映画館でAKIRAを観てベジータ王子の厨二病が刺さった

コロナの世の中、最新の映画は全て蔵に眠りについた。そんな世の中で上映する予定だった代役としてAKIRAが選ばれたのが大変な事。映画館でAKIRAを観れるとは思わなかった。親がVHSで録っていたテレビサイズのAKIRAを観るしかなかったからだ。映画館でAKIRAをあの配線グルグル、SOLのドバーン、ラッセラを拝めた事にもう2020年は満足。

22歳改めてAKIRAを観て印象が変わっていた。昔は金田さんかっけえ、機械すげえ、皺皺グロテスクチルドレン。視覚情報のオンパレード。浅く観ることしかできなかった。女の子が酷い目にあう映画だなと。

今日、改めて観て感じた。金田のカッコ良さは世界レベルだしバイクの演出残像は画期的。あの学生がタバコを吸ってバイクに乗っていたら俺は間違いなくお金を払って逃げる。ヘルメットしてない奴は絶対に保険に入ってないはず。サラリーマンの車なんてまだローン払い終わってないだろうしさ。

金田のカリスマ性はビジュアルの赤が際立たせている。それをとは対照的にAKIRA界のベジータ王子=デコ助やろうこと島 鉄雄さん。彼の痛みは辛いものだし一般人を体現させたのが彼だと思う。世の中の一般人は何もできない、何も生み出せない。だからタレント、カリスマ性を持っている人に魅かれる。鉄雄は俺たちの代弁者。俺たちは無力で弱虫。そんな弱者が急に力を持ったらどうなるか。無論、人生の方向性を間違える。宝くじで急に金持ちになった奴と一緒。力の加減が分からず他者から与えられた力を己の力と信じ歯止めを効かせず100%で世界を歩み始める。

その象徴が完全体ベジータ様になる赤いマントを羽織った時だ。厨二病が産まれました!!!マントを羽織りました!デコ助さん!髪逆立っています!!拗らせベジータ王子の完成です。

ベジータ王子...鉄雄さんの気持ちは痛いほどわかる。影から主役になれた凡人の気持ち。コバンザメの如く強いものに巻かれついて行くことしか出来なかったものがやっと自立できた。でも、その力はまやかし。こんなに辛いことがあるだろうか。誰だってあれほどの力を手にしたら皆傲慢になる。戦車の弾を破壊し、宇宙に呼吸器なしで飛び、腕を人造人間にすることができるのだから。そりゃ厨二病にもなる。自立して誰にも頼らなくていいのだから。1番の親友であり劣等感を抱いていた人物と対等以上の力を手に入れた。そりゃデコ助と呼ばれても何とも思わない。

けれども、その力やはり使いこなすことが出来ないのが凡人の性。最後は結局1番の理解者であり憧れの金田に助けを求めるところ人間は捨てたものではないと感じた。

AKIRAの漫画はつっつきしか読んでいない。もちろん話が違うことが知っている。しかし、やはりこの世界の大戦犯はキヨコだ。いくら後にテレパシーでAKIRAの存在を知られたしても声に出してAKIRAに教えてたのは自分じゃないか。「何が人が大勢死んじゃうの」だ。バカ。お前が休眠カプセルで「AKIRA君AKIRA君」と叫びベジータさんに「AKIRA?」と認識させたのは貴様だ。キヨコ!!

今を立派じゃなくても幸せに生きて明日の俺にバトンタッチ!!