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大天井岳の頂から

小屋から下山した後に登った大天井岳の記事が続いていますが、
最後に山頂で思ったことを自身のメモとして綴ります。

大天井岳は北アルプスの中でも一番東側に位置し、安曇野市や松本市が見えます。

松本にある私の家がある場所も僅かに見えています。

一方で私が夏に働いている山小屋も見えます。

こちらは下界の光が届かない北アルプスの奥深い所にあるのですが、大天井岳の山頂からは双眼鏡を使えばはっきりと見ることができます。

大天井岳の頂からは、
私の夏と冬2つの住まいが両方見ることができました。

松本の街
夏のお家


そのことに気がついた時、
改めてこのフィールドを股にかけて生活し、働いていることが、自分にとって嬉しいことなんだな、と実感しました。


宿の仕事は一種のプレゼンテーションだと思っていて、
料理やインテリア、ご当地感、そこからの景色等を様々な形のものを、お客様に対してプレゼンする場。

そう考えると私がお客様に対してプレゼンしたいのは、
やはり北アルプスを中心としたフィールド

これほど私自身が感動したものは無いからです。

下界や都会にいると
どうしても自分が100%納得したものを提供するというのは難しいですが、

山では自然が創り出した絶景や登頂した達成感という、私の中で限りなく満足できるものを提供できます。

その点で山小屋の仕事って、
私にとって大変価値のあるものです。

そしてたとえ山にいない冬の期間でもあっても、そんな素晴らしい山を見てもらったり、
紹介できる松本や上高地といった場所での仕事も山小屋に準ずる魅力があります。


山小屋の仕事をメインにしていると、
非正規雇用で不安定・低収入、
都会の友人たちに会うことも、
昇進やら結婚やら将来の展望も縁遠くなってしまって、不安になることも多いです。

しかし今回私が股にかけて生活し、働いている場所を大天井岳の山頂から眺めてみて

うん、やっぱりここがいい。

そう思えたのでした。

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