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ちんこすこう開発者は見た!#24 チャリの無い沖縄で遭遇した悲しい事件

僕の大切な自転車が盗まれた――。

子どもが主人公のイタリア映画の切ないワンシーン。ではない。いい年した筆者が沖縄で遭遇した出来事だ。

ところで、沖縄に移住してしばらくした頃、あることに気が付いた。

自転車に乗っている人が全然いないのである。

それを裏付けるかの如く、スーパーなど大型商業施設の駐輪場もメチャクチャ小さく、そのうえガラガラ。東京では良く見られる一般道路の「自転車専用レーン」もない。

ユーザーが少ない理由については諸説ある。よく言われるのは「暑いから」だが、今や夏場も東京のほうが暑いことが多い。他にも「起伏のある地形が自転車には不向き」との声もある。しかし、筆者の中では「他に乗っている人がいないので目立ちたくない」という説が最有力だ。

という訳で、沖縄で自転車に乗っている人を見かけたら、かなりの確率でナイチャーであると勝手に思っている。

冒頭のシーンに話を戻そう。

盗まれた自転車は、筆者が沖縄のコンビニ「ホットスパー(今はファミマに吸収)」の懸賞で当たった「折り畳み式自転車」だった。当時の販促キャンペーンではやたらこの賞品が使われていたように思う。

普段自宅にいることが少ないため、応募者の住所を会社のものにしていたところ、ある日、オフィスに景品の自転車が届いたのである。前述の通り、沖縄では自転車自体が少々珍しいこともあり、社内でもそれは大人気。
比較的広いオフィス内を、筆者が自慢げに走行するというデモンストレーションに、上司や同僚も大喜びだったのを覚えている。

さて、届いたその日は、クルマで自転車を自宅のアパートに持ちかえった訳だが、新品の状態だったためカギがついていなかった。「明日、メイクマン(ホームセンター)に買いに行こう」と、アパートの玄関先に置いておいたのが運のつき。

翌朝。

玄関前に置いてあった自転車が綺麗さっぱり無くなていたのである。まず思ったのが当選そのものが夢だったのかな?ということ、いやまてよでも確かに社内で乗ったよな。そして次の瞬間「当選」の二文字が「盗難」に変わったのだと理解した。

罪を憎んで人を憎まず。おそらく日本で最も低所得な沖縄。借金で車も持てず、暮らしの移動手段に困った方が、仕方なく盗んだに違いない。そもそも一晩とはいえカギをかけずに玄関前に置いた自分に非がある。そこまで自転車を愛しているのなら、自宅の玄関の内側に入れておくべきだったのだ。
とにかく、素敵なオーナーさんが大切に乗ってくれていたら嬉しいなぁ。

って、んな訳ねーだろ!

自転車を持って職場から帰った来たのが夜!なのにどこでカギを買えばいいっつーの!せっかく楽しい自転車ライフを思い描いていたのに、実際は30秒程度しか乗ってないじゃねーか!それもオフィスの中でだよ!しかも何?アパートの敷地に夜に忍び込んで盗んだだぁ?窃盗だけじゃなく、不法侵入もやってるぞこのコソ泥!どーせあれだろ、遊ぶ金欲しさにリサイクル業者に売っぱらったんだろう!そんな金、どうせパチンコで飲まれて終わりだわ!天罰でも下れ!

あ、失礼しました。とにかく、筆者がその後、沖縄で自転車に乗ることは、15年以上が経過した現在まで一度も、ない。

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