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津和野ヤモリーズの地域活動【教育編】

 我々は日々、道作り、間伐、搬出作業とそれに関わる研修を主に行っています。それは、地域おこし協力隊としての3カ年の任期後に自立していく為の技術を修得しているのです。

 地域おこし協力隊は、山林管理もその一つではありますが、その名の通り地域おこし活動も行っています。私が2015年1月に着任して5ヶ月目。まだ自伐型林業についての知識や資格取得等々に奔走している時期に、地域の高校の校長より『地場産業である林業を生徒に教えて欲しい』とのご依頼。異業種からの着任早々、相当ハードルの高い話だと感じましたが、自身の勉強にもなると思い、承諾しました。

 さて、『林業を伝える』と言っても、何を教えて良いものやら。しっかりと理解してもらおうと思ったら、林業を取り巻くバックグラウンドのみならず、社会情勢等々から自身が林業を選んだ理由から伝えなければならず、四苦八苦しながら資料を作成、当日を迎えました。

 その資料には、私が中山間地域に移住した理由として、日本の山林面積農業用地面積海岸線総延長など国土構成について、一次産業の就業者数など人口推移森林の機能性材価推移輸入材比率TPP含む世界情勢などから、日本での安定的な暮らしを育むには『林業』と言うナリワイが不可欠であり、それを実現するために移住したとして、身の上話からの座学を行いました。生徒たちは初めて知る業界や政策、国策など、高校生活では接することのない情報に多少戸惑いを見せているものの、なんとか理解している様子でした。

座学の様子@基地

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 座学終了後、実際に現場に入り、3倍力動滑車を使ったロープワーク、チェンソーの扱い方、刈払機の作業など日常的に使用する道具一式の使い方を試した後、一人1本の杉の間伐を実施!

人生初の伐倒!

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伐倒後、ツルを見て、正しい作業が出来たか確認

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直引きでは動かないナラ材が3倍力で動かせるように!

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搬出後、チェンソーを使用して玉切り、薪割り

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バックホウ操作体験

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 バイクの運転もしたことのない高校生達は、重機はもちろん甲高い音のエンジンを使用したチェンソーでの伐倒などの林業体験は、とても大変楽しい様子。昨年度・今年度と津和野高校との取組では10名程度に接してきました。その内の2名が島根県立農林大学校林業科を受験予定とのこと!11月中旬の合格発表が待ち遠しい!数年後には一緒に現場作業をする事もあるんだろうか。

 

 昨年1月の着任後、小学生・高校生・大学生などの学生向け体験だけでなく、近隣の自伐林家向け、奈良県吉野町の着任直後の地域おこし協力隊向けの研修等々、着々と林業の魅力を広げる活動も行っています。

中國新聞掲載 日原小学生向けキコリ体験

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大学生向け作業道開設の現場案内

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奈良県吉野町地域おこし協力隊研修

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 私が自伐型林業をナリワイに暮らそうと決めた理由は前述の通り、中長期的なマーケットや資源量、環境変化を総合的に判断した結果。また、日本の気候は世界でも稀な林業の適地であることから、林業で暮らしを立てられる事を自身で証明すると同時に、それは日本の7割を占める中山間地域での暮らしが可能であることの証明になります。私自身が十数年世間を見てきて選択した業種なので、間違いはないと自負しているものの、第三者の生き方に影響を与えることについての良否を自問しながら日々の作業に向き合っております。


 そうそう、忘れちゃいけない。来年度、一緒に活動出来るメンバーを募集中!教育や後継者育成も大事ですが、最優先は『自伐型林業で自立する事』を”考えて動ける”人材、お待ちしております!

                       

                          wrote by ぐっさん

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