【お盆納涼企画】本当にあった怖〜いExcel(マジ実話)その3
夏休み納涼企画の第3弾でございます。
なお、すべてのお話はガチの実話ですが、参考にお示ししたExcelファイルは、実物を再現したレプリカでございます。内容は、仮データで作成しております。レプリカではございますが、十分に怖さを実感できると思います。
第3話 入力できない届出書
今回は、ほんの数年前のお話でございます。
会社に対して、ある届けをしようと担当者に連絡をいたしました。すると、担当者から「届け出用紙をメールで送るから、記入してFAXか郵送で提出してください」と言われました。
記入?FAX?郵送?
いま振り返って思い出してみると、不思議な言葉が並んでいます。しかし、その時の私は「メールで返信してもいいですか?」と尋ねて了解を得ると、そのまま電話を切ってしまったのでした。
でも、電話を切ったあと、「記入、FAX、郵送」という言葉の違和感が心にひっかかって、それがドンドン大きくなっていきました。
ほどなく、担当者からメールが届いたのですが、その頃には心の中で大きく膨れ上がった違和感に押しつぶされそうになっておりました。そして、メールに添付されていたファイルを、震える手でクリックして開いたとき、心の中で巨大化した違和感が、圧倒的事実として目の前に現れたのです。
(このあと、恐ろしいExcel画面のスクショを表示します。体調の悪い方は見ないでください)
スクリーンショットだけでは、わかりにくいかもしれません。しかし、ひとつひとつの入力場所をみれば、その異様な不自然さに気がつくことでしょう。
そう、この届出書のほとんどの入力場所は、セルではなく、「画像」になっているのです。文字を記入することはできず、無理やり入力するとしたら、上にテキストボックスを乗せるしかありません。
入力箇所にそれぞれテキストボックスを乗せるのは、結構テマ・ヒマがかかります。「メールで返信します」と言った手前、根性でテキストボックスで文字入力しましたが、普通にセルに入力できるなら数分で完成する届け出用紙の作成に、ずいぶん時間をかける結果になりました。
これだと、「届いたExcelの表を紙に印字して、手書きで記入したあとFAXで送ったほうが早いかもしれないな・・・」とてつもなく大きな疲労感を感じながら、漠然と私は思ったのでした。
完
考えられる教訓
どうしてこうなったのか、詳細を知る由もありませんが、「届け出は、紙に印刷した用紙を使って手書きする」ということだけしか想定しないのであれば、必要な枠線を素早く引くための方法として入力欄を画像にするという方法も「アリ」なのかも知れません。
Excelの「行・列」の成約を受けながら作るより早く効率的に届け出用紙が作成するのだとしたら、今回の「入力できない届出書」のなにが問題なのか・・・思う人もいるかも知れません(いませんか?)。
ここで考えないといけないのは、「業務全体の効率化になっているかどうか・・・」です。
「Excelの行・列を調整して届出書を作る vs 入力枠を画像として貼り付ける」「セルに文字データとして入力する vs 印字して手書きで書き込む」というふうに、個別の業務ごとに比較検討をすると、人によっては「入力枠画像・手書き記入」の選択をする可能性はあると思います。
しかし、届け出というのは、「届け出れば終わり」というものではないのです。届出書の内容を、管理一覧表に転記したり、届け出に基づいて費用や経費の処理をしたり・・・といった業務全体を考えた効率化になっているでしょうか?たとえば、届出書が月に100件発生すると考えればどうでしょう。100枚の届出書に基づいた業務について「紙の書類を1枚1枚目で確認して、管理一覧表に手書きし、経費等の処理を人力でおこなう」か、「入力されたデータを一覧表にまとめて経費等の処理をしやすいカタチに自動で整形する」かを比較するなら、自動集計の方が圧倒的に早く正確なのはあきらかです。
でも、紙を利用した仕事の流れしか想定できない人には、この「あきらかに効率的だ」という状況が認識できないのです。呪いにかかっているといえば、言い過ぎでしょうか?その呪いのために、業務全体の効率化ができなかったら・・・・。そう考えると、背筋が凍る思いがするのでございます。
動画版入力させない届出書
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