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フランス女性医療見学しました

1週間、休みをとってパリに来ています。

あまりに忙しいので、
「パリ行き往復航空券、ホテル5泊」をブックした
4月から約6ヶ月間、

ほとんど何も準備できていませんでした。
前日の夜中に荷造りを始めたぐらいです。


一つだけ、「女性を助ける医療機関を見学する」ことを
目標にしていたら、

奥入瀬サミットオンラインでパリから
フランス女性事情を伝えてくれた

毎日新聞の久野華代さんが
(たまたま通院でクリニックに来てくれて)

現地の通訳さんをつないでくれ、
無事に2カ所見学できることになりました。


でも、私にとって最も重要な今回のテーマは、
とりあえずヨーロッパまで来て、

今のヨーロッパの空気を吸って、
私自身の今とこれからの人生のプランニングに役立てること。

 
ホテルは、適当にサイトで予約を取ったのですが、
バカ高いホテル代を払ってゴージャスな部屋に滞在するよりも
「小さくても温かくて、センスがよくて快適なホテル」を
意識して選んでみてこれが大当たり。

カルチェラタンにほど近い
5区の三つ星ホテル、ホテルミネルヴです。


一緒に来てくれた吉川千明さんと以前
トルコのカッパドキアでダブルベッドに寝たことはありますが
(ホテルを取ってくれたトルコの友人も
そのへんまで考慮できなかったでしょう)

自分でとるのなら、同室でも絶対ベッドは二台、
そしてインテリアは可愛いパリ風。

狭いけれどバルコニー付きの
角部屋にグレードアップしてくれて
(追加料金要りません)、いいホテルでした。


毎朝、時差で早く目が覚めてしまい、
7時の朝ごはんを待ちわび(まだ暗い)、
地下の食堂のブッフェを堪能しました!


飲み物は毎朝カフェオレを2杯、
パンはバゲットやクロワッサンももちろんありますが、
ドイツ式の発酵した黒いパンが気に入って、

毎朝バターと蜂蜜をかけて食べました。

もちろん卵と、チキンやポークのソーセージ、
ハム、チーズも一緒に。


チーズがやはり美味しいです!

カマンベール、ブリー、青カビ、
シェーブル、エメンタールなど、

どれも大きく切って、お代わりするぐらい!

野菜はあまりないのですが、
プチトマト、きゅうり、りんごやバナナ、

あとはドライフルーツとナッツとフレッシュジュース。


「こういうシンプルなごはんが本当においしいね。
フランス農業の底力を感じるな~」とか言いながら。


ホテルのシャワーも勢いよくお湯が出るし、
清潔な新しいバスタブもついています。

古いホテルの温かい雰囲気と、新しい設備の清潔さ快適さが、
見事に組み合わされています。

もちろんインターネットも使えます。

私は、ホテルの部屋からオンラインで
産婦人科医会と医師会の会議に出席しました。

会議前に「私はパリから参加で~す」と
バルコニーから街の眺めを見せたりして。

和やかな会議になりました。



女性医療は、歩いて10分ほどのHotel -Dieuの中にできた
「女性支援センターMaison des femmes」と、

パリ中心部から30分ほど
郊外にある女性病院「Maternite les Bluets」を見学しました。


Maison des Femmesは、D Vや性暴力を受けた女性が、
警察や行政やN P Oから紹介されて受診するところで、

産婦人科医と精神科医、助産師、カウンセラー、秘書などが
3チームを作って全ての女性をサポートできるように運営されています。

こちらは週日の日中しかオープンしておらず、
開設されてまだ3年だそうですが、

年間250~300人の女性を受け入れているそうです。

対象は18歳以上の女性で、フランス人や居住者のみならず、
旅行者や留学生でも受け入れます。

(18歳未満の未成年女性の窓口は別の組織がやっています)

もちろん、相談、検査、治療、カウンセリング、
フォローアップもすべて無料。

費用は、パリ市とロレアルなどの企業からの寄付、
N P Oからの支援などで賄われます。

今は、フランスは、移民も多くて
多民族国家になっているので、

「女性を奴隷のように扱う」人たちもいて、
大きな問題になっていると言っていました。


次に、Maternite les Bluets。
100年ぐらい前からある私立のお産の病院ですが、

10年ぐらい前から女性の健康支援に特化してきました。

4つの役割を持っており、
①出産 ②女性の健康 ③研修や教育(性教育も含む) ④不妊
だそうです。


① 出産は、年間3100件の分娩を取り扱っています。
主に42歳までの正常分娩を扱い、
無痛分娩ももちろんやりますが
(フランスでは無痛が主流)、

自然出産、水中出産、四つん這いやボール使用など、
様々な分娩形態を選べるようになっています。

麻酔科医、小児科医も常駐しており、
小児や母体のリスクが高くなって搬送が必要な場合には、

となりのトルソー病院(公立の総合病院)、
パリ市内のいくつかの小児病院に運ばれます。


② 女性の健康は、避妊、中絶、女性の選択と
自己決定、L G B T、性教育など。

中絶は吸引による外科手術(局所麻酔)と
内服による中絶を1日5件、月100件。

いずれにせよ、婦人科と精神科両方に予約を取ってもらい、
メンタルケアに力を入れているそうです。

フランスは婦人科だけではなく助産師や一般医もピル処方をするので、

多くの女性がピルを飲んでいるが、
望まない妊娠出産や、中絶をした場合にも、
心と体をケアすることが大事。

心理カウンセリングや癒し
(アロマセラビーやマッサージ)が、
リラックスするためのインテリアや音楽、
安全と安心な環境として
病院内にあることが大切と強調されていました。

③ 近隣の学校からいつも15~16歳の子たちが、
15名ぐらいずつ病院見学と包括的性教育を受けに来ているそうです。

年に2回、性教育を受けることがフランスの教育カリキュラムに入っており、
レブリエでは同じスタッフが対応し、
病院の連絡先も教え、個人的相談にも
乗れるようにしていると言っていました。

また医学生、一般医、助産師、精神科や心理士も、
女性の健康、避妊、女性の自己決定権、包括的性教育などについて
医学教育の中で学んでいると言っていました。

④ 不妊治療は、42歳までの女性は、
誰でも無料で受けられるそうです。もちろん先端的不妊医療もです。

独身者でも、未婚でも、同性婚でも、子どもをすでに持っていても、
社会保障で受けられるそうです。

また、38歳までは無条件で卵子凍結も受けられるということで、
お金や立場で差別されずに女性が自己選択で、

避妊も、妊娠も、望んだようにサポートが受けられるようになっていて、
フランスが女性医療に取り組む熱意を感じました。



とはいえ、フランスもようやくこの10年で変わってきたそうです。

やはり、一般女性も、当時者も、
医療者も(産婦人科医の80%が女性)一緒に声をあげ、

政府がそれに応えて法律や制度を変えていっているそうで、
「顧問を置き、相談しながら現状をまとめて
政府に持っていく活動が必要、企業にも協力してもらうことが大事」
とアドバイスを受けました。


私も、女性の生きる権利と健康、日本の未来のために、
まだまだできることはありそうです。

私をここまで送り出してくれた、
クリニックのスタッフと家族にほんとうに感謝です。


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