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ep.31 アオハルだよ。

僕は10代のときにゾーンを3回経験したことがある。そのうち一回はバスケをする友だちがドライブを決めようとしているときだった。

高校生のときクラス対抗の球技大会があったのだけれど、そこでクラスメイトのテツマが大活躍をした。

バスケ部の彼は普段はボーッとしていて自己主張をするタイプではないけれど、試合になると人が変わったように躍動した。俊敏性に優れていて、緩急自在のドリブルと鋭いパスでガンガン攻めるタイプだった。

テツマがボールを持つと会場が湧いた。次はどんなプレーを見せてくれるのか、会場にいたすべての人がワクワクしていた。

そして、興奮しすぎた僕はゾーンに突入した。テツマがドライブでゴールへ向かおうとした瞬間、彼の動きがスローモーションになった。視線のフェイントで一人交わしレイアップ。空中でダブルクラッチを決めたときは思わず叫んでしまった。

なぜそんな昔のことを思い出したのかと言うと、昨日まで東京で開催されていた高校バスケの日本一を決めるウインターカップを取材していたからだ。

撮影を担当した試合は1週間で50試合弱。ここまで集中的にバスケを撮ったことはなかったから撮影ポイント含めて新しい発見がいくつもあった。

改めて思ったことは、バスケの動きはメチャクチャかっこいい、ということ。そして、高校生活のすべてをこの大会に捧げてきたであろう彼らがみせる熱量の高さに圧倒された続けた。

高校時代が自分史上もっとも暗黒だったこともあって、泣くまで感情が揺さぶられるほど何かに打ち込んでいなかったから、敗戦に涙して、勝っても涙する姿をファインダーに収めながら、四半世紀前の自分が恥ずかしくなったのは言うまでもない。

今年は「SLAM DUNK」を読み直しながら年を越そうと思う。

※写真は2013年bjリーグファイナル。

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