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27機目「東大教養学部『考える力』の教室」

東大教養学部「考える力」の教室(宮澤正憲 ソフトバンククリエイティブ)

「挑戦」という言葉があまり好きじゃない。だって、挑むと戦うですよ。「成長」っていうのもいまいちピンとこない。長くなるってどういうことだ。

まあ、おいといて。

好きな言葉。

好奇心
偶然
実験

そういうやつ。

そんなあなたに、この1冊。

「受験勉強は正解のある問いに1人で挑むものだが、99%の仕事は、正解のない問いにみんなで挑むスタイルで進めている。」

こんな冒頭から始まります。
そうそう。だからさ、自信とか不要なんですよ。本来は。

アウトプットするのはチームや場の力だから。個人の力は必要ないわけじゃないけど、個人の力だけでアウトプットする必要はない。

この本にもいろいろインスパイアされました。

~~~ここからメモ

改善するほど、自社とライバル社の商品に差異がほとんどなくなる

「解析」:事物の構成要素を細かく理論的に調べることによって、その本質を明らかにすること
「解釈」:物事や人の言動などについて、自分なりに考え理解すること
現状の人工知能が得意なのは「解析」の領域です。
一方、解析した情報を「解釈」することは、人間が得意な領域といえるでしょう

わかりやすくいえば、人工知能が得意なのは「ゴールが明確」な分野です。囲碁や将棋の世界では、人工知能とプロが対戦し、人間のプロが歯が立たないというところまできています。これは、囲碁や将棋のルールが決まっていて、「勝つ」という目的が明確なためといえます

このことから推測すると、「ゴールが明確な仕事」はいずれ人工知能に取って代わられる可能性が高いということです。逆にいえばゴールが明確でないもの、複数の目的が同居しているもの、異なる領域に横断するものといったジャンルは、必ずしも人工知能が得意な分野ではありません。

コンセプトがないと、課題に1対1に対応した解決を図ろうとしてしまうのです。しかし、競合他社も概ね同じ課題を持っており、その結果、解決アイデアも似たものになりがちです。

コンセプトが差別化できていれば、その段階で他と考えが似ていないだけでなく、そこからさらにもう一段階解決策アイデアがジャンプすることができます。そうなれば、最終的なアウトプットが同質化することは少なくなるのです。

リボン思考(参考)
http://www.hakuhodo.co.jp/archives/column/34495
3つのK。共有力、期待力、起点力。

考える、とは、そもそも何をすることか。
俯瞰する、分類する、掘り下げる、混合する
これらの組み合わせ。

~~~ここまで引用メモ

なるほど。
人工知能の得意とする分野は「解析」か。
なるほどね。

そして、インプットを一度「コンセプト」としてまとめてから、アウトプットするというのは本当に重要だなと思った。

KJ法的なアプローチで陥りがちなのは、課題に対して1対1で対応するアクションを考えてしまうこと。

それは本当に課題なのか?と、問いかけつつ、それらを横断したコンセプトをつくることが大切なのだなと。

クライマックスは、「デザイン思考」についての言及。
これが鋭かったのです。

~~~ここからさらに引用

デザイン思考は、新しいものを生み出すプロセスとして、デザイナーの思考に注目してそれを定型化したものです。

つまり「デザイナーの思考方法を、デザイナーでない人も使えるようにした思考」であり、「新しいことを生み出すために創造的に課題解決する思考」といえます。

デザイン思考がビジネスの現場で一般的になるにつれ、新たな課題も見えてきました。

1つめが「形骸化し、同質化が起こり始めている」ということ。デザイン思考のプロセスがやや定型化しすぎて受け止められている。デザイン思考という「思想」ではなく、「手法」が重要視(目的化)されてしまっている。


2つめは「デザイン思考では、課題解決の域を出ないこともある」ということ。

デザイナーは、「創造的な解決策を提示する思考を行う人」で可能性を理解し、可能性を活用する人

それに対しアーティストは、「創造的な問いを発する思考を行う人」といえます。新しい方向性を探索し、可能性を見出す人です。アーティストは必ずしも解決策を提示しません。

アーティストがなぜ現状の延長線上にないアイデアを生み出すことができるのでしょうか?

それは、解決策という目の前の制約がないからです。その分自由に枠外のことを発想し、結果、課題そのものを見直す力を持つことがあります。このアーティストの思考を形式知化したものが「アート思考」です。

・創造的な「解決策」を提示するデザイン思考
→現状に比較的近い領域にある新しいアイデアが出てくる可能性がある

・創造的な「問い」を発するアート思考
→現状の延長線とは全然違う領域で新しいアイデアが出てくる可能性がある。

ということを踏まえて、

リボン思考とは、

プロセスの固定化を起こさないために、「自由度の高い最低限のフレームを用意すること」

最初の課題設定で枠外の発想を可能にするために「創造的な問いからスタートすること」

情報のクオリティを高めるために「インプット手法の創造性を重視すること」

アイデアの同質化を起こさないために「コンセプトという集約行為を大切にすること」

1人の能力の限界を大幅に超えるために「チームでの共創を基本とすること」

の5つを重視している。

~~~ここまで引用

な、なるほど~。最後の5か条はめっちゃ共感します。「問い」が大切なのですよ。すべて「問い」から始まるのです。

問いから始まって、いろんなドアを開けていくのだなあと。

その原動力は好奇心じゃないかなあ。

「学びたい」っていうのは、そもそも、「何ができるのか知りたい」っていう好奇心なのではないかな。

好奇心、
偶然、
実験。

この3つを大切にしながら、次のステージに進みましょう。

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