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1月の釣果です。初めてのヒイカ

年が明けてからは、雪が降り積もる悪天候が続き、さすがに竿を出す気力も失せて家に閉じこもる日々が続いていました。

しかし、そんな時でも釣りをする人はいるもので、用事を済ませた帰りに釣り場の探索をしていると、地元で「ちいちいイカ」と呼ぶ小型のイカを専門に釣っている人達がいて、話しかけると、一人のおじさんからいろいろ教えてもらうことができました。

ここ下関では、釣りものが少なくなる冬の12月から2月まで、このイカが接岸してきて楽しめるとのこと。小さいけれど味もよく、刺身、煮つけ、炒め物など、様々なメニューに対応できる優れもの。スーパーでもパックに入って売られているが、やはり釣り物に勝るものはなく、「自分で釣らなくちゃ」と言われてしまった。

しばらく釣りの様子を眺めていると、これがまた、とても繊細な釣り方なのでした。穂先が極細のウルトラライトロッドに3gの超小型軽量の餌木(イカ釣り用のエビに似せた擬餌針)を結び、小さなイカが抱き付いてくる微かな感触を竿先や釣り糸で感じ取って掛ける釣り方。冬の岸壁には絶えず季節風が吹き付けていて、波立つ海面を通して竿先や糸から伝わる魚信がわからなければ釣れない釣りです。

どの世界にも名人、上手と言われる人はいるもので、そんな厳しい状況にも拘わらず、目の前で1ハイ釣って見せてくれました。

道具立ても、今まで使ってきたコウイカやアオリイカの物では転用できず、全部買い揃えるには費用もかかるので悩みましたが、名人いわく、この釣りは4月からのアオリイカ釣りに準ずるものがあり、誘い方、魚信の取り方など、アオリイカ釣りをマスターするにはうってつけの練習教材なのだという。

今年の目標は、1㎏オーバーの大型アオリイカを10パイ以上釣り上げること(去年は1.7㎏のアオリイカがまぐれで1パイ)なので、多少無理をしてでもヒイカ釣りに挑戦することに決め、先ずは、優先順位として極小の餌木だけを買い揃え、竿は手持ちの古いメバル用の磯竿を改造して、1月14日(水)の夕方、4時から5時過ぎまで、近くの埠頭へ出かけてきました。

1時間程の釣りで、写真のヒイカが2ハイ釣れました。先日の名人の所作を思い出し、その真似をしたり、YouTubeで見たヒイカ釣りの誘い方を参考にいろいろとやっているうちに、竿先にイカを感じ、半信半疑の巻き上げからちぎれたビニュール片のような物が海面に現れ、それがヒイカだと分かった時の達成感!それはもう、格別なものがありました。その後もう1パイ追加できましたが、風が冷たく、指先が凍えるのに耐えて頑張った釣果です。家に帰り速攻でお風呂に飛び込んだことは言うまでもありません。

体長12㎝~15㎝ほどですがこれで大人です。水バケツに海水を入れ、生きたまま家まで持ち帰り女房殿に見せたところ、初めて泳ぐヒイカを見て、「まあ、可愛い!飼えないかしら?」とか言ってましたが、結局、煮つけにされ、仲良く1パイずつ分け合っていただきました。醤油とみりんを合わせ、サツとひと煮立ちさせただけですが、口当たりは柔らかで、弾力もあって、何よりも旨味が濃い。冷たい冬の岸壁で寒さに耐えながら竿を振るのも、この美味しさを求めてのことと得心した次第です。旬は鮮烈で短いほど記憶に残る。

17日(日)も魚信の感触が消え去らないうちにと同じポイントに出かけ、その日も2ハイの釣果。累計でヒイカは4ハイとなっております。大物とやり取りをするスリリングな醍醐味はありませんが、ヒイカに疑似餌を抱かせる技術と知恵のやり取りもまた、釣り人の心をかき立てる釣りの醍醐味と言えそうです。




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