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学習アドバイス Ver1.07(2020/04/07)

学習アドバイス Ver1.07(2020/04/07)
基本的に2019年度に授業を受け持った生徒ベースで教材紹介していますが、割と汎用性は高いので、読んでもらえると幸いです。

※追記もどんどんするし、具体的なところにつっこんでくし、動画も上げる予定です。
※動画は3/15収録 順次UPします
   →いつやるの?って感じでしたが、今は別物の準備してます。すいません。

0.そもそも論

 どの程度、自分にとって「英語」が必要であるか、ということをわかっているでしょうか。 人によっては英語が人生に関わる人もいます。受験で終わる人もいます。研究論文を英語で書くことになる理系の生徒も多いかもしれません。受験で英語はたしかに配点が高いですが、英語以外の科目で良い得点が叩き出せるなら英語は平均点ぐらいでよいかもしれません。もしかしたら多少低くても良いかもしれません。英語で合格者平均点くらいはいける。よし!と思うかもしれませんが、その他の科目が思うように伸びないのであれば、英語で点数を稼げないといけないかもしれません。そこをもう一度見直してください。 
 過去問は見ましたか? 
 総合的な英語力は絶対に必要です。でも、受験という視点ではもう少し偏った勉強をしないといけないかもしれません。 
 4択系の問題集をぼろぼろにしていると、受験生感は出ます。でも、志望校の入試に全く関係なかったら?、、、英語の知識を吸収している分があるので、すべてが無駄とは言いませんが、志望校へは少し遠回りかもしれません。
 僕は旧来型の4択系問題集は好きではありません。が、一定の有用性はわかっています。欠点も分かったうえで、必要悪として、自分も使いますし、指導や使用を勧めたりもします。 過去問題の研究は、秋口までやらない、という指導もあるそうですが、受験を最短距離で走り切るには過去問研究は早いほうが良いでしょう。

1.単語

A.基本的な方針
 LEAPが市販の単語帳では比較的レンジが広く、データベースが新しいので、この1冊をベースにして、必要に応じて、上位レベルの語彙を獲得しましょう。
 上位レベルについては、過去問演習をしつつ語彙収集をするのが、一番効率が良いのですが、必要に応じて単語帳を活用しましょう。ただし、単語帳については、万人受けする内容であるが故、自分の志望校の入試にピッタリ!というわけにはいきません。何か絶対に足りない部分が出ます。そして無駄が出ます。無駄を極力省くには、ベースになる単語帳(例えばLEAP、もしくは自分が通っている学校で1年時もしくは2年次に配布され、使用しているもので構いません)+志望校の過去問の組み合わせが、効率が良くお勧めです。
 
B.覚え方
 基本的な考え方は「浅く広く」「繰り返し」です。覚えよう!と意気込んでも、単語帳には1000~2000語の単語が載っています。50個ずつ確実に!と思っても、50個ずつ…1000個も?となりますし、1000個完走した時には127個目を忘れているかもしれません。ではどうするか。100個単位+αでひたすら音読です。1000個なら十日間で完走します。2000個なら20日間で完走します。完走したらまた1から100個単位で音読します。これを毎日10分程度×10回行ってください。LEAPなら1ヶ月で1周半しています。10ヶ月で15周できます。おそらく受験生ならこれより速いペースに自分で設定するので、夏明けには単語帳はぼろぼろになり、およそ80%が頭に入っていると思います。とりあえずひたすら読め。気づいたら覚えてる。気づいたら…がポイントです。人の脳は1回集中より、ある情報に触れる回数を多くしたほうが忘れにくくなります。


2.熟語・表現

 ざっくりいうと「文型」を意識すると、語法や熟語は覚えやすくなります。「この単語は3文型だとこの意味で、この前置詞が使われやすい。でも4文型だと…」という感じです。また、授業中にも繰り返し言っていますが、型が似ていると意味が似ている、というのも熟語などを覚える際には有用です。前置詞と副詞が熟語のKeyになることがほとんどなので、熟語を丸暗記するのではなく、前置詞や副詞のイメージを定着させていくと良いでしょう。代表的な熟語と例文を参考に、前置詞の学習を進めることで、熟語の整理や暗鬼がはかどります。スタサプの関正生さんの前置詞の授業は繰り返し視聴しても良いでしょう。
 このようなことが定着してくると、ある英文がどの型でできているかがわかれば未知語の推測もできてくるので、入試本番で焦りが減ってきます。「知らない=わからない=おしまい」から「知らないけど推測して道を拓く」ことが可能になるので、熟語を丸暗記ととらえずに、英語の型を理解する学習だと考えると良いかなと思います。


3.文法

A網羅的である必要はない。
 英文法については大きく分けると①「発信のための文法」と②「受信の際の文法」にわかれます。またそれらはそれぞれ①a「読む文法」①b「聞く文法」と②a「書く文法」②b「話す文法」に分かれます。「読む」「聞く」文法は相手に委ねられているので、幅広い知識が必要になります。「書く」「話す」文法はこちらが使用者なので、自分で使いこなせる文法に限定して使用できます。
 よって、問題に取り組む際に気にかかるのは「読む文法」と「聞く文法」ですが、使用される文法項目の頻度はロングテールの法則のように分布しているので、学習者としては中学レベル~高1英語表現Ⅰレベルの英文法を定着させておけば、問題ありません。
「CEFRに基づく英文法(桐原書店)」や「マーフィーのケンブリッジ英文法(ケンブリッジ大学出版)」のような問題集がおすすめです。多分一生ものになるかな、と。

