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【TCP2022】最終審査まで進んだ10名のクリエイターの声:前編

TCP(TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM)の2022年度の各部門あわせて計10名のファイナリストのみなさんへ最終審査前にインタビュー。今回はその《前編》です。自身の企画の「映画化」まであと一歩というところまで進んだ方々の、生の声をお届けします。
※以下、部門別、五十音順、敬称略

企画部門

佐藤寿洋
企画名『悪霊ランナウェイズApp』(過去企画名:本物)
職業:会社員

以前も二次審査まで来られたことがあったんですが、その時は面接で企画の魅力を伝えきれず落ちてしまったと自覚していて、まずは今回そのリベンジができて良かったです。
基本は1人作業なので、二次審査での第三者的かつプロ目線からのアドバイスは非常に参考になりました。最終審査では、何かすごいことをしようというつもりはないですが、ウェブトゥーン発信の映画が最近は増えていると感じるので、そういったWeb漫画に絡めることで、審査員の方々が映像をイメージしやすいプレゼンを考えています。
今までにないエッジの効いたTCPらしい企画になっていると思うので、その魅力を最大限伝えられるように頑張りたいです。

鈴木亜希乃
企画名『PUNCH-DRUNK WOMAN -パンチドランク・ウーマン-』
職業:制作会社勤務 会社員

「自分の企画の映画化」が本当に実現するかもしれないと感じることで、最終審査へのモチベーションと緊張感は、これまでと全く別物です。そしてそのお陰もあって、物語をどこまでリアリティのあるものにするか、国内で撮影できるかどうかなどの現実的な部分についても、二次審査後に深く考え直すことができました。
講評を受けて変えた部分もあるものの、元々表現したかったことは失わずにプレゼンしたいです。プレゼンで求められていることはいかにこの企画が面白いか、ということだと思います。オリジナル企画の映画化という、昔からの夢の実現に向けて、最後まで悔いのないように頑張りたいです。

監督部門

川上信也
企画名『僕らは耳で焙煎をする』
職業:映像監督・脚本家

二次審査では映像を使うなど伝え方も工夫して、自分の考えをちゃんと示せた結果、次に進むことができたのかなと思います。脚本についてのご意見を色々といただきまして、より深い情報収集や、キャラクターの肉付けをするために今回新たに追加取材にも行きました。
最終審査では、自分の意図を正確に、かつ視覚的にもロジック的にも伝えるために動画も用意しています。今回の企画は事実に基づく物語で、モデルになっている実際の当事者にも、取材などでたくさんご協力いただいています。そういった方々のためにも、最後まで真摯に取り組みたいです。

竹中貞人
企画名『16小節の旅の始まり』(過去企画名:叫べ幼きウサギども)
職業:YouTuberの企画・構成作家

「若者の衝動」というテーマに取り組みたくて、今回の企画を考えました。現代の若者は”飲み込む癖”が付いてしまっていると思うんです。そういった癖を持つ、本当は争いを好まない主人公が、自分の主張を言葉にするのに殻をぶち破っていく。何を乗り越えて、どういう感情の起伏があって、物語がどう進んでいくのかという表現は、突き詰めて考えられたと思います。
こうすれば数字(売上)が上がるんじゃないか…とか色々と考えたりはするものの、やっぱりシンプルにこの映画が如何に面白いかという焦点からブラさずに、最終審査のプレゼンに臨みたいと思います。

脚本部門

市川悠輔
企画名『風よふけ、僕らの熱い涙を』
職業:映像クリエイター・ライター

一次審査を通過したことにすら驚いていたので、最終まで残ることができて光栄に思いますし、率直にかなり驚いています。
この脚本の主人公は女性なのですが、そのキャラクターは当初、女性から見て共感しにくいのではないかという設定でした。なので、男性の私がどのように描けば多くの方に共感してもらえるだろうかという改善は、二次審査でのフィードバックをとてもポジティブに参考にしています。
普段の仕事では、そもそもプレゼンをする機会がほぼないので、そういう点も含めて緊張していますが、資料などもできる限るブラッシュアップして少しでも自分の情熱を伝えたいと思っております。

おわりに

二次審査では、審査員である現役の映画プロデューサーの方も「どのようにすればもっと面白くなるか」を真剣に考え、多くの意見やアドバイスを提供してくれるので「審査」兼「企画会議」の様な雰囲気が会場にはあります。

 それを受けて、二次審査から最終審査までをどう過ごすか。こういった意思決定とその柔軟性は、実際の製作段階で共に創作に取り組むパートナーに求められる部分でもあります。ファイナリスト他5名のインタビューは≪後編≫に続きます!

(文:芦田央(DJ GANDHI)