ったが、今は成功を阻害するようになった考え方や行動を手放し、新しい考えや行動に改めるプロセスのことだ。これまでに得た知識や経験を忘れたり、捨て去ったりすることではない。時代遅れになった情報や行動を意識的に棄却し、効果のある意思決定や行動をするための新しい情報を取り入れるのだ。 

アンラーン戦略 P5 

最初のステップ

 <アンラーンのサイクル> の最初のステップでは、自分自身の信念や考え方や行動が、自分の可能性と現在のパフォーマンスを制限していることを、そして意識的にそこから離れるべきだと認める勇気、自己認識、謙虚さが必要だ。それによって、新しいアプローチに心を開き、行動できるようになる。身の回りの環境に常に適応し働きかける力、個人として成長する力を解き放つ鍵は、あなた自身から始まる。自分が何を成し遂げたいか、それを数値化し、説明できるようにすることで、自分の望む状態に向かって動き始め、並外れた成果を達成することができる。

アンラーン戦略 P29

小さな一歩から始める

 たいがいの人は、大きな結果を出すためには、大きく始め、思い切り高いレベルでやり、大きく賭けるしかないと思い込んでいる。しかし、それは間違いだ。そうではなく、高い目標を掲げながら、小さな一歩から始めることが重要なのだ。異なる可能性を手当たり次第に試してみよう。大博打に出るのではなく、小さな賭けをたくさんして、自分にとっていちばんインパクトのある突破口を探そう。

アンラーン戦略 P35

自分の弱さを認める行為

 アンラーンは、すでに知っている確かなものを手放し、心を開いて不確かなものを受け入れるという、自分の弱さを認める行為だ。成長し、影響力を持つためには、自分が知っていることは十分ではなく、新しい情報や考え方、行動が必要であると認めることが必要なのだ。

アンラーン戦略 P51

再学習

 失うことによって小さな勝利を受け入れるところに、本当の成功がある。大きく考え、しかし小さな歩みから始めることで、望むことや求める結果を達成するために、失敗しても大丈夫な状況をつくり出し、新しいやり方や行動を安全に試す。そして再学習するのだ。失敗しても大丈夫な実験をすることは、不確実性を受け入れて進歩し、前進するためには最良の方法だ。

アンラーン戦略 P88

ブレークスルーのステップ

 これまで見てきたように、<アンラーンのサイクル>の3つのステップは、それぞれ行動のために必要な一連の特定条件に分解できる。ブレークスルーの場合、必要な条件は4つある。すなわち、①内省すること、②フィードフォワードすること(未来に向けて建設的な態度をとること)、③ブレークスルーを見積もること、④脱学習の程度を増すことだ。

アンラーン戦略 P127

内省の重要性

 ほとんどの組織では、人はただ忙しいというだけで立ち往生してしまう。どれほど忙しいか、いくつタスクを完了したかだけを尺度に評価される―忙しく働くほど、より多く貢献している、あるいはそう思われる。だが、それよりも何を達成しようとしているのか、「目標に向けて、もっとも努力せずに、もっとも大きな影響を与えられる方法は何だろう?」と自問するほうがはるかに良い。仕事の方法を最適にしようとしすぎると、計画や実施することだけで立ち往生してしまい、結果を「内省」することができなくなる。

アンラーン戦略 P132

顧客の声へのアクション

 身構えずに、顧客から直接フィードバックを受け取ることにオープンであり、そうしたフィードバックに対して素早く、優れた答えを返す。その見返りに手に入れるのは、自社の製品やサービスがいかに受け入れられているかについての、フィルターや編集を経ない本音の生情報だ。そうした情報を<アンラーンのサイクル>にインプットすることで、彼らは過去の成功体験を手放し、並外れた成果を出すことができる。

アンラーン戦略 P200

脱学習の程度を増す

・組織が自己満足したり、知的なおごりを持つことがないように、常に学習システムに刺激を与えること。システム障害をシミュレーションしたり、演習(生存不安をあおる)を行ったりと、あらかじめデザインされた安全な手段で、障害が発生するとどんなことが起きるかを、思い起こす機会を持たせる。
・やがて、組織では新しいシステムが広く受け入れられ、組織も、そこで働く人々も、何を学ばなければならないか、何を脱学習しなければならないかを理解し始める。

アンラーン戦略 P224

行動規範の革新

 これまでとは違った行動規範を身につけるような革新を起こすためには、それを培養するためのシャーレも必要だ。安全で守られた場所がなければ、古いスキルを脱学習し、新しいスキルを再学習することはできない。心理的にも物理的にも、経済面まで含めて、多くのレベルで安全性が確保されていなければならない。実験を行い、新しいスキルや能力や考え方をテストして開発するための砂場が必要なのだ。取り返しのつかないダメージを受けることなく、ミスを犯しても修復できる環境をつくらなければならない。

アンラーン戦略 P241

大野耐一の教え

 トヨタ生産方式の生みの親である大野耐一は「さまざまな思い込みを日々破壊していかなければ、必ず失敗する」という名言を残している。トヨタが成功するためには、従業員が日々脱学習し、過去を手放し、新たに革新的で強力な改善を求めなければならないということが、大野にはわかっていた。未来を築くには、変化し続ける世界に合わせて、脱学習して適応し、新しい方法を学ばなければならないことをトヨタは知っている。

 B・J・フォッグの「小さな習慣」が教えるように、新たな行動を始めることは、思ったほど複雑なことではない。さらに言えば、それはシステムなのだ。脱学習がさらなる脱学習につながり、組織全体に波及効果とネットワーク効果をもたらし、浸透する

アンラーン戦略 P242

老子の教え

 中国の思想家である老子が言ったように、「学問を修めるには日々知識を増やさなければならない。道を修めるには、日々削ぎ落としていかねばならない」。1500年前と同様、これは今でも真実だ。

アンラーン戦略 P308

脱学習は行動から始まる

 脱学習は言葉から始めるのではない。行動から始まるものなのだ。大きく考え、望む結果に向けて小さな一歩を踏み出すのだ。それはまた、まずは自分が脱学習を始め、チームや組織のメンバーが行動を変えるための手本を示すということだ。(中略)
 
 脱学習することは、過去には効果があったが今では成功を阻むようになった考え方や、身につけた行動を手放し、再構成し、そこから離れるプロセスだということを忘れないでほしい。知識や経験を忘れたり、捨てたりすることではない。脱学習とは、古くて役に立たなくなった情報を手放し、新しい情報を積極的に取り入れて、効果的な意思決定と行動を起こすという、きわめて意識的な行為なのだ。

アンラーン戦略 P308

以上
4,700文字以上になってしまった長文の投稿となってしまった中、最後までお読みいただきありがとうございました。 ここまで読んでいただいたのなら、ついでに「スキ」ボタンも押していただけたら、さらにコメントでももらえたのなら、うれしいです。 またお会いしましょう。

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