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「芋食健美」 ~ 便秘解消だけじゃない、食物繊維 ~

こんにちは。
干し芋の鶴田商店です。

今回は、干し芋に豊富に含まれている食物繊維について、ご紹介します。便秘に良い!というイメージがほとんどでしたが、初めて知ることも多くありました。

1,食物繊維って何?

 食物繊維は、人の体内にある消化酵素では分解されない食物中の総体と定義されています。要するに、食物繊維は消化・吸収されずに、小腸を通過し大腸まで達する食品成分なのです。
 人にとって必要不可欠な栄養素「炭水化物・タンパク質・脂質・ビタミン・無機質」の5大栄養素がありますが、食物繊維は整腸作用など体内で有用な働きをするため「第6の栄養素」とも言われ、注目されていますね。

2,食物繊維の種類

 食物繊維は、水に溶ける水溶性食物繊維と、溶けない不溶性食物繊維に大きく分けられています。

<不溶性食物繊維>
 
穀類、野菜、豆類、キノコ類、果実、海藻、甲殻類などに多く含まれ、糸状のものや多孔質のものがあり、ザラザラしたような食感が特長と言われています。保水性が高く、胃腸で水分を吸収膨張し、腸を刺激するため便通を促進します。また、しっかりと噛むため、食べすぎを防ぎ、顎の発育や歯並び矯正にも効果があると言われています。そして、大腸内で発酵分解されると、ビフィズス菌などが増え腸内環境がよくなり、整腸作用があります。

<水溶性食物繊維>
 
昆布、わかめ、こんにゃく、果物、里いも、大麦などに多く含まれ、ネバネバしたものと、サラサラしたものがあります。粘着性があるため、胃腸内をゆっくり通過するため、腹持ちが良く、食べ過ぎを抑制できます。また、糖質の吸収を緩やかにし、食後の血糖値の急激な上昇を抑制します。吸着性もあるため、胆汁酸やコレステロールを吸着し、体外へ排泄してくれます。す。そして、不溶性と同様に、大腸内で発酵分解されると、ビフィズス菌などが増え腸内環境がよくなり、整腸作用がありますが、水溶性の方が効能が高いです。

3,食物繊維の効能

 食物繊維には様々な効能がありますが、良く知られているのが整腸作用です。

・整腸作用
 
腸内環境を整えるには、腸内細菌「腸内フローラ」のバランスを正常に保つことが大切です。腸内細菌は、「善玉菌・悪玉菌・日和見菌」の3種類に分けら、善玉菌2割、悪玉菌1割、日和見菌7割が良いバランスとされています。善玉菌を増やすには、発酵食品を摂取すると良いと言われていますが、善玉菌のエサになる食材も一緒に摂取することで、効率的に善玉菌を増やせると言われています。そのエサになるのが、水溶性食物繊維です。

・便秘解消予防
 
不溶性食物繊維は、水分を吸収して便を柔らかくしたり、便の容積を増やす働きがあるため、排便を促進し、便通を良くすることができます。

・血糖値の上昇抑制
 
食物繊維によって、血糖値の上昇を抑制する作用があります。食事をすると、胃腸を通過しますが、糖質が含まれている場合、糖質は吸収が速いため血糖値が急上昇してしまうことがあります。そこで、食物繊維も一緒に摂取することで、食物繊維に含まれる粘りによって吸収を緩やかにしてくれ、血糖値の上昇を抑制する働きがあります。

・肥満予防
 血糖値の上昇を抑制する作用があることから肥満予防に効果が期待できます。食物繊維は満腹感が高く、腹持ちが良いため、食べ過ぎを抑制できるため、ダイエットにも良いとされています。

・心筋梗塞のリスク低下
 
心筋梗塞などの心臓病の予防には、塩分摂取を控えたり、トランス脂肪酸や飽和脂肪酸などの動物性脂肪を控えると良いとされていますが、食物繊維も心筋梗塞の予防に効果があることで注目されています。食物繊維には、心筋梗塞の原因ともいえる血管の炎症を抑える働きがあり、心筋梗塞のリスクを低下させて、健康維持に役立つと言われています。

・生活習慣病の予防
 
食物繊維には血中コレステロール値を下げる働きがあり、糖尿病や高血圧症、虚血性心疾患などの生活習慣病の予防に効果があると言われています。さらに、食物繊維を十分に摂取している人は脳卒中のリスクが全く食べない人よりも22%減少することが研究により明らかになっています。

3,食物繊維の必要な摂取量は?

 食物繊維は年代・性別によって適した摂取量が変わりますが、必要な摂取量はいったいどのくらいでしょうか。日本人の食事摂取基準では、食物繊維の目標摂取量は、18~69歳では1日あたり男性20g以上、女性18g以上とされています。調査では、日本人の10~40代では、食物繊維の摂取量は、とても少ないことが分かっています。また、摂取量が一番多い60代でも目標量にわずかに達していないのです。
 食物繊維を毎日細かく気にしながら摂取量を維持することは、大変なことで嫌になってしまうこともあると思います。ただ、食物繊維には、健康に良い効能が沢山ありますので、食物繊維が豊富に含まれる食材を少しずつでも活用しながら、食生活を送ってみてはいかがでしょうか。

4,干し芋で効率的に摂取

 食物繊維の摂取におススメなのが干し芋です!干し芋には、ご飯のおよそ20倍の食物繊維が含まれていると言われています。干し芋100gあたりに含まれる食物繊維は5.9g。干し芋100gで1日の目標摂取量の3~4分をカバーできるのです。比較例として、切り干し大根の煮物やひじきの煮物を1人前食すると、約4gの食物繊維が摂取できるため、干し芋は効率的に食物繊維が摂取できる食べ物なのです。また、干し芋は水溶性と不溶性の2つの食物繊維がバランスよく含まれているため、体への効能も期待できると言われています。

 そして、何より、干し芋は調理せずにそのまま気軽に摂取できることが嬉しいですね。食事ではなく、おやつなどの間食、運動時の補食などいつでも食べることができます。腹持ちも良いので、満腹感もあります。さらに、干し芋の食べ過ぎを注意するために、水分と干し芋を一緒に摂取することで、より高い満腹感を得られます。

5,まとめ

 食物繊維は、便秘に良いというイメージが強かったですが、それ以外に多くの効能があることや、食物繊維にも種類があり、食材ごとにもその含有比率が異なったりと新たに知ることも多くありました。さらに、摂取の仕方も、食物繊維をただ多く摂取すれば良いのではなく、他の食材と組み合わせた摂取方法がより効能を高めるために、有効であることも参考になりました。栄養素ひとつとっても、これまで知らなかったことが多く大変勉強になります。食の世界は、まだまだ奥が深く大変面白いです。
 
 そして、干し芋は、気軽にバランスよく食物繊維を摂取できる食べ物ということが分かりました。干し芋ですべての1日の目標摂取量を目指すのは、難しいことですが、通常の食事にデザートとして追加したり、間食に少しずつ摂取するだけで、摂取量を増やして、カラダに良いことが期待あるのではないでしょうか。美味しく食べて健康に!「芋食健美」。





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