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好みの美術

子供の頃から音楽よりは美術のほうが好きなタイプで、ビジュアルというものに心奪われ続けていました。子供の頃といえば漫画です。ジャンプでいうとドラゴンボールZ世代ということもあって鳥山明の絵は大好きでした。

他にも同世代を争ったファイナルファンタジーの「天野喜孝」、テイルズ系の「いのまた むつみ」も大好きでした。両者とも絵画展には必ず参加しています。

今となっては世界を代表するイラストレータです。子供が好きになるのも当然です。

いつの頃からか覚えていないのですが、西洋画に興味を持ち始めます。秋葉原のブックオフに立ち寄るたびに「Taschen」の画集を集めていました。最初は「サルバドール・ダリ」に興味を持ちました。

福島県の会津若松市から少し北に行ったところに「諸橋近代美術館」がありますが、ここは日本で唯一サルバドール・ダリ専門の美術館です。2013年に初訪問できたときは感涙でした。ダリの絵画では「ポルトリガードの聖母」が最も好みです。ベタですが。実物も見ることができました。

そこから一通り西洋美術を見始めました。企画があればそのたびに美術館に足を運びました。いつだったか渋谷で「スイミー」でおなじみのレオ・レオニが展示されると聞いて、暑い日に並んだものです。

美術家として最も好みなのは「ミケランジェロ・ブオナローティ」です。説明不要。「ダビデ像」や「ピエタ」「創世記」「最後の審判」などなど、歴史上最高傑作を残す人物。基本的にはどの作品も好きなのですが、東京藝術大学の石膏室というところに入れてもらったときに見たレプリカの「メディチ家の棺」に心奪われました。人以上の人をデザインできる人なんだなと。

彼の本職は彫刻家で大理石を削ることで人体を表現していました。この業界に入職したときはまだ美術に芽生えていなかったのですが、一応私も人体を表現するプログラムを操る職業をさせていただいております。ミケランジェロを知るうちに、同じように人体を表現することに尽力する時間を持てていることに、恥ずかしながらも誇れるものがありました。実際、配色や構図などはかなり参考にさせてもらっています。

好きな美術家のTaschen画集は出張のたびに飛行機内で読んでいるのですが、ミケランジェロの次に多いのは「レンブラント」です。その中でも自画像が好きです。彼自信のも、他の人のもです。

初期は明確な輪郭線があるにも関わらず、後期はどんどんと印象派のようなぼやけた自画像に変化していきます。しかしそれでいても輪郭はしっかりと認識できる。東京藝術大学の油画 坂井教授によると、海外のデッサンでは日本のデッサンと違って明確な輪郭線を用いないことが多い、とのこと。もしかすると、レンブラント時代からそのような傾向だったのかもしれない、と考えてみたり。

またオランダ人の友人の父親の名前が、レンブラントの息子の名前と同名の「Titus」でそのことで結構会話が弾んだりと、絵画以外でも色んな所で話題に使わせてもらっています。

ボストンでの仕事の際に、その時の上司にボストン美術館に連れて行ってもらって沢山の浮世絵を見ることができました。どちらかというと木版の方を見ました。

日本画への橋渡しはやはり印象派のクロード・モネからの流れでした。いつだったか友人と立ち寄った世田谷美術館ラ・ジャポネーズが展示されていたのです。こういう絵があることを知らなかった私は、ジャポニズムというものの影響力にびっくりしました。

もちろん他にも数多く、好みの作品や作家はあるのですが、本当にきりがないので、このへんでお開きにさせていただきます。

途中にも書きましたが、私自身は人体を表現するプログラムを開発・販売する事業をさせていただいている関係で、人体の画像を作成することが多いです。人の体は、それぞれの臓器は皆構造が違っており、それぞれが顔ほど違います。それをそのまま計算で表現するだけですが、時折その得も言えぬ存在感に圧倒されることがあります。

マルチレイヤー色分け.001


「人体は、それそのものが一級の芸術品」

そりゃそうですね。ミケランジェロは人体を表現して、称賛されたのですから。

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