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【読書記録】何故エリーズは語らなかったのか?

2024年77冊目。

WWシリーズの新刊。今年の森博嗣さんの新刊の小説はこれだけなのが悲しい。

人が死ななくなった世界で、さらにヴァーチャルに移行することで死という概念がなくなった中で、死が逆に救済になるというお話し。それもエリーズの情報は完全には消去できなかったわけで、その実現の難しさがわかります。

エピローグのクラリスとグアトの会話が重要で、この会話のためにそれまでの本文があったと言っていいくらいです。WWシリーズはどんどん哲学的になってきているのでこういう総括がないとわかりにくいですね。

四季の共通思考を理解するためのシリーズとなっていますが今回の説明は特に面白かったです。

というか、理屈がないから恐ろしい。理屈から外れているから怖いんだね。でも、理屈の及ばないものが存在して、それが私たちを統べる存在なんだ。それがなかったら、人間はばらばらになって、力を合わせることもないし、お互いに話し合うこともない。

これが共通思考だとすると、理屈はともかく共通思考がある未来が今までよりもイメージしやすくなった気がします。

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