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「就活」前に乗っておいたほうがいい50機のヘリ。

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「就活」前に乗っておいたほうがいい50機のヘリコプター。 「就活」を上空から眺めてみること。 スタートラインに立つ前に、全体像を見てみること。 そのためのヘリコプター的な本を5…
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2019年6月の記事一覧

27機目「東大教養学部『考える力』の教室」

東大教養学部「考える力」の教室(宮澤正憲 ソフトバンククリエイティブ) 「挑戦」という言葉があまり好きじゃない。だって、挑むと戦うですよ。「成長」っていうのもいまいちピンとこない。長くなるってどういうことだ。 まあ、おいといて。 好きな言葉。 好奇心 偶然 実験 そういうやつ。 そんなあなたに、この1冊。 「受験勉強は正解のある問いに1人で挑むものだが、99%の仕事は、正解のない問いにみんなで挑むスタイルで進めている。」 こんな冒頭から始まります。 そうそ

26機目「世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか」

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? ~経営における「アート」と「サイエンス」 (山口周 光文社新書) 25機目の「劣化するオッサン社会の処方箋」につづいて読んでほしいのはこの本です。 僕は約2年前この本を読んで、今の働き方は美しくないな、と思って前職を退職しました。 ~~~今日のメモ 「イノベーションが競争の鍵だ」ということを誰もが言うようになったということは、つまりすでにイノベーションは競争の鍵ではない、ということでもあります。 競争戦略というのは差

25機目「劣化するオッサン社会の処方箋」

「劣化するオッサン社会の処方箋~なぜ一流は三流に牛耳られるのか?」(山口周 光文社新書) なんでこういうタイトルなんですかね。 このタイトルにしたら、東京駅とか上野駅とか品川駅とかのターミナル駅の「BOOK EXPRESS」で「新幹線で1冊読めるな」的な名古屋か仙台出張のオッサンしか買えないじゃないか。 ↑そういうペルソナ設定だと思う。(笑) これは、むしろ20代が読むべき本です。特に就活とか転職活動とか始める前に読めるといいですね。 自分の親世代(40代後半~

24機目「100分de名著 エチカ(スピノザ)」

100分de名著 スピノザ「エチカ」(解説 國分功一郎) ついにNHKテキスト登場です! いきなり面白い。國分さんの説明、わかりやすいなあ。「エチカ」は考え方のOSが違う、と國分さんは説明します。 エチカの語源はギリシア語のエートスなのですが、ここまで遡るとおもしろいことが分かります。エートスは、慣れ親しんだ場所とか、動物の巣や住処を意味します。そこから転じて、人間が住む場所の習俗や習慣を表すようになり、さらには私たちがその場所に住むに当たってルールとすべき価値の基

23機目「仕事選びのアートとサイエンス」

「仕事選びのアートとサイエンス」(山口周 光文社新書) 上野駅のBOOK EXPRESS ってセンスいいなって思う。目に飛び込んでくる本がある。今回は3月のクルミドコーヒーでのトークの前に買ったこの本。 ~~~ここから引用 仕事選びを予定調和させることはできない。自分をオープンに保ち、いろんなことを試し、しっくりくるものに落ち着くしかない。 「計画」に価値はない。 「風が吹く、生きようと試みなければならない。」変転し続ける世の中で、私たちは世界に身を投げ出すよう

22機目「日本再興戦略」

「日本再興戦略」(落合陽一 幻冬舎) 就活前に読んでおいてほしい1冊です。 「就活の違和感」の大きな原因のひとつに、アイデンティティ・クライシス(自分らしさ危機)があると思います。 そしてそれは(地域)あるいは(会社)コミュニティの崩壊とともに深刻さを増しています。 自分とは何で、自分らしさとはどこにあるのか? そんな問いに苦しんでいます。 多くの若者が抱えていると言われる「何者かにならなければならない」という呪縛のも同じようなところに原因があるのではないかと思

21機目「シェアライフ」

「シェアライフ」(石山アンジュ クロスメディアパブリッシング) 本日の3冊目はこちら。日曜日に新潟市でトークを聞いてきたので、衝撃を受けて。 ~~~ここからトークメモ 英語を学ぶのは、グローバル人材になるためじゃなく、シェアの時代に生きるため。 個人の意思<会社・組織の意思への違和感。本当の幸せって何?問いをあたためた。 シェアリングエコノミーは、定義がない。たとえば江戸時代の長屋暮らしのこと。 東洋の思想からくるシェア。ニューエコノミーとしてのシェア。 「世

20機目「評価と贈与の経済学」

「評価と贈与の経済学」(内田樹 岡田斗司夫 徳間ポケット) 内田樹さんは言います。 ~~~ここから引用 1980年代以降のイデオロギーは、他人がおなじ家のなかにいるせいで、可動域が制約される、自由なふるまいが許されない、自己実現が妨げられている、 だから「家族は解体すべきだ」という考え方を流布しましたよね。自分の欲望を実現すること、好きな生き方をすることが人間の最優先の目標だと言われてきた。 でも、そんなイデオロギーが大声で言われるようになったのって、ほんとうにごくご

19機目「心の時代」にモノを売る方法

「心の時代にモノを売る方法」(小坂裕司 角川ONEテーマ21) 僕に、ビジネス書の楽しさを教えてくれたのは小阪裕司さんでした。 その中でも小阪裕司入門編としての1冊がこちらです。 自分たちは少数派なのか、それともアーリーアダプター(市場全体の13.5%を占めるという、アンテナの高い人たち)なのか。 そんな問い。 科学と宗教の境目がなくなっていくように、ビジネスと芸術の境もなくなりつつあるように思います。 「心の時代にモノを売る方法」は、世の中で起こっている非合理的