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三竹士

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#エッセイ

日記のような、びぼーろくのような(2023.05.17 京都大原野の初夏の香り)

日記のような、びぼーろくのような(2023.05.17 京都大原野の初夏の香り)

京都の端っこの西京区大原野の春はたけなわをすでに通り越していた。
阪急洛西口駅から電動アシスト付き自転車で走る道はほんのひと月前の季節とは様相を変え緑の濃さは増し陽射しの力強さも増していた。

途中、ところどころで田植えの準備を始めていた。トラクターの邁進する田から掘り起こされる虫たちを目当てにサギとカラスが離れない。そんな姿をスマホに収める私をカラスは「あんた何してんの」とでも言いたげにジッと見

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南信で考えたこと(竹の旅の記録)

南信で考えたこと(竹の旅の記録)

宮島のこの理事長との付き合いは長い。足掛けで25年の月日が過ぎる。
まだゼネコンにいた時、入社後二度目の京都赴任を営業職の立場で命じられた。赴任初日からいきなり四条河原町のマンション建設の地元対応の責任者を仰せつかり発注者であるデべとともに地元自治会長らへの挨拶に回って夕方営業所に戻った。事務所は高島屋の並びの南に少し下がった河原町沿いにあった。8階の事務所に入るとそこから見える東山の山並みは夕陽

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日記のような、びぼーろくのような(2023.3.15 京都大原野の春のひろがり)

日記のような、びぼーろくのような(2023.3.15 京都大原野の春のひろがり)

一昨日、京都は大原野にある放置竹林整備のNPO事務所まで出かけた。
盆地の京都市内は夏は暑く、冬は寒い。三年間京都市内で暮らしたが、旅行に来る場所であって、居を構える場所ではないと京都の皆さまには申し訳ないがそう思った。
この大原野は西京区大原野である。あの三千院のある大原は左京区大原、勘違いされる方が多い。私たちが事務所を置いているのは西京区大原野小塩町(にしぎょうくおおはらのおじおちょう)であ

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心残りの食べ損ねたラーメン

心残りの食べ損ねたラーメン

ふと思い出すことが多くなってきたが、先が近づいて来たってことじゃないかと思ったりしている。先が近づいたと言っても今日明日のことじゃない、子どもの頃よりはずっとこの先の世界が近づいている、そんな話である。
子どもの頃の記憶は褪せて薄くなっていくが何かをきっかけにカラー写真のように鮮明に思い出すものである。

2月22日猫の日に京都大原野のNPO、『竹ネット』の事務所で話しているなか、これから出てくる

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日記のような、びぼーろくのような(2023.2.22 早春の京都大原野)

日記のような、びぼーろくのような(2023.2.22 早春の京都大原野)

2月22日、今年の『猫の日』は例年と違う感慨を持って京都大原野に向かった。
今季最後の寒波となるのであろうか、昨日舞い降りた早春の雪はまだ山肌に張り付いていた。
通称『竹ネット』、NPO法人 京都発・竹・流域環境ネット の主要メンバーが集まって来年度の新事業の打合せがあった。
行政の発注の放置竹林整備が続く。行政のさまざまな事業において竹林が障害となっている。それを伐開して産業廃棄物としての処分

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