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育休のすすめ ~期間や時期に悩む方へ~

「子供は4人欲しい!」なんて良くも気安く言えていたな、と今ではそう思います。妻から大好きなビールを約2年間取り上げ、壮絶な出産を目の当たりにし、産後の夜鳴きにうなされ、自分の自由時間が以前の1/10になった今でも、昔と同じことが言えるだろうか・・?

1年前に一人目の子どもが産まれてから、子どもを育てる大変さを日々痛感しています。先輩パパ&ママからは「甘いわね、1歳からがもっと大変なのよ」と言われるかもしれませんが、最近やっと少し余裕がでてきて、妻と一緒に楽しく育児をするペースが掴めてきました。それはひとえに、思い切って育児休業(育休)を取得したからであり、僕はその決断が正しかったと心から思っています。今回は、これから育休を取ろうか考えている人に、育休取得の期間と時期について自分の経験を踏まえて書きたいと思います。今後の意思決定の参考にしてもらえると嬉しいです。

ちなみに我が家は、子どもが一人、夫婦共働きです。家庭の状況によってはここに書かれていることが当てはまらないケースもあると思いますので、その点はご了承下さい。

はじめに

簡単に自身の経験について触れます。一児の父、娘は生後11ヶ月で今月1歳になります。この1年、色々な偶然が重なり、合計3回仕事から離れて育児と家事に向き合うことができました(その内正式な育児休業制度を使ったのは一度だけ)。子どもが産まれる以前の僕は、家事全般は一人暮らしの時に身に付けた最低限こなせる程度のレベルで、料理も人並みにできる程度でした。

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1回目:出産とGWが上手く重なり、産後2週間のプチ育休
2回目:3ヶ月の正式な育児休業
3回目:転職の空白期間による1ヶ月の臨時育休

期間や時期は様々ですが、3回の育休期間はそれぞれ新たな学びや苦労がありました。結果として、1歳未満の子どもがいる家庭に於いては、男性の育児参加は大きな意義を持ち、その手段として育児休業は非常に有効だということがわかりました。今振り返ると、「育休取得」は家族のバランスを保ちみんなが幸せな状態を維持するという目的に対する最良の手段であったと思います。

なぜ育休が必要か?

内閣府発行の男女共同参画白書が示している通り、共働き世帯は年々増加しており、平成29年時点では非農林業雇用者全体の65%が共働き世帯という結果が出ています。若い世代では特に、夫婦共働きがデファクトスタンダード化しており、女性も男性と全く同条件で働く社会になって来ました。仕事は男性と同等に行い、家庭内での負担は女性の方が大きい。これは明らかに不平等です。

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僕自身、妻の妊娠中は自分が父親になることについてそこまで深刻に捉えていませんでした。「妻は産後1年間育休を取るから、妻が育児で僕は仕事」と漠然と考えていました。しかし、産後クライシスという本を読んだり、ドラマの『コウノドリ』を見たり、先輩パパから話を聞いたりするにつれて、このままではまずいのでは?と思うようになりました。

まず、産後のママは想像以上に体力を消耗しており、その時期に少しでも家庭の力になることが重要だということ。また、育児は妻が復職した後も当然続きますが、共働きに戻った後、夫婦間での家事・育児スキルに差があれば、当然妻に負担が集中します。そうなる前にできることはやっておきたい、そう思ったのが育休取得の決め手でした。育休取得にあたっては、母乳をあげること以外は妻と対等でいるという目標を掲げて、細かいところまで手が届くよう努力しました。

育休はいつどれくらい取ったら良いか?

とても悩ましいのが期間と時期です。いつどれだけでも取れる環境なら良いですが、仕事との兼ね合いがありなかなかそうはいきません。実際、子どもが生後1歳になるまでは本当に毎日格闘なので、どのタイミングでどれだけ短い期間でも、育休を取得することは家庭にとっても自分自身にとってもプラスの要素が多いです。

ただ、子どもの月齢によって親自身が得られるものや父親に求められることが若干異なるので、その辺りを解説していきます。可能であれば、育休取得の目的をどこに置き、それを達成するためにどの期間と時期が最適か、夫婦で良く話し合った上で会社と相談をすることをお勧めします。

期間:せっかく取るなら、最低1ヶ月は欲しいです。普段家事全般をそこまで積極的にやっていない人は特に、1ヶ月では役立たずのまま終わってしまうリスクがあります。僕の推奨は3〜6ヶ月です。家事・育児共に奥さんに近いレベルまで上達し、その上で家族の時間を楽しんだり、空いた時間で普段できないことにチャレンジする余裕もあるからです。

時期:子どもが1歳になるまでの期間を5つに区切って、それぞれの期間で得られるもの、父親に求められるものを整理します。これについても正解はありません。育休取得の目的と照らし合わせながら、家族で相談して決めるのが良いと思います。