B.受験用問題集
  受験用問題集は非常に便利です。英語のほぼ全パターンが載っています。ただし、最重要項目も受験問題集でしかお目にかからない項目も1問しか掲載されていません。ぱっと見では、全部マスターしないといけないの?となりかねません。これが落とし穴です。
  覚えるように使う、というよりも「忘れていないかのチェック」用に使うことと、ほぼ4択で構成されていることからサクサクと前に進んで、気持ちを上げていく用に使うのがベターだと思います。受験用問題集で覚えるのはリスクが高いです。
  初学者用でいえば「英文法倶楽部(代ゼミライブラリー)」「英文法・語法ベスト400(学研)」がありますが、スタディサプリの高3スタンダード英文法で代用するのも良いかもしれません。スタサプに関しても、その他参考書と同様に解説の相互矛盾等々があるのですが、現時点ではベターなチョイスだと思います。
  4月以降の授業では、センター試験の過去問を項目別にして、文法・熟語の演習を行うので、そちらも参考にしてもらえると良いかなと思います。

4.読解

A.問題の取り組み方
  まず自力で解きます。読みながら、わからない語彙や表現の箇所にはラインマーカーなどでチェックを入れます。まだ調べません。
  一通り解き終えたら、今度はチェックした個所を調べながらもう一度読みます。問題がついている場合は再度解答も検討します。
  ここまでできたら答え合わせです。訳も確認し、不明点は調べたり、質問するなどして解決します誤答や誤選択肢について、なぜそれが不正解か、ということも明確にします。
 この誤答や誤選択肢へのアプローチが、解答力向上に大きく貢献します

B.読み方
  和訳という点では直訳を基本とします。これは語彙・表現や文型、文法・構文の知識の精度を自己確認しやすくするためです。直訳で減点、などということはないので、受験まで直訳で押し通して丁度良いくらいです。
  1文ごとに「Sが何をしたか、Sは何であるか」ということを丁寧に読みます。
  また、段落ごとに「この段落で語られていたこと」を一言でまとめます。
  いわゆる精読→1文ごとの丁寧読み→パラメモのプロセスを踏むことで、地力の速読力を身に着けられます。
  いわゆる速読、についても誤解が多々ありますので、4月の授業、講座で方法論を伝えますので、いまは地力を養いましょう。

C.復習
  復習については、本文中の語彙・表現の定着を目標に、10回程度音読を行いましょう。最初の5回については段落ごとでも構いません。音読をしながら、そのスピードで語彙や表現が頭に浮かぶようであれば、復習完了と考えて構いません。
  復習は大事ですが、深追いしすぎると際限がないので、語彙・表現でとどめましょう。

5.リスニング

A.解くだけで終わりはナンセンス
  リスニング問題演習については、問題演習と答え合わせについてはおまけ程度に考えると良い、というのが本音です(英検前のリハーサルや過去問演習は別です)。ここまでのリスニングトレーニングの成果をチェックするのが演習であって、リスニング力を上げるのが演習の目的ではありません。
 リスニング力を上げるには、読解力の向上と発音力が大事です。繰り返し読んで理解できる英文読解と違い、リスニングはドンドンと英文が前に進みます。リスニング英文が読んでも理解できないのであれば、リスニングはさらに絶望的です。地力の読む力の向上にも力を入れましょう。
 また、自分が発音できる音声は聴きとることも容易です。単語帳の学習も含め英語音声を自分で発音できるようトレーニングを積みましょう。

B.リスニングトレーニング(音読編)
  リスニング力を意識した音読のトレーニングについて紹介します。
  まず演習をおこなった英文(リスニング、リーディングは問いません)について語彙や表現を調べ上げ、内容も解説などを参考にして不明点をなくしておきます。
  この英文について①内容を思い浮かべながら音読②チャンク(キクタンでいうスラッシュごとのカタマリ)ごとに英文音読→日本文音読の順番で音読③チャンクごとに英文を音読し、日本文を黙読④英文のみ音読というステップで音読します。①~④まで20回程度ずつ音読をしましょう。
  このトレーニングをどれだけたくさん積むか、ということが大事ですが、すべての英文で行うには重たいトレーニングなので、1パラ程度の英文(キクタンやスマートリーダーの英文くらいの長さ)で行うのがおすすめです。

6.英作文とスピーキング

 簡単な日常会話レベル…が難しいのですよね。まず日常語は単語帳に載ってないからわからない。日常的に使うカジュアルな英語表現と、フォーマルな英語表現の区別がわからないから、日常会話にそぐわない表現使ってしまって失笑される、、、とか。
 ただ、発信の仕方を①英語学習者の立場で②基本的な表現を用いて③英語のレポートや仕事でのメールにおいて④意見→理由→評価、意見→理由→エピソードという基本フォーマットを使う、というように割り切っておくとフリートークの基礎はできるし、自由英作文、というものについてはある程度処理が可能になる。
 その下地として、和文英訳で基本的な英語の型を使いこなせるようにしておくと良い。
 基本的な英語の型を含んだ英文の暗唱が有効だが、これについては自分が使用している構文ノート(今年度授業で使用したものでいえば「英語表現活用ノート(数研出版)」)で紹介されている50程度の英文パターンは暗唱できていると書いたり話したりスピードも上がります。読むスピードも格段に上がりますが。
 例文暗唱については①英語を日本語に訳す②日本語訳を確認する③日本語を英語に戻す、という3手順で進めてくと良いでしょう。

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