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1月7日 北運動公園の小さな生き物(3)

 今回は、今年最初の北運動公園散策で撮影した小さな生き物たちの姿を紹介したいと思います。この公園の正式名称は、【下関北運動公園】といって、オーヴィジョンスタジアム下関(下関球場)、オーヴィジョンスタジアム下関第二球場(下関第二球場)、人工芝テニスコート4面、多目的広場があり、山口県立下関武道館が併設されている、下関市民の憩いの場です。ほとんどの撮影は、【多目的広場】の西側に広がる小さな林と池及び周辺の農地で行っています。撮影を始めた昨年秋頃は、あまり多くを期待していなかったのですが、思ったより多くの生き物に出会あう事ができてとても幸運でした。今後も折にふれてこの小さな林や池の周りで、小さな生き物たちの姿を追って行きたいと思っています。


1.ジョウビタキ(♀)

 本ブログでは初めての登場です。チベット、中国東北部、沿海州、バイカル湖付近の寒い所で春から夏にかけて繁殖を行い、冬は日本、中国南部の暖かい所で越冬するのがほとんどですが、近年、春になっても日本に留まり繁殖活動をする個体が観察されるようになっているようです。気候温暖化とは真逆の方向性で、生息地の拡大がみられるということですね。不思議です。繁殖地として、その時期に十分な食料があることが大前提となることを考慮すると、この日本での条件が満たされるようになったということなんですね。本来の繁殖地で得られる食料とは異なる物を食料とすることができるようになったのかもしれませんね。越冬地の件ではありませんが、深い森林を生息地としていたオオタカが、都市部に生息域を拡大して繁殖しているというニュースを聞いたことがあります。都市部に生息する小鳥や小動物がオオタカの食料となり、広大な森林で得られる量と同等の食料が得られるということになったのが大きな要因です。生息環境の変化が比較的ゆっくりであれば、野生動物もそれに対応して生息してゆくことができるんですね。話が脱線してしましたが、ジョウビタキの繁殖活動が日本で見られるようになった原因は、今のところ解明されていないようです。

 また、この鳥の名前の由来は、【「ジョウ」:銀髪+「ヒタキ」:鳴き声のカッ、カッが、火打ち石を叩く(火焚き)音に似ているから】ということです。今回撮影したのはメスの個体ですが、オスは頭部が銀白色なんですね。オスがメスと同じ色をしていたらどんな名前になっていたのでしょうか?「クリイロヒタキ」かな?そのオスとの出会いは、次の機会の楽しみにしておきましょう。 

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2.スズメ

 こちらも本ブログには初登場です。稲穂が実る頃には、スズメの大群を見ることができますが、林の中では茂みの中に隠れてしまってなかなか姿を見かけることはありませんでした。今回は、茂みの近くで彼らが表に出てくれるところを待ち構えることで、撮影することができました。

 彼らの仲間の生息域はとても広く、北緯60度以南のユーラシア大陸の西端のポルトガルから東端の日本、及びインドネシアに分布しているそうです。日本では昔話にも出てくるとても馴染みの深い小鳥です。雌雄同色で、外見からの区別は難しいようです。腹部の羽毛がモフモフしてとても暖かそうな感じの写真が撮れました。

 名前の由来のページをリンクしておきます。なかなか面白いです。

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3.メジロ

 今回はコンディションの良い状態で撮影することができました。美しい黄緑色の羽毛と名前の由来でもある目の周りの白い輪郭線(アイリング)が特徴的な小鳥です。【12月10日 北運動公園の小さな生き物(2)】で雌雄の見分け方を調べたので、さっそく見てみましょう。ん~、良く分からないなぁ~。お腹の中央に黄色の線が無いようにみえるので、メスの個体だと思いまます・・・。メジロの目をしっかり捉えることができましたが、なかなか強力な眼力を感じますね。ジョウビタキやスズメに比べると、ハンターの様な鋭い目です。嘴が長く鋭く尖っていることと白のアイリングが、更に目に対する印象を強くさせているように思えます。でも何故この小鳥は目の周りを白くしたんでしょうかね?こんな目立つようにしたら、敵からも見つかり易くならないのでしょうかね?それとも、この方がメスにもてたんでしょうか?世界は不思議に満ちています。

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4.エナガ

 今回初めて撮影することができました。尾羽がとても長く、体長の約半分を占めている、小さくてとても可愛い小鳥です。ヨーロッパから中央アジア、日本にかけて分布していて、日本では留鳥として生息しているそうです。頭頂部は白色で、目から側頭部には黒色となっており、背中には褐色の模様が施されています。つぶらな目と小さな嘴が、可愛らしさを際立たせていますね。木の皮をつついて、小さな虫を探して食べているのでしょうか。忙しく幹や枝を移動していました。Wikipediaによると、昆虫、木の実、蜜、樹液など、食べられるものは何でも食べる雑食性のようです。シジュウカラ、メジロ、コゲラなどと群れを作って採食行動をとることがあるそうで、北運動公園では、エナガの群れに交じって、シジュウカラとメジロがが一緒に採食行動を採っていました。異なる種同士でも群れを作ることによって、外敵から身を守ることで有利に働くのでしょう。

 名前の由来ですが、皆さんの予想通り、長い尾羽を取っ手に見立て「柄の長い柄杓」の形に例えたからだということです。うん、納得です!