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第一期(出産〜生後1ヶ月):激動期
この時期に育休を取る意義は、「家事を全て担う」と「奥さんの手足となる」です。言わずもがな、出産は命懸けです。出産によって体力を消耗しているのにも拘らず、ママは初日から2時間おきに授乳が始まります。正直、この時点ではパパはあまり父親になった実感もなく、意識改革もできていません。中途半端に育休を取得する位なら、奥さんは実家にお世話になった方が良いです。ただ、この時期に真摯に取り組むことで良いことが2つあります。
 ① 父親としての自覚がいち早く芽生える
 ② 奥さんにめちゃくちゃ感謝されて夫婦関係が良好になる
第二期(生後2〜3ヶ月):育児本格スタート期
最初の1ヶ月はあっという間に過ぎます。アドレナリンも出ていて寝不足でもなんとかなります。本番は2ヶ月目からです。子どもは2〜3時間おきに起きるし、奥さんは慢性的な寝不足で常に不機嫌だし・・・この時期にフルタイムで育休に入れると家庭としては安定します。
一方、子どもはまだ何もわからず寝る・飲む・泣くを繰り返すだけ。子どもとのコミュニケーションという意味では、多くを望める時期ではありません。
第三期(生後4〜6ヶ月):落ち着き期
子どもは徐々にまとめて寝るようになります。寝返りもするし、お座りもします。ハイハイはまだしないので、常に目を光らせておく必要もなく、離乳食もまだなので、比較的余裕のある時期です。
この時期の育休は、家族で旅行をしたり、奥さんが友達と外出する際に留守番したり、家族の時間を楽しむためには良いでしょう。
第四期(生後7〜9ヶ月):母の負担増加期
徐々に子どもに自我が芽生える頃。離乳食が始まり、ハイハイをするようになり、子供から目が離せないのでやることは増えます。奥さんも育児疲れが出てくる頃です。夜の寝かしつけも、これまで奥さんに任せっきりだった場合、子どもはパパの抱っこでは寝てくれない場合も。離乳食の量や食べ合わせも奥さんは勉強して知識が付き、パパは言われたものを食べさせるだけ。お風呂もママはワンオペで全て完結できるけど、パパは風呂場の中で子供と戯れるだけ。この様に、夫婦間の育児スキルの差が顕著に現れる時期です。手遅れになる前に育児への参加度を高める意味では、この時期の育休取得は効果的です。
第五期(生後10〜12ヶ月):パパママ認識期
この頃には、子どもは明確にパパとママを認識します。当然、序列は決まって1位:ママ、2位以下:その他の構図です。うっかりしていると、パパはバーバにあっさり2位の座を奪われます。これまであまり時間を共にして来なかったとしても、この時期に濃厚な時間を過ごすことで、子どもとの距離をグッと縮めることができるチャンスです。そして何より、歩いたり喋ったりを始めるこの時期の子どもは、めちゃくちゃかわいいです。

こんな感じで、時期によって家庭内の環境も、子どもの様子も父親に求められるスキルも変わっていきます。とにかく奥さんの力になることが目的であれば第一期〜第二期、子供との関係を深めたいのなら第四期〜第五期がおすすめです。ちなみに僕は何も知らずに第三期に取りました(笑)

参考までですが、妻の目線でパパの育休取得時期を図に表すとこうなるそうです。

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夫としては耳が痛い部分もありますが、全体的にはおっしゃる通りです、という感じです。妻なりにこのブログの結論を書くとこうなる、とまで教えてくれました。

家事ができるなら【出産~生後1ヶ月】、そうでなければ【生後10~12ヶ月】がおススメ。生後2~9ヶ月は仕事以外の時間でベスト・オブ・ベスト・オブ・ベストを尽くしてくれれば◎。10~12ヶ月だとママにも余裕があるから、安心してパパに預けてお出かけなどもできるし、3人の時間も穏やかに過ごせるはず。(余裕ないときに3人だと喧嘩頻発する可能性あり)by  嫁

まとめ

生後1年未満の子どもとの関係は、その子と一緒に過ごした時間に比例して深まっていくものだと実感しています。そういった意味で、パパはもっと積極的に育児に参加するべきだし、その手段として是非育休を活用して欲しいです。それが結果として家庭の幸せに繋がるとわかっていれば、少し仕事でビハインドを負っても全く痛くないです。

また、実は育児は奥さんの妊娠中から始まっているものだと学びました。僕は動き出しが少し遅かったですが、とにかく料理ができるとめちゃくちゃ感謝されます。なので、男性は奥さんの妊娠中から料理を覚えましょう!最後に、育児をする上で大変なことリストと、育休がパパに与えてくれる良いことをリスト化してみます。

大変なことリスト
・自分の時間は限りなく少なくなる(きっと1歳以降はもっと減ると思う)
・奥さんケア(ストレスを抱えていることに気づかないとヤバい)
・ちょっと気を抜くとママとの育児スキルが離れていく(特に寝かしつけ)
・外食したいときにできない
良いことリスト
・ 子供への愛着、子供からの好かれ度合が10x(10倍)になる
・ 夫婦が対等な関係でいられる、家庭内のバランスが保たれる
・ 真面目に取り組めば、家事能力が格段に向上する(特に料理は超重要)
・ 仕事から離れて自分のキャリアを考える時間ができる

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今では、やっぱり子供は4人欲しいと、自信を持って言えます。

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(参考①)育児休業はどんな制度か?

本投稿の目的は育児休業について紹介することではないので、制度の細かい内容についてはご自身で調べて頂きたいですが、重要なポイントだけ箇条書きで紹介します。詳しいことはネット検索するか、僕にDMください。

・男性の場合、期間は原則出産当日〜子どもの1歳の誕生日の前日まで
・子ども一人に対し育休は1回のみ取得可(但しパパ休暇という特例あり)
・共働きで世帯でも夫婦でダブル育休取得可能
・育児給付金は出産〜180日目が月給の67%、181日目〜364日目が50%
・ボーナス月に育休取得中だと社会保険料免除でお得
・会社への相談は遅くても3ヶ月前くらいから始めるとスムーズ

(参考②)パパになるにあたり参考になる本・ドラマ

産後クライシス|内田 明香 

0~4歳 わが子の発達に合わせた1日30分間「語りかけ」育児|サリー ウォード

コウノドリ(2015)|TBS

コウノドリ(2017)|TBS




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