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年齢を重ねるということはそれだけ経験をしているという事です。誇れることだとわたしは思います。【#16】

病院には様々な人が訪れます。脳神経外科外来にも様々な方が通院してきます。通院される方の多くは60歳を超えています。人生の先輩です。苦労、忍耐、老化など、わたしよりはるかに経験値は高いです。
脳神経外科外来では、ろうじん に会うことができます。


慢性硬膜下血腫という疾病があります。外傷によって頭蓋骨と脳の間に血がたまり脳を圧迫します。ふらついて転んだり、麻痺が出たりします。

頭蓋骨に小さな穴を開けて血を吸いだす手術を行います。手術を行った後はそのまま退院/終診となることもありますが、外来に通っていただいて画像フォローを行うことも多いです。

70歳になる直前に慢性硬膜下血腫の手術を行ったカサイさん。術後1週間で予定通り退院となりました。念のため1か月後外来にきていただきました。

1か月後のCTで血腫は完全に消失、晴れて終診です。最後の診察室での会話です。

わたし「画像で血腫はありません。症状もないし、もうフォローはいりませんよ」

カサイさん「そうか、それはよかった。」

わたし「これで通院は最後です。なにか質問とか思ってることとかありますか?」

カサイさん「別にない・・・・・が、1日1日老人に近づいているわ。これはこれで経験ということになるんだろうな。」


70歳と言えば古希、敬老の日に祝われるイメージです。少しずつ老人に近づいていく、これを経験ととらえる。すごく素敵に思いました。


そんな外来があった日の娘の漢字テストです。

労人は無事であった


わたしたちはみな労人です。それぞれの人生で様々な選択をし、忍耐と責任をもってその選択に挑んでいます。

労人は無事です!!自分をほめましょう。
こんないばらの道をよくここまで来れました。後ろを振り返ってみてください。
素晴らしいです!

そうやって自分を甘やかす日があっていいと思います。

そしていつしか労人は老人になるのです


娘よ、なんで3問も間違えてるんだよ

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