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5.シジュウカラ(♀)

 お馴染みのシジュウカラですが、今日撮影できたのは女の子でした。お腹の黒ネクタイが細いので、メスだとわかります。これまで撮影してきたオスのシジュウカラと番なのでしょうかね?これからシジュウウカラを撮影するときは、周りをよく観察して番の一方が近くにいないかを確認することにしたいと思います。因みに繁殖期は4-7月だという事なので、非繁殖期であるこの時期は、番として行動していないのでしょうかね?調べてみたところ、冬は群れで、春から秋は番で行動しているようですので、もう少し経てば番で姿を見ることができる筈です。

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6.ヒヨドリ

 今回は念願だったヒヨドリの詳細な写真を撮影することができました。前回の記事で述べたように、外見からは雌雄を判別できないという事ですが、よく見ると背中の色が灰白色と灰黒色の個体が居るようです。この違いは、雌雄の差ではなく、年齢に関係するかもしれませんね。または単なる個体差なのでしょうか?ヒヨドリ同士は、どうやって異性を見つけることができるのでしょうか?モンシロチョウは、人間の目で見る限りオスもメスも同じ色にしかみえませんが、モンシロチョウの視覚で見た場合は、オスの翅が黒く、メスの翅が白く見えているということなので、ヒヨドリ自身の視覚情報だと明確に雌雄の区別ができるのでしょうね。彼らがどのようにして雌雄を見分けているのかを知りたいところです。

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7.トビ

 1枚目は、獲物を求めて飛行中のトビです。この直後、獲物を発見したとみえ林の中に急降下した後、再度上空に戻りました。2枚目はその時の様子で、足でなにか掴んでいるのが確認できます。狩りは成功だった様ですね。残念ながら写真を拡大してみても、獲物が何だったのかはわかりません。こんな命を賭けた戦いが日夜行われているんですね。

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8.ゴイサギ(幼鳥)

 久々の登場です。藪の中でじっと休んでいるゴイサギの幼鳥を見つけました。【12月6日 北運動公園の小さな生き物(1)】で紹介した同じ個体だと思います。あれから1か月程度経過していますが、羽毛の模様、及び虹彩と嘴の色に大きな変化はありません。成鳥になるまで3年ほどかかるようなので、この幼鳥が大人になるにはまだまだ月日を要しそうです。この池で、無事に成鳥になってくれたら嬉しいですね。

 ところで、ゴイサギって、「五位鷺」と書くそうです。Wikipediaによると、『『平家物語』(巻第五 朝敵揃)の作中において、醍醐天皇の宣旨に従い捕らえられたため正五位を与えられたという故事が和名の由来になっている』ということです。正五位といえば、平安時代に昇殿を許された高級貴族ですから、このゴイサギ様は、なんとも貴い鳥だったんですね。

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9.カルガモ(つがい、番)

 ここの池には、10羽ほどカルガモが飛来しています。【12月6日 北運動公園の小さな生き物(1)】でも紹介しました。前回はうまく雌雄の判別ができませんでしたが、よくよく見ると上面の羽の縁取りに僅かに濃淡があるのが判りました。縁取りが薄い1枚目の写真がオスで、縁取りの濃い2枚目の写真がメスだと思います。また後頭部から背中にかけての黒い筋模様が、オスと思われる個体の方が太くて濃くなっています(3枚目の写真をご覧ください)。個体間差かもしれませんが、その模様だけでも何となくオスの力強さが出ている様に思えますね。

 名前の由来でいうと、この鳥も由緒正しきお名前でしたね。

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10.カイツブリ

 初めて出会いました。最初に見たときは、小さな鴨の仲間だと思って撮影しましたが、よく見ると鴨とは全然シルエットが異なっていて、カイツブリだということが判りました。2番目や5番目の写真でわかるように、尾羽はとても短くて全体的に丸っこくてずんぐりした体形をしています。カイツブリの仲間は、アフリカ中南部からユーラシア大陸中緯度から日本にかけて広く生息しているそうです。日本には奈良時代から観察記録があり、当時は「にほどり」「みほとり」と呼ばれていて、室町時代以降に「かいつぶり」という名前になったということです。Wikipediaに名前の由来も含めて説明があるので、参考にしてください。

 食性は、前述のカルガモとは異なり、潜水して魚類、昆虫、甲殻類などの水生動物を餌としているようです。撮影するときも、頻繁に水中に潜って餌を求めている姿を見ることができましたが、餌を獲得したところは確認できませんでした。この後必要な量の食物を得られていれば良いのですが・・。

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11.おわり

 今回の散策では、「ジョウビタキ」、「エナガ」、「カイツブリ」の姿を初めて撮影することができました。また、良く見かけますが、なかなか良い写真が撮れなかった「スズメ」、「メジロ」、「ヒヨドリ」の素敵な姿を撮影することができました。

 小さな生き物の姿を写真に納めて、その生き物の関連情報を調べて、このブログで紹介するというプロセスから、私自身が新たな知識を得るという歓びを感じている今日この頃です。これからも、ゆったりと続けて行こうと思います。最後まで拙文をお読み頂きありがとうございました。


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