南国のハーブ・日本のお灸
普段のハーブ
タイに暮らし始めた頃、私はマッサージを習い、タイのハーブについて興味を持ち始めました。さすがは南国、このような気候では色々な種類の野生のハーブがあり、接種の仕方もいろいろ。
一番身近なものは”食する”こと。生のハーブを料理に加えて常日頃から身体を整えるというのが、地元の方々の健康の秘訣だったりもします。特に北タイの昔ながらの料理にはハーブや効能のある野菜がたくさん使われます。
そのほかにはジュースやお茶や錠剤・カプセルにされているものもたくさんあり、巷で気軽に購入することができます。
「良薬口に苦し」
といいますが、”苦味”が美味しさだと感じられるようになった今は、それもまた嬉しいところ。美味しい&身体に良いとなると、もう「良薬口にも旨し」でしょうか。
ただ、ハーブとは”化学的な薬”と違い、日々摂取することで身体を整える、病気を予防するような感じで生活に取り入れていくもの。今回の夫のように突然身体が悲鳴を上げて動きがとれなくなってしまった時にはどうしたものか。
いろいろな症状、病状、生活、個人の意思とバランスをとりながらではありますが、できればあまり化学的な薬のお世話になりたくないというのが、生まれた時から1ヶ月おきに必ず病院に行き、薬を処方され、色々な病院を渡り歩き、症状のために学校の体育の授業に出られないことがあったりというような青春時代を送り、その後南インドのアーユルヴェーダの医師を訪ねて相談したり、北スウェーデンで自然療法やハーブを扱う方々を訪ねてはいろいろ試してきた私の想いです。決して全否定はしませんが、緊急時にだけ化学的なお薬のお世話になり、私の場合”常用”になってしまわないよう、なるべく自分の身体の力で生きてみたかったのです。
大丈夫なのか、大丈夫じゃないのかわからなかったけれど、
人生で最後の1年だけだったとしても、数ヶ月だったとしても
薬なしで生きるという経験をしてみたいと思い、
16年程前に思い切って薬を徐々に減らし、最終的には断ってみました。
偶然にも、夫は私と似たような考え方を持つ人なのでそれはラッキーだったと思います。そして私の家族も友達も誰も私に化学治療を押し付けない、私の意志と人生を尊重してくださるのが本当にありがたいです。
薬があってやっと普通の生活ができていた青春時代を経て、おかげさまでこの10年、人生初めて薬に頼らずなんとか自身の身体の力で生きることができています。 まっさら健康体の方とは比べられない、ポンコツぶりかもしれませんが、生活で気を付けなければいけないことがあったり、具合が悪くなったりもしますが、私の身体はちゃんと生活できるほど、私の仕事も成り立つほどに自分の力で動いています。
リラックスのお灸
さて、今回のある朝突然身体が動かなくなった夫の件でとても頼りになっているのが
日本のお灸
です。
数年前、チェンマイの私を訪ねてきてさった方がお土産にお灸を持ってきてくださいました。仕事で知り合い、その方のお子さんが私と似たような症状だったので、一緒に遊びに来てくださったのです。
同じような症状を持つお子さんの”母親”という立場の女性から率直なお話を聞いたり、さりげなくお灸を紹介していただいたりと、自身の母親と話すのとはまた違う、でもとても通じる所があるという感覚で、私自身気づきをたくさんいただきました。
私は当時、お灸のことはほとんど何も知らず、実は”じじくさい・ばばくさい”という印象だったのです。すみません!
それが実際に使い方を教えてくださり、お土産としてたっぷり頂いたので、思う存分体験させていただけました。
タイという南国=暑い環境で ”熱い”お灸ってどんなもんだろうと思うかもしれませんが、これがね、
気持ちいいんです。
そして、お灸をしてからすぐに何か効果があるというわけではないのですが、毎日数分、リラックスしてお灸を楽しんでいると
楽になってくるんです。
それからお灸に興味が湧き、日本に行った際にせんねん灸ショールームを訪れ、いろいろとお話をきき、試させていただき、実は他の会社のお灸も、いろいろなタイプも試してみて、お気に入りを見つけました。
煙が少なく、お香のような微かないい香りがするお灸です。
日本に行くたびに多めに買ってきては使っていたのですが、この度の流行病のためにしばらく日本に戻れていないので、日本の家族が送ってくれました。
やっぱりいい!
