母との新たな関係
母がホームに入居して1ヶ月以上経ち、家にかけてくる電話の回数も少し減ってきた。
母もホームの生活にそろそろ慣れてきたのだろう。
アクティビティの時間には、ちょっとした工作や折り紙、軽い運動や書道など、色々させてもらっているようだ。
家にいて、することもなくぼ~っとしていた時より生活に張りがありそうだ。
ホームを訪ねてみると、ちゃんと母はお化粧もしている。
他の入居されている皆さんに囲まれてティールームでお喋りしている母に出くわした時もある。
皆さん、とても楽しそうだった。
足取りも、ホームでは障害物が少ないせいかしっかりしてきたような気がする。
食事も美味しいと言って毎食、完食しているそうだし、まずまずの生活ではないだろうか。
勿論、私たち家族と離れてしまって時々不安だったり、寂しかったりはするだろう。
寂しいから家に帰りたいと言われると私も辛い気持ちにはなる。
でも、母に良かれと思って決めたこと。
私もなるべく母に会いに行くようにしながら、母と少し距離を置いた生活を久しぶりに味わっている。
ゆっくり買い物をしたり、コンサートに出かけてみたり…今は自分を取り戻す時間なのだと感じている。
幾ばくかの罪悪感のようなものは、どうしても付きまとうが、もう少し時間が経てば、母の気持ちにも多少の変化が期待できるかもしれない。
今月はホームでクリスマス会があり、家族も出席して良いそうなので、私も参加してみようと今から楽しみにしている。
来年、梅や桜が咲いたら、母をお花見にも連れ出そう。
そんなことを考えながら、私たち家族と母との間に新しい関係を築いていきたいと思えるようになった。
こんな風に考えられるようになったのも、母を介護して下さるホームの職員の方々や看護士さんたちのお蔭である。
お世話して下さる皆さんには感謝の気持ちしかない。
ただ一人で頑張っていた時はどうして自分ばかりという気持ちにとらわれて、良くない感情に支配されていたけれど、今は違う。
母との色々な思い出にも、少し明るい色がついてきた気がする。
母親と距離を置くことは、時には必要なんだと感じる今日この頃である。
今日は、息子が買ってくれたホームプラネタリウムを使って家の天井に星空を作った。
思った以上に美しい星空に時々すっと流れ星が流れる。
母にもこんな綺麗な星空を見せてあげたいねと家族と話している。
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