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音葉

18
創の「ことば遊び」
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1月の終わり

1月の終わり

まぶたが重くなる
手が掴むものはこぼれ落ちる
眠気とは違う 理不尽な力に抗えなくて
このまま落ちていけば 沈んでいけば
身をあずけるだけでいい
見守るように包んでくれる ほのかなぬくもり
居心地のいい記憶も 当てはめていくだけ

瞬きが終わっても 君はそこにいますか
瞬きを終えたなら 君にまた会えますか
瞬きの間に 君は消えてしまいますか

まだ言えてない言葉がある
まだ癒えてない傷がある
何気な

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冷たい快楽

冷たい快楽

揺らぐ 揺らぐ 君が招くそのうねりよ

また僕が奥まで覗く

事の成り行きを遮ることは無い ただ傍で見てるだけ

声の響きを嫌う夜の深さに只、すくんで墜ちていく

無機質な道具を利用して 君は無能さを隠す

目の中にナイフをチラつかせて 子供の答えを縛る

また誰かが発砲する 残忍で簡単な言葉を

揺らぐ 揺らぐ 数が招くそのうねりよ

また他人が奥まで覗く

紙一重の美駄

紙一重の美駄

腐食していく 継がない管と
投影する物静かな男

我がために為すことは錆びつく意思のせい
ボソボソと吐くは自己弁護

灰色の空を切った風は吹く
音を鳴らしてかき消すように 教える
ソナタ ノ イバショ ワ ココデ ワ ナイ

さあ 行ってくれ
もう 行ってくれ
此処でなければ どこでもいい
汚(お)を挿す 可動の美意識

音を起こして ここにいると 告げる
ソナタ ノ スガタ ワ ココニ ワ ナイ

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無悔い

僕の痛みをキミに話しても
キミの痛みにはならない
体を重ねても
心は1つにできない

自分だけが背負うこと
代わりは他にいない

体に刺さった無数の破片は
深くめり込む
僕が泣き喚いても
ただ自由に動いていく
涙は枯れ 血が乾くまで

目が映してきたものを
信じたから今がある
それはキミも同じだろう
自分で決めてきた

背負ったモノが重くなる
代わりは他にいない

痛みは眠りを邪魔していく
好んで

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蜘蛛の糸

微かに聞こえる 聞こえる声を頼りに
僅かな隙間をくぐる

寒さで震える様子を 楽しむようにキミは座り込んで
何もそばに引き寄せない 動じることなく
望んでいる 区別されない存在を 白いまま

息をして 邪魔をつくる
1つずつ 周りの石を 積み上げる

微かに響く 響く音を頼りに
身体を 無意識へ横たえて

見えるものすべてに 意味や理由を求めすぎて
自分を追い詰めた 色さえも分からなくなるまで

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悟り拾うモノ

悟り拾うモノ

目を刺して光はまたハネる
沸々と煮えていく身体を支え
機械を回す人の手

ここで使う
錆つききしむ骨の継ぎ目

揺らぐ老いへの認識を 抗う思考に任せ行く
ここから見えなくなっても
ここから聞こえなくなっても

探して触れて分かればいい
陽はまたキミを照らすから

ここで掴む
要らないと放り棄てた共

手の鳴る方へ

ひとときの病に 苛まれて
葛藤を呼び覚まして 僕は悶える

誘いの手は 目の前にあって
掴めば 楽になれる 今だけ

深い闇の中で 気持ちは増して 膨らむ
幾重にも巻かれた鎖は 錆びついて
欲望に取り込まれた身体が告げた
時は来た

カタチなどどうでもいい ただもう一度だけ満たしてくれ
知りたくなかった
見たくなかった

ただ思考が麻痺して 同じことを繰り返す

阻止する叫びのボリュームを少しずつ

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潤い枯れる

潤い枯れる

言葉の塊
思考が固まり

綴る言葉が同じもの
括る思考の限るもの

晒してみせよう この腹を
どんな顔でも構わない
きっと目をそらす前に鼻を塞ぐ
欲しいものなんて そんなもの

思考の意外
言葉を疎外

綴る言葉が同じもの
括る思考が限るもの

委ねてあげる この殻を
求められてるその中で
きっと何度か試せばすぐ飽きる
刺激の欲など そんなもの

周回する弧

周回する弧

ただ周る ぐるぐると

頭のネジを外してみたら
鼓膜に注がれる アメにムチで
帳尻を合わせ

ただ周る ぐるぐる

消して 決してならない
もっと深く もっと深く
消して 決してならない
もっと中の もっと中の
生き物の中へ

虹彩に反射した微生物
プリズムになりすましてる

弾いてみた 散らかしてみた
煩い色の数 

それは放置とともに薄くなる
ずっと同じを望んでも
それは認識とともに固くなる

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一点と無数の子

一点と無数の子

塞がる穴をこじ開けて
拡がる穴を放置する
2つに触れるには力が無い
小さな点と点

キミが逆さまに映ってる 普段は見れないものが湧いてくる
何も知らないはずなのに 色々と記録されていく

キレイで汚い模様を 派手だけど地味な個性を
フィルターで 今夜も誤魔化していく

乱 凛 倫 跳ねるように
還 混 魂 鎮めるように
乱 凛 倫 鈴は鳴る
還 混 魂 鐘を鳴らす

夜を明かしてく

群がり生まれる波紋の一瞬

群がり生まれる波紋の一瞬

全身を刺す 陽射しに焼かれ
飲み込む唾さえ ただの気休め
夜になればと祈ったものの
鎮火を待ってただ昇る煙

線を引かれたようだ
行く宛もなく彷徨う気体
力尽きた残骸

嗅ぎ付け集まる灰汁の虫
匙投げて憂う無垢な四肢
喰い散らかした希望の胞子
知らん顔した無能な葦

群れて塊 去れば波紋

脈に連動する身体の変遷

蒸した中でも音はテンポを濁さず

リズムが生まれて

それを主として身体が揺れる

無邪気に踊る 骨肉 手招かれて 瞼は落ちる

なにへの反応も 感じるままに

流れ流れて流されて

流し流れて

混濁の水 粘膜を侵して 慎みを求むまま

赤色が乾いて 赤色が固まって

これをもって完とする

留める我と痛みの終焉

裏表

冷め冷めと言葉を交わす
怒号を用いれば 棘にならない
素直な故に 損を招く
君からの視点
彼からの視点
それからの視点

揺らぎを作れば 波は続く
落としてみれば 粒を生む
沈む異物は 時間をかけて同化する

膜が針で破れたら
息苦しさも楽になる
抑えなくていい
飲み込まなくていい
偽らなくていい

君を罵って
彼を嘲笑って
それを消して

ただ 愉快に
ただ 悦に浸って
押し殺してた声を鳴らせ

積み上がる

無機質な文字を並べて
返事求める
端末を耳に当て
声を求める
形を目の当たりに
姿を求める
温度を感じながら
繋がりたくなる

嗚呼 更に沈む 任せたまま
嗚呼 終わりがない 果てぬ欲