正反対の夫婦　BGM編

我が家はある意味、特殊だと思う

前々から密かに、同じ方向を向いている夫婦をいいなぁーと思っていた。過度に羨ましいとは思わないものの、きっと趣味趣向が同じ方なら、揉め事が少ないだろうに。楽だろうな〜いいな〜

そう思っていた。

我が家はそう
平たく言って、正反対の夫婦である

例えば、車で流すBGM

私はラジオか洋楽、ジャズ、オルティナブル、最近はYoutubeを音声で流し聴き

夫は90年代のエーベックスのベスト（小室ファミリー全盛期）とか、浜崎あゆみ、よくわからん演歌、極め付けはZONEである

ZONE、知ってる？
“君と夏の終わり、将来の夢〜”とかいうあれである。そしてもうとっくに解散もしている

私は思う。

なんでわざわざ昔のJ-popをエンドレスで聞かされなあかんのだ。なんで晴れたドライブ日和に浜崎あゆみの“暗闇の中心で愛を叫ぶ”歌を聞かにゃならんのだ。小室ファミリーなのに安室奈美恵は入っていない。なぜだ。

浜崎あゆみがどうこうではない。浜崎あゆみはすごいと思うよ、いい曲たくさんあると思うよ。
でもなぜ今？ここで？この環境で？？

大の浜崎あゆみファンで、いつも聴く人ならまだわかる。でも、そうでもないのだ

「え、じゃぁなんで？？」

夫曰く、

眠気を飛ばすために日本語がいい、洋楽は却下
静かな曲（落ち着いた曲）も同じく却下
ラジオの場合、最近の曲はわけわからんから却下

極め付けは「何でもいい」
（え、それは浜崎あゆみにも失礼であろう）
「何でもいい」と言いつつ許容範囲が超狭い

え、なにそれ。そんな眠いなら運転したらあかんやん！と言うと、そうではないと返ってくる。

眠いコンディションでなくても、疲れてなくても、眠くなる要素を入れたくないらしい

.....。

いやでも、浜崎あゆみは何とかしてください。
春に冬の歌は聞きたくないです。と言い、ZONEは静かに消した。「え？消した？なんでそんなことするん⁉︎」とキレられても、もう流石に勘弁してくれと言う。

だって、ファンでもないのよ？？
好きで聴きているわけでもないなら、この時間はなんなのさ。2人いて、そのうち一人がるんるんでテンション高く気分良く幸せな時間を過ごしているわけでもないなら、その時間は何なのよ。それに付き合い好きでもない音楽を聞かされる、この時間は何なのだ。不毛だ。

せめてラジオにしてよとラジオにすると不機嫌で変えるので、折衷案に株価の読み上げを流すという、なんともおかしな車となった。

だって、想像してごらんなさいな

信号で止まった横の車から大音量の株価を読み上げ音声が聞こえてくるって、もうヤバイ。
無表情の男と女が座っているって、もう、カオス

付き合っていた時はそうだった。

未だにいろんな人から「なんで結婚したの？」と訊かれる程、私たちは趣味・趣向が正反対なのだ。

結婚して流石に譲歩するようになった夫との最新の折衷案は宇多田ヒカル、次にウルフルズ

何せJ-pop（しかも最近のものはダメ）がいい夫と、J-popを聞かない私との円と円が重なる狭い狭い狭ーーーいスペースに入る最上級クラスが宇多田ヒカルであるのだ。世界のヒッキー

宇多田ヒカルであれば最近の曲でも、英語であっても（夫内で）ギリギリセーフ

そして家族で乗る時は宇多田ヒカルのアルバムが定番となった。

が、しかし！

夫だけで乗車した後に運転すると気付く違和感

そう、夫はライブモードに設定する。そしてそれを（設定を変えたことを）私に言わない

私からすると、急にやたら音響の響く大ホールの設定になっていて気持ち悪い。
そう、私はノーマルで聞きたい

もうっ、変な設定をしないでくれ
私はオリジナルで聞きたいのっ！変な臨場感とかいらないのっ！そもそも最もいい状態にして世に送り出しているんだから、素人が変なアレンジを加えようとするんじゃないよっ　なんだこのボワボワはっ⁉︎

ボワボワ〜とエコーの効いた、効きすぎた宇多田ヒカル。きっと本人も不本意だろうと勝手に思っている。

そしてポチポチと設定を解除するのだ

この時間も不毛やな... と思いながら、

やんわりとした闘いはつづく。