7世代先を考える【大地は子孫からの借り物】
津和野町地域おこし協力隊「ヤモリーズ」の6期生のシモダです。
先日は津和野に来て初めての雪も降り、いよいよ本格的な冬到来といった感じですが、現在の我が家は築100年の古民家、隙間風が冷気を連れ込み、それに負けないために薪ストーブが全力で稼働中です。
道づくり研修の日々、ひたすらに土を運ぶ日々。自分達の姿を空から眺めると、きっとアリがせこせこと巣を作り、食べ物を運ぶ姿と同じように可愛くも滑稽にも見えるんだろうななんて空想していると、ふと昔読んだ本に書いてあったネイティブアメリカンのことわざを思い出しました。
人は山と蟻の中間だ。 (オノンダガ族の格言)
20歳の頃、一人旅をしようと心に決めて、行き先として迷っていた旅のプランが東アフリカか、ネイティブアメリカンの聖地を巡るかの二択で、その時は結局アフリカを選んだのですが、その頃に読んだ本や雑誌からアメリカインディアンと呼ばれる人々の伝統的な自然崇拝の文化に興味を持ち、強烈に惹かれた時期がありました(後に新婚旅行で行くことに)。
そもそもシルバーやターコイズを使ったアクセサリーやファッションが好きだったのがきっかけでしたが、いつの間にか自然と調和することを重要視するその精神性に惹かれていったのでした。
どんなことも七世代先まで考えて決めなければならない。(イロコイ族の格言)
彼らが何かを話し合って決める時、 7世代先の子孫が幸せになるかどうかが判断基準なんだそうです。 例えば1本の木を伐る時も、7世代先の子孫のためになるか、困らないかという価値観を基準に議論するんだそうです。
7世代先というとちょっとイメージしづらいですが、ドラえもんで言うと「野比のび吉」(明治時代に存在したのび太のひいおじいさん)が、「セワシ」(22世紀からドラえもんをのび太に送り込んだのび太の孫の孫)に想いを馳せて行動を決定する、という例え話を小六の娘のために用意してみました。
その位長いスパンで物事を考えられるというのは素敵なことだな、と。
大地は、先祖から譲り受けたのではなく我々の子孫から借りているのだ。(ナバホ族の格言)
我々ヤモリーズが勉強しているのは、次世代のために"なるべく壊れにくい道"を残すための技術。時間を超えて自分より長生きする道、肉体が滅びた後も残る仕事、そういうところにロマンを感じていたはずなのに、検査を通すために何割間伐しなくちゃならないとか、ノルマを達成するために何本伐らなくちゃいけないとかの"現実"に追われているとついつい忘れてしまいがちな本質的なことを胸に刻みつつ、来年も山の仕事と向き合っていきたいと思います。
4月からスタートした山陰での暮らしも振り返るとあっという間で、2020年も残り2週間、最後までご安全に。
来週の健康診断の鼻から突っ込む胃カメラが怖くてしょうがないシモダ41歳でした。
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