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「会いに行く画家」に、会いに行く前に

一日、また一日と、その日が近づいてくる。「その日」って?
もちろん、清世さんの展覧会だ。

夏の7月に、愛知県金山駅で、100人の人を路上で描いた、あの清世さんが。

夏真っ盛りの8月には、「絵から小説」を企画し、すさまじい感性のやり取りを文章好きのnoterたちと繰り広げた、あの清世さんが。

そのとき参加者それぞれに描いてくれたイラストはとても素敵で、しかもパッと見た瞬間に、「ああ、清世さんの絵だな」とわかるもので。
今でも清世さん作のアイコンの方を見かけると、勝手に親近感を抱いてしまう。

そんな清世さんが。

関東に、いらっしゃる!!!

「会いに行く画家」に、会いに行ける!

キャ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 
いかんいかん。テンションが上がりきってしまう前に、急いでイベントの概要を書いておきたいと思う。

【日時】

2022年1月29日(土)、30日(日)
各12:00~20:00

【場所】

JOINT HARAJUKU 2F
東京都渋谷区神宮前4丁目29-9

会場は泣く子も黙るイケてるタウン、原宿だ。
たぶんこんな機会がなかったら、足を踏み入れることはなかったであろう町である。

入場券を買ってマガジンを読んで、最初は川越も候補に挙がっていたことや、展覧会への熱い思いに心打たれて、日々当日へのワクワク感を高めていた。

マガジンはエッセイあり、制作レポあり、座談会ありと、日々ものすごい頻度と熱量で更新されている。

せっかく関東に住んでいるのだから、こちらでお手伝いできることがあったら、何かしたいなぁ。

そう思っていた矢先に、「DM配布の協力者募集!」とTwitterで見かけた。

きたー!と確信して、「やるやる!やらせてください!」と手を挙げた。

時々行く近所のカフェや図書館が、展覧会や落語会などのイベントのチラシや告知はがきを置いていたから。

神奈川の母も飲食店やってるから、そこでも置いてもらえるだろうし。

あとは職場や友だちに何人か心当たりがあるから、彼女たちに渡そうかな。
そんな、軽いノリだった。

でも……でも、ですよ。

 
展示会場は、原宿

はがきの設置予定地はここ、埼玉

あるいは、神奈川

 

……この距離感、大丈夫?

これではせっかくはがきに目を留めて「あら素敵。行こうかしら」って前のめりになってくれた人が、「わお原宿。遠いなぁ」って引いてしまうかもしれない。

関東在住だからこそ、なるべく会場近くの芸術に関心がある人が集まる場所に置いてもらえるように奮起すべきときなんじゃないの?

 会場が原宿だから、渋谷とか代官山がいいんじゃないだろうか。

にわかに湧き出したやる気をもとにSNS上をぶらついて、ギャラリーARTS RUSHに照準を合わせた。

ところがここの最寄りは……代官山である

「最近代官山に行っていて」と言ったオシャレな同級生に、山だと勘違いして「健康によさそう」と返してしまってお互いに少し気まずい思いをした、あの代官山である。

こわい!!!


やっぱり埼玉県民御用達の池袋でいい感じの画材屋さんとかアトリエとか探そうかな。

そんなふうに震えていたとき、KaoRuさんの記事を読んだ。

はるばるチェコからの、清世さんへの熱い応援である。
これを読んで、覚悟が決まった。
代官山こわい」なんて、ビビってる場合じゃないっ!!

勇気を振り絞ってド年末の12月28日に、ARTS RUSHに告知はがきを置かせてほしい旨をメールした。
ドキドキとメールを出した翌朝、快諾のお返事をいただいた。

「いつでもお持ちくださいませ」というお言葉に甘えて、「ではさっそく、本日のお昼過ぎに伺います」と返して、いそいそと身支度をする。

初めて降り立った代官山は、思っていた以上に山だった。

 駅からは坂を下ったかと思えばすぐ上り、そのあとも上り坂と下り坂がそこそこの頻度で現れる。

町中がイケていたらどうしようと実はかなり怯えていたのだけれど実際にはそんなことはなく、オシャレだが落ち着いた町並みだった。

ただ、途中でメンズ眉毛サロンと犬のトリミングサロンを見かけて、毛に対するこだわりが強い町なのだなというのはとても感じた。

どちらも黒い看板に白い文字でやたらとスタイリッシュである。

メンズ眉毛サロンラボ
Dog Of Gravity

しゃれた看板に喜びながらまっすぐ道を進んで、無事にたどり着いた。

ここが、ARTS RUSH。

「ごめんくださーい、メールさせていただいたつるですー」

引き戸を開けてそう言うと、オーナーさんがにこやかに招き入れてくれた。

荷物やコートを置かせてもらってお茶をいただきながら、お話をしたり、その時開催されていた『干支・虎』展を味わったり。

そして肝心のはがきを渡したとき、オーナーさんは「んっ?」という顔をした。

「これ、もしかしたらもういただいてるかも」

なぬ!?

入口にずらりと並ぶはがきポケットを見ると、たしかにそこには見慣れた「清世展覧会2022」のはがきが差し込まれていた。

ぬわ~~!下調べが足りなかった!!


ずっこけた私に、オーナーさんは「まあ、たくさんあった方がいいでしょう」と豪快に笑って、私が持ってきたはがきも別のポケットに差した。

そんなわけで今おそらく、ARTS RUSHには清世さんの展示会の案内はがきが潤沢にあります!

なんてこったい。

おいとまするときに、お隣のカフェを勧めてもらった。

いい匂いにつられてスコーンを買ってみたら、とてもおいしくて電車待ち中にがつがつと食べきってしまった。

お菓子担当のnolyさんの焼菓子も、楽しみだなぁ。
うっとりと想像して、思わずよだれが垂れそうになる。

そうしてはがきを配るという使命を果たした(果たした、のか?)私は、いま新たな使命に燃えている。

KaoRuさんから託された、ミカンの使者である。

こちらもどこ産のミカンにしようか、どの店で買おうかとワクワクと下見を重ねているところ。

展覧会まで、あと17日


【後日談】
なんとARTS RUSHにはがきを届けてくださったのはnolyさんでした。
彼女のとても素敵な訪問記も、併せてお楽しみください♪


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