【読書記録】伝わる英語表現法
2021年217冊目。
英語学習の番外編。読書猿砲が炸裂して売れに売れているようですね。私は運良く5刷を入手できましたが、今は10刷までいってるのかな? SNS でバズった本の部数を読むのは大変だと思います。
よくあるような日本人の英語の間違いを指摘する本ではなく、訳読中心の今の英語教育から脱して、相手に伝わる実用的な英語を身につけようという本です。
著者は、まず訳読を、英文を単語と熟語に分解し、単語帳に訳を書いて覚えるという言葉のパッチワークとして次のように批判します。
私はこの「単語に解体して日本語にする」ということに諸悪の根源があり、ここから全てのミスマッチが始まると考えます。これでは、まるで英語の生体解剖ではありませんか。この時点で、生きていた英語は文字どおり解体され死んでしまいます。
その上で、日本語の単語を英単語に1対1で対応させようとするのが間違いだとし、できるだけ平易な言葉を使用した英文で具体的に説明をすべきだと主張します。例えば「国際情勢」を英語で表現する場合に、international situation というのではなく、‘what’s going on in the world’ と言った方がより具体的で意味が伝わりやすいとします。
この「伝わる英語表現」は、なにも初めて見るものではなく、今の英語学習でも長文問題で触れているものです。ただ、英文を単語と熟語に分解して日本語に訳してしまうがために、いざ使おうとした際に対応する英単語を探そうとしてしまうのだと思いました。私も今勉強している教材の長文を見返してみましたが、確かに難しい単語ではなく平易な言葉で言い表されていました。教材のレベルに合わせて難しい単語を避けているのかと思っていましたが、そういうわけではないんですね。
著者は終章において、「文法をマスターしても使えない。文法にないことがたくさんある」と述べています。確かに文法上では、international situation としても、‘what’s going on in the world’ としても正解なので、どちらであるべきというようなことはわからないと思います。
私の英語の目的は本を読むことなので、リーディングを重視しています。なので文法は重要です。著者も文法の学習が不要とは言っていないと思います。英字新聞を勧めていますし、要は生きている英語に触れ、自分でもそういう発想で文章を組み立てなさいと言っているのでしょう。
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