【読書記録】夜の声
2021年286冊目。
あのクトゥルー神話のH.P.ラブクラフトに影響を与えたホジスンの短編集が復刊です。ホジスンの作品はナイトランド叢書でも『グレン・キャリグ号のボート』『異次元を覗く家』、『幽霊海賊』刊行されたのでかなり手に入りやすくなりましたね。特に『グレン・キャリグ号のボート』と『幽霊海賊』は『夜の声』と同じく海洋ホラーなので本書を気に入った方に特におすすめです。
こうなってくると幽霊狩人カーナッキシリーズの復刊も期待したいです。
本作で好きだったのは表題作「夜の声」と「熱帯の恐怖」です。
「夜の声」はキノコだらけの島に漂着した夫妻の悲劇を描いた作品。キノコを食べてしまった二人がみまわれた恐怖にはホワイト「ルクンドオ」に通じるものを感じますね。霧の向こうから語る話者の姿が垣間見えるラストが印象深い作品でした。
「熱帯の恐怖」は怪物に襲われた船での恐怖を描いた作品。軟体動物を思わせる怪物の描写はまさにクトゥルー的で、ホジスンがラブクラフトに与えた影響の大きさを感じさせました。
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