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【読書記録】ウィザーズ・ブレインⅨ 破滅の星 中

2023年49冊目。

※この記事はネタバレを含みます。ご注意ください

8年半ぶりの新刊です。年明けから既刊を読み直して備えていたわけですが、展開的にワクワク感よりもどうなってしまうんだろうというハラハラ感が強く恐る恐る読みはじめました。

人類と魔法士の戦争は0か100かの殲滅戦で、多くの血が流れてしまった以上、もし仮に人類魔法士ともに生き残る形で雲が除去できたとしても和解は非常に困難なように見えます。

これでもし民間人の虐殺が起きた場合、事態は絶望的になりますが、シティ崩壊による死者は最低限であり、死者の多くは軍人であることで薄皮一枚繋がっているというところでしょうか。終盤のマサチューセッツ戦は本当に危ないところでしたが、祐一の活躍で踏み止まることができました。

その代償として祐一が退場してしまったことは悲しかったです。前巻でフリーズアウトらしい発作が出た時点で覚悟はしていたのですが、第一巻から好きなキャラクターの死は堪えるものがあります(見開きの挿絵が素敵でした)。

「何かのためでも無い。自分のためだ。」祐一は言いますが、彼の戦いは間違いなく「世界で一番きれいなもののために」戦ったものだと思いました。

その祐一が最後に止めたのがディーの戦いでした。シティの為政者たちが「愚かな」選択をしたのと同様にディーの選択もまた愚かなものに思います。

シティに追われるセラの居場所を作るために賢人会議に参加したはずなのに、いつのまにかディーは多くのものを背負ってしまいました。森羅を失ったことがもう一度考えるきっかけになれば良いのですが。

そして気になるのはサクラとフィアです。フィアはサクラの真の計画に触れたようですが、その中身はいったいどういうものなのでしょうか。

5月発売の下巻で明かされるのかわかりませんが待ちたいと思います。

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