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苦手な人と仕事をする方法6箇条

オペラ演出を初めて20年、これまでありがたいことにどのプロダクションでも、やる気のある歌手と仕事をしてきた。やる気のある歌手は、演出家が「こんなふうに演技をして欲しい」などという演出プランや、稽古内容の「じゃあトロッケンでやってみて。(歌わないで動きだけ確認する稽古方法)」などと言った稽古内容の指示に対してきちんと従う。それが当たり前だと思っていた。

今年、ドイツ内のオペラのプロダクションで一緒に仕事をすることになった歌手がこれまで会ったことのないタイプだった。やる気がないのだ。とにかくトゲトゲしてる。演出家としてはやりにくくてしょうがない。
なんだか怪獣を相手にしている気分だ。何が理由なのか、原因を探ろうとしてもどうしてもわからない。本人を褒め尊敬しているそぶりをしてもダメ、プレゼントや差し入れを持ってきても全然効果なし、本人のプライベートの忙しさなどを理解した言葉をかけてあげてみてもダメ、稽古時間を減らし自由時間をあげてみてもダメ、どう扱えばいいのか、悩みに悩んだ数週間。

どうしてもわからないので、尊敬するビジネスのプロ、まーちゃんこと平野雅之さんに「苦手な人と仕事をする方法」のコツを仰いだ。するとすぐさま素晴らしいコツをいくつか教えてくださった。せっかくなので皆さんにもシェア。

  • まず深呼吸して自分の波動を調整し、自分が好きなものを稽古場に持ち込んで自分の波動を上げておくこと。

  • うまくいかない時は時空が捻れてる、と思う事。

  • 今のうまくいかない現在地ではなく、向かう先、プロジェクトの最終形は素晴らしくうまく行くと信じてそれだけを見つめてワクワクしてること。

  • 苦手な人や苦手なことは自分を成長させてくれるものなんだ、と思い、いつ成長できるのかくる未来を思い描いてワクワクしてること。

  • ゲームでいえば、この先もっと強いボスキャラがでてくる前の腕試しさ!これをクリアするぜ!と思う事。

  • 感情オフモードでいる事。

これをやったらめっちゃ上手くいっている!
稽古場に入る前に朝日を浴びれるところで3分深呼吸して、稽古場に向かう鞄の中には私の好きなピアノ曲の楽譜と趣味の社交ダンスの足形のメモを忍ばせてある。歌手がまた遅れてきたら稽古場の素晴らしいグランドピアノを弾いて遊ぼう、それでも時間があったら1人で広々とした舞台でダンスの練習でもしてよう!という魂胆だ。そう思うだけで歌手の遅刻も楽しいものになる。

「感情オフモード」はこれまでの私に搭載してなかったものなので、非常に斬新だ。これまで私は誰と話すのでも仕事をするのでも、心をパカーと開いて心と心が通じ合った状態で仕事してた。それが大切なことだと思ってた。でも、それは必要不可欠なことではなかったんだ!!!感情オフモードだと仕事、とすっぱり割り切れる。仕事も結構サクサク進む。考えてみれば、懐に入りたくないタイプの人間にとっては私はやりにくかったかもしれない。これを学ぶためにこの試練があったのかも、と思うくらいだ。

教えてくれた、平野雅之さんに大感謝。彼はビジネスを始めたい女性向けのクラスを沢山やられているので興味のある方はお勧めします!!



釣アンナ (ドイツ在住 オペラ演出家)
各月で行っているオンラインのオペラ勉強会の情報はこちら
https://www.annaetsukotsuri.com/the-opera-time-club-jp

毎週行っている歌手のための演技クラス
https://www.annaetsukotsuri.com/actingclass-singer-jp

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