全然”じじくさ・ばばくさ”くもないです!
まぁ、私もだいぶ歳を重ねているからそう感じるのかもしれませんが、もっと若いうちから始めてもよかったなぁと思うほどです。
もちろん、香りに関しては人それぞれ好みがありますが、お寺の香り、お香が好きな方には特にいいかと思います。熱さは”マイルド”で程よいです。
ガツンと熱いお灸、いわゆる ーお灸をすえるー というよりも
香りとそのお灸をすえている数分をリラックスして過ごす、その時間とお灸の効果とともに楽しんでいる感じです。
以前、交通事故で全身に怪我をしてしまった夫にもおすすめして使用しました。そのため、夫もこの毎日最短”15分”リラックスするだけで日々”楽になっていく”日本のお灸が好きになりました。休むことを知らない夫にはぴったりです。24時間のうち15分でいいんですから!
それから、それぞれの身体の症状に対する”ツボ”におくのが効果的で、しぜんとツボのこと、お灸のことを知りたくなり、ツボの本やお灸の本も読みました。
興味を持ち始め、知りたくて読む本って本当にズンズン読み進め、読み広げられて面白いですよね。
『らくらくお灸入門』は、読みやすく、知識を学ぶこともそうですが、読み物として面白かったです。こちらの本と、ツボの場所はせんねん灸で購入した『つぼBOOK』を合わせていつも参考にしています。
次に日本に行った時には、再びせんねん灸ショールームにお邪魔して、ワークショップなどにも参加したいと思っています。スタッフさんも優しくて素敵な方達ばかりで、楽しいんですよ。
何か身体に異変が現れた時、それに対して直ぐに効く特効薬ってないんじゃないかな、あったとしたらそれは怖いな、と思っています。
私たちの体も自然の一部なので、ちゃんと休ませたり、気持ちを楽しくすることと一緒にバランスをうまく取るのがその人なりの健康への一番の近道じゃないかなと思っています。
土に生えているハーブを取り入れながら調理したり、お茶やジュースとして、日々美味しく食したり、
自然のど真ん中で釣りをして、ぼーっと過ごす時間を楽しんだり、
お灸をそえてポーッと熱く、香りの良いゴロンと過ごす数分間。
うまく言えませんが、
化学治療がいい!自然療法がいい!
オーガニックじゃなきゃ!菜食が身体にも地球にも優しい!
と、どこか極端に寄ってしまうことも、今の時代結構やりたいようにできるし、選択肢もあるのですが、どれが絶対に効くとか、みんなに効くとかないような気がするんです。この人には効いたけれど、この人の場合には効果がなかった、みたいなのが常。
人生は長いようで、やりたいことをやるには短いともとれる時間の中、
一番は、
ゆっくり瞬きをして、肩の力を抜いて息をスッと吐いて、
お金をかけるかけない関係ない
他人の評価に左右されない
心から「贅沢だな〜」と思える数分が、
毎日の生活の中に入っていることが
心身に大切なんじゃないかと思う次第です。
お医者さんのいうことを
誰かのいうことを
鵜呑みにするのではなくて、
まずは自分で考えてみる。
自分の身体に対して日々の変化をたまには観察してみる。
体験する。
人と話をしてみる。
相手の話を聞き、自分の考えも話す
ということができる”相手”を大切にする。
そして最終的には自分で決断して、その結果の責任を持つ。
そんなちょっとした日々の小さな選択と行動が、
私たちの身体を(それぞれの身体に対して)正常に動かしてくれるのではないかと思います。
要は、その人が今の身体とどう生きたいかだと思うんです。どこに重きを置くか。
だから、化学的な治療/薬を摂取することで本人の思う通りの人生が歩めるならそれでいいのだと。
私は、お灸好きです。ハーブも美味しい。
伝統的なハーブを使って、気分がいいし、身体が楽になるから。
日々の小さな”好き”が好きです。
今日は、日本の家族の厚意で、久しぶりにお灸をそえることができてうれしくて書いてしまいました。ありがとう。
さ、これから緑茶のお灸を足にそえて、
お茶を飲んで、
仕事に戻ります!
もう絶版となってしまった本ですが、よかったらご参考までに覗いてみてください
<Amazonのアソシエイトとして[釣妻食堂]は適格販売により収入を得ています。>